最後の1本感想

最後の1本。
正式タイトルは『最後の1本~ペニス博物館の珍コレクション~』である。

ものすごくざっくりした感想を言うと
「真面目なペニスの映画です」(某オレンジジュースのキャッチ風)(ごめんなさい)
あと。
「己のペニスによる自己顕示欲がすごいすげーめんどくさいおっさんの存在感がやばい」。

アイスランドにあらゆる哺乳類の男性器を展示する博物館があるんですよ。
だけどそこには人間の男性器のサンプルはない。人間の体の一部を死体からだとしても任意に切り取って好き勝手には出来ないんですね。
どうしても展示を完成させたい館長の元に二人のサンプルを提供する候補者が現れる。
一人はアイスランドでは有名な高齢な冒険家のおじいちゃん。
もう一人は自分の自慢の男性器に「エルモ」という名前をつけ、そして世界一有名な男性器にしたいという野望を持つアメリカ人のおじさん。(正式には奥さんが名付けたらしい)

まぁ~このエルモのおじさんがめんどくさい。
寄付だけすりゃあいいものを展示方法やらオフシーズンには返してくれやらめちゃくちゃ口出ししてくる。
それに関するメールを毎日に2通3通送ってる。
その中には自分の男性器にサンタやバイキングのコスプレをさせた写真があったり。
ついには亀頭に星条旗のタトゥーを入れたりする。
ペニス博物館の館長とかいう変わった人が「変わった男」と言い出す始末。ていうか、完全にげんなりしてました。エルモのおじさんに。

館長としては同じアイスランド人で有名人である冒険家のおじいちゃんの男性器が欲しい。
ただおじいちゃん90過ぎてるんですよね。
あのね、縮むんですよね。
実はね、寄付する男性器にはね、「法的に達していなければいけない最低限の長さ」とか言うのがあるらしいんです。
それに満たなければせっかく寄付してくれても展示は出来ない。
そもそも自分の縮んだ息子を公の場に出したくないという理由で寄付を取り消してもおかしくない。
晩年のおじいちゃんの「縮んじゃったよ……」の哀愁よ……。

寄る年波には館長の元にも。
足に血栓が出来て通院やら投薬の日々。
彼も彼自身の男性器を死後寄付する契約をします。

そして、おじいちゃんは96になる歳で亡くなりました。
死後、彼の男性器は館長の元へ。寄付を取り消してはいなかったんですね。
確認の上、法的な長さにも達しており、偉大な冒険家のおじいさんの男性器を持って、ペニス博物館の展示は完成しました。

そして、エルモのおじさんは、エルモがヒーローとして活躍するコミックを出版しました(エンドロールで流れる擬人化された男性器のコミックのイラスト)(なんだこのオチ)

それはそれとして、作品としては本当に真面目なドキュメンタリー映画でした。
博物館の仕事やら色々な法的な決まりやらやり取りやら大変で、また、そういったものに人間ってちゃんと守ってもらってるんだな~と感じましたね。

しかしなんだったんだ……エルモのおっさん……(※おっさんのエルモはセサミストリートのあの子とはなにも関係がありません)
やっぱり人間て「あ、この人の会話、面倒だな」って思う様なコミュニケーションだと人って離れていくんだな……と身につまされるような教訓を得ました…………。

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