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大映ドラマ、そして大滝詠一を聴きたくなる季節。

春だね。と書いたところでなんもない。花粉症がつらい日々が続くよね。ほんとやだ。

抗アレルギー薬をガンギメする季節。あ、花粉症に効く飴をヘビロしてたときもあったなあ。知ってます?杉花粉入りのやつ。昔、山伏は修行のためにわざわざ花粉の季節にあえて花粉を浴びて抗体つけてなんとか云々みたいな謳い文句の飴。楽になった気がするだけの飴。いつのまにやら服用しなくなったなあ、そういや。

鼻を塩水でうがいとかいろいろ試したけど結局病院行って薬貰って服用に落ち着いた。今年もそんな日々が始まってるわけですよ。ご時世的にマスクもマストだし、幾分楽な気もしないでもないけど、どうなることやらだねえ。と、最近は韓流ドラマに加えて並行し大映ドラマを観ているボクなんです。しかも歴史の闇に埋もれてるやつをね。理由?好きだからですよ。

大映ドラマで挙げがちなのは山口百恵一連のやつ。「スクールウォーズ」、「ポニーテールは振り向かない」、小泉今日子の「少女に何が起こったか」、ホリプロの杉浦幸による「ヤヌスの鏡」に「この子誰の子?」、あと「乳姉妹」、「高校聖夫婦」てのもありました。あ、地味目なとこで「蒼い瞳の聖ライフ」も。

堀ちえみだと「スチュワーデス物語」に「スタァ誕生」「花嫁衣装は誰が着る」とか。南野陽子の「アリエスの乙女たち」なんてのもあった。だけどそういう思い出のアイドル王道な大映ドラマを今のボクは欲していない。

「噂の刑事トミーとマツ」という刑事コメディものがあった。松崎しげると国広富之の、まるで「こち亀」の両津と中川コンビみたいな先輩後輩コンビのドタバタもの。人気があったのか2シリーズ続いたがその間に挟まれた大映ドラマによるラブコメもの。ボクはこの作品が大好き。好き過ぎて死ぬレベル。そう、タイトルは「秘密のデカちゃん」。おそらくこの作品を再評価しCSで再放送されたのを全話録画セットアップしてるのは世界でボクだけだろう。いいじゃない。好きなんだから。

主演は石立鉄男と大場久美子。石立はうだつのあがらない中年刑事。若い頃逮捕した殺人犯の娘を養女として育てて、、なんて書くとヘヴィになりそうだが、これはドタバタコメディ。なんだかんだで秘密の夫婦になっちゃう柳沢きみおや村生ミオもびっくりのドタバタラブコメなんですね。さらに娘は婦人警官だから職場も一緒。だけどもともと親子ってことだったし夫婦になりましたとは今更カミングアウトもやばいじゃんってことでバレそうバレない、さらに石立や大場に言い寄る同僚続出、とまるで「翔んだカップル」からヘヴィネスをとっぱらったライト感覚ドタバタラブコメ。これが何度観てもよき。飽きない。疲れない。そしてコレがオンエアされてた80年代前半の日本ってなんて平和だったんだろうと思うわけ。こういうドラマっていつのまにかなくなっちゃったよなあ。

伏線張り巡らしまくりの韓流ドラマも好きだしハマってるけど、「秘密のデカちゃん」みたいな軽いやつは箸休めにちょうどいい。なんも考えずぼやーっと観るのにちょうどよきなわけです。「うすぎたねえシンデレラさんよぉ」と小泉今日子主演の「少女に何が起こったか」では暑苦しい熱演が光る石立もこの作品では女に弱い、極端に人がいい、世渡り下手なダメ男を演じてるのがいい味出してるし大場久美子も可愛い。署長役の名古屋章がね、またいいんだ。ザッツ昭和の頑固親父。最高。

ちなみにボクはオンエア当時は観てなくて、再放送タイミングの1984年3月に「秘密のデカちゃん」を観始めた。この月の下旬にボクは大滝詠一の「EACH TIME」を購入している。1曲目の「魔法の瞳」にヤラれB面「ペパーミントブルー」のイントロ多重録音コーラスの美しさにショックを受けた。だから花粉症が始まるこの季節になると大滝詠一を聴きたくなるし「秘密のデカちゃん」を観たくなる。それがボクにとっての春の始まりなんですよね。

あとは「めぞん一刻」の最終ページのあの感じ。何かが終わり何かが始まる切なさとワクワクの同居感。ボクにとってのその象徴が大映ドラマ「秘密のデカちゃん」であり大滝詠一なのだ。来月の「A LONG VACATION」40th ANNIVERSARY盤はもちろん即買いする。

それにしても漫画家/イラストレーターのコラボってアイディアは実に絶妙。予想はしてたけど江口寿史×大滝詠一はパーフェクトな組み合わせ。女の子と海との距離感がたまらないカットだと思う。あの距離感こそがロンバケの世界観なんだとボクは思う。リゾートミュージックの体裁でありつつもベッドルームミュージックとしても機能する全方位音楽。これぞポップスじゃないかと思う。多面的だからこそ、個人的思いが反映される。エンタテイメントってやっぱりそうじゃないとってボクは思いますよ。

さてボクは今夜も韓流1本観て「秘密のデカちゃん」観て大滝詠一聴きながら眠りにつこう。これぞボクの完璧な春の始まり。80年代懐古主義と呼ぶならおおいにけっこう。好きにさせろや笑

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