RRRの話 ラーマのお父さんのヴェンカタについて自分なりに色々考察してみた。
2023/5/16にふせったーに書いた考察です。
※個人の考察なので勝手な幻想見てんな~このオタクぐらいでとらえて貰えると幸いです。
ラーマのお父さん、ヴェンカタを「英国軍に嫌気がさし、解放を決意した」というくらいの解釈を初め見た時にしてたんですが、後々になって、自分の中では違和感が生まれて。
まず、なぜヴェンカタが警官だったか、というところから考えたんですけど。
描写として印象的なのは、勲章をかなぐり捨てるとこ。と、一人で軍隊に対峙できるほどの狙撃力だと思うんですよ。
ただ安定した仕事だから警官をしていた、とは考えにくいんですよね。何かラーマ同様、志があって、警官をしていたのだと思うんです。
例えば、警察の中で地位を得て、そこから国を変えていこう、とか。
でも、ラーマが功績をあげても昇進できないように、銃弾以下の価値と蔑まれたインド人の立場から考えると現実的ではないわけです。
それを貧しい村で殴り殺された村長を見て、ヴェンカタは突きつけられたのではないかと。
自分一人がいくら正攻法で立ち向かってもどうにもならない、このままでは罪なき同胞が理不尽に殺されていく。
そこで、優れた狙撃力を持ち、優秀な警察官であったヴェンカタは、自分は村で兵を鍛えることにしたのではないかと。
恐らく正当な評価が与えられていればもっと地位も名誉も与えられてたはずなので、我々が見ている以上に優秀な方なんですよ、恐らく。
しかし、警察の内部情報は欲しい。情報収集であれば、無理に戦闘力は必要ないわけです。
ヴェンカテスワルル叔父さんが、その任を担っているわけですが、彼は制服から見ると昇進はしていないし、戦うシーンもないんですよね。
2人は警官である理由も目的も異なる、ということなんじゃないかと。
何故幼いラーマに使命を与えたのか。
それはまさしくラーマがそれに足る存在だったから、なんですよね。
自分を凌ぐほどの狙撃力を持つ、血を分けた息子。
武器。
お前が武器だ、という言葉の時のヴェンカタお父さんの表情は、どうにも複雑な思いを抱えているように見えるんです。
その才能に己の息子であることを強く感じ、誇らしく思う心はあれど、それが何故自分の息子なのだと、嘆く心も有りそうで。
息子が、否応なく戦いの中に身を投じなければいけない運命にあることを、才能から感じ取ってしまった、という表情に思えるんですよね。
銃を渡した瞬間から、解放へ導く役目はヴェンカタからラーマに移ったのかなと。
ヴェンカタお父さんはあそこで自分の役目を終えたんですよね。それが最後の銃弾の行方だったわけで。
自分を犠牲に村を守ったのは、そして一人で立ち向かったのは、本当であれば自分が全てを背負いたかった彼の心が、そう動かせたのではないかって。
しかし、1人でそんなことが出来るはずもなく、もはや幼いラーマに託すしかなかった。
その時のお父さんの気持ちを考えると……もうこの幼いかわいい息子を守ってあげることも、成長を見届けることも出来ず、あまりに重い使命を託すしかできなかった悲しみを思うと……。
目の前で、もう一人の息子と愛する妻を殺された父親が……残された息子を守る手段があれしかなかったなら……それを選ぶしかないわけで……あぁ…………。
ラーマが弱い子供であることが許されなかった子供なのであれば、ヴェンカタは優しい父であることが許されなかった父だったんだなぁ……。
伝説の闘士になりたくてなったわけじゃないよな……。なるしか、なかったんだ。
戦って、取り戻さなきゃ、本当に望んだ、ただの親子であることさえ、できなかったんだから…………。
そんなラーマと共に戦うビームが、
かわいい弟分となり、愛情深く看病して、地母女神の歌を歌い、シータと再び引き合わせてくれて、終盤にはヴェンカタを思わせるような姿になる。
…………ラーマにとって、本当にビームの存在って大きいんだなぁ…………うわぁ……(大の字)。