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移民の故郷はどこか。

映画「インザハイツ」をみて。

映画ではラテン系移民の人々の夢、生活、故郷の話。
大学の卒業論文では一応移民について書き、ゼミも移民関係。(卒論は適当、ゼミも休みがちだったが、、、)

当時、卒論のテーマとしてやりたいことが2つあり、大学に入る前から決めていた日本の貧困に関することと、移民についてだった。
移民のほうにしようと思ったきっかけは授業でみた「ブルックリン」という映画と、その講義が決め手になった。
移民の人たちの努力、葛藤、生き方、決断力に心打たれ、また、自分が移民となった際の勉強にもなるのでは?と思った。

故国では働き口がなく、移住という選択肢を取る人たち。一から言語の学び直し、安い賃金での労働、人種差別…いくつもの壁にぶち当たりながらもその国で居場所をつくっていく彼らを心の底から尊敬する。

映画では、移民1世たちが作り上げたラテン系の国が集まる町に暮らす人々の夢や生活が見える。

8歳の頃までのドミニカでの生活を素晴らしい日々とする主人公、若くて優しくて頭もよく、ほぼ生まれた時からアメリカにいる不法移民のいとこ、町1番の期待の星でスタンフォード大学に入ったものの、人種差別を受け帰省した子、ファッションデザイナーを目指し、ラテン系の町から引っ越したい子。どの子もアメリカでの時間の方が長く、故国に知り合いはいない。

故郷とは、愛する人たちがいて、育った町こそが地元で、故郷なのだ。それは自分たちが決めることであり、他人が決めることではない。免許を取る権利、大学にいく権利、育った国であり働いている国で権利がないのはおかしなことである。

何世まで続いたらその国の人なのか?何をもってその国の人であるというのか?誰しもがルーツを辿るとその国以外のところから来ている人がほとんどではないのか?

移民について自国の人の働き口がなくなる、治安が悪くなる、などと言われるがそれらは完全に間違いである。

故郷を離れ絶え間ない努力をし、異国で生きる人たちを受け入れ、理解しお互い気持ちよく生きていくことが、どこの地域でも出来たなら。

1世たちが作り上げたコミュニティを故郷であると自信をもって言えるように。そんな世の中になることを心の底から祈る。

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