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ドラッグ体験記

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普段は表立って語られないドラッグのいろいろ。
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ニワトリが面白すぎて泣いた話

たまに自分の感情が分からない瞬間がやってくる。哀しいのか、怒っているのか、幸せなのか。そもそもこの感情に名前はついているのだろうか。人間はあるモノに対して言葉を持っていない時、そのモノの特定に苦労する。特に感情という主観的で曖昧なモノは、言葉で定義できないと、自分自身でそれを確かに感じているにもかかわらず、本当にその感情が存在しているかさえ疑ってしまうこともある。自分自身の複雑すぎる感情に惑わされてしまうことも、珍しくはない。 その当時私は、わけもなく気分が落ちていた。元々

LSDとサイトランス

早速だが、この音楽を聞いてほしい。 どう感じただろうか。おそらくほとんどの人が嫌悪感を示したのではないだろうか。しかしほんの一握りの人たちは、ここの音楽に美しさを見出したのではないだろうか。そしてこの美しさに気付いた人はおそらく、幻覚系のドラッグをやったことがある人だろう。そうでなければ、そういった類のものを楽しむ天性の才能がある人に違いない。 サイトランスこの種の音楽はサイケデリック・トランス、略してサイトランスと呼ばれている。文字通りサイケなトランスだ。トランス以外に

ドラッグユーザーのパーソナリティ

主観的な一般化というのはよく起こるものだ。学問として言語を少しかじっている者として私は、よく学びたい言語によって性格が違ってくると勝手に思っている。フランス語を学ぶ人には少し気取っているとか、スペイン語を学ぶ人には変わり者が多いとか、中国語を学ぶ人は伝統的だとか、自分の主観と経験に基づいて統計学的に一般化をすることは誰にでもあることだ。国民性や県民性は、広く共有されている一般化された像だ。 このような一般化はドラッグ世界でもよくある。好みのドラッグを見ることで、その人の性格

バックパッカーとドラッグ

私は何回もドラッグをやっている。辞める気なんてさらさらない。辞められない訳じゃない。辞める理由が見つからないだけだ。 この最初の段落を見ただけで、「ダメ!ゼッタイ!」の教育を受けているほとんどの日本人は、私のことをドラッグに人生を壊されたクズ人間とでも思っているだろう。 その「偏見」は当たっているのだろうか?本当にドラッグは人生を壊すのだろうか?私たちが教えられたことは本当に正しい知識なのだろうか? バックパッカーとドラッグバックパッカー社会はドラッグ社会だ。みんながみんな

トウキョウからは見えない景色

この美しい世界を見続けられるのなら どんな努力も惜しまない そう自分に強く誓ったのは、大学卒業を近くに控えた2017年の大晦日だった。 幸せを知らなかった頃今でこそ無責任で自由な生活を送っていて自分の人生が大好きな私だが、旅に出る以前は全く違った。今も昔も世間一般社会にうまく適合できないレベルに変わり者とは呼ばれてきたが、昔はそのせいで虐められていたこともあって、自分が自分でいるだけでなぜか好奇の視線を集めてしまうのに耐えられなくて、自分を抑えてでも他人に合わせようとして

協力の美しさ

うわ、まさかこんなことで泣くとは思わなかった… と不意打ちで感動して涙した経験は多くの人が持ち合わせているだろう。 歳を食うと涙もろくなるという。 私はまだそんな年でもないと思っている。 だけれども思いがけないところでウルっとすることが増えてきた。 経験が増えて共感しやすくなっているのだろうか。 感動というのは美しい感情だ。 様々な要素が感動を引き起こすけれども、 互いが協力しあって何かを成し遂げる姿は多くの人の心を動かす。 甲子園が多くの日本人に愛されている理由もここにあ