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SHOP自分でTシャツを作ろうと思ったけど冷静に冷静にとまだボクは悩み続けている。

週刊文春の最新号。小沢健二の記事よりも小林信彦コラム連載終了にがっくし。文春毎週読むきっかけは小林信彦だった。長期連載となったコラム人生は51から、もそうだが「天才伝説 横山やすし」の連載を見つけたときの衝撃。誌面に当たり前のように掲載されることはもうないんだなあ。「考えるヒット」の連載終了もショックだったが。いよいよ指標なき時代に突入か(ボク的にですよ)。宮藤官九郎、林真理子の連載が終わってしまったら文春定期購読はあやしいかなあ。いや、わかんないですけどね。定期購読マジック。それは惰性から始まりますから。とりあえず今週、ボクらは小林信彦のコラムを定期的に読む環境を失った。

この1週間は柳沢きみお風にキメるとすれば「メチャ」冴えない日々。火曜日にワクチン第1回接種したからですかね。島耕作に当てはめるとすれば課長時代の京都赴任、もしくは部長編のサテライトレコード外された直後って感じですかね。特に何があったわけでもないのにうっすらダウナー。コレも副作用ってやつかもしれませんな。特に何がDOしたわけでもないのにI'm down byビートルズ。ああ、久しく聴いてない。

昨日中央線で立川へ。諸用済ますと目の前にブックオフ大型店舗とディスクユニオン。こりゃあ偵察だわと思って両店チェックインするも見事収穫なし。ブックオフはリニューアル中で在庫にオーラなし。ユニオンはなんつうか、、この店もしかすると60年代ブリティッシュ・ビート好きなのかも。高校時代のボクなら狂喜乱舞。まだ柳沢きみお作品は「愛人」シリーズと「月とスッポン」「ミニぱと」ぐらいしか知らなかったあの頃。

柳沢きみお評価運動を叫び始めて約1年。その間雑誌「昭和40年男」で4ページ寄稿したが形になったのはそれだけ。Twitterで日々きみおについて発信してみたが反応はごくわずか。どうもまだ皆の無意識下に潜む記憶を引っ張り出せてない。特にバブル世代、忘れちゃってる?忘れたフリしてない?

氏の作品に「SHOP自分」というマンガがあります。ビッグコミックスピリッツで連載されたこのマンガ、いわゆる起業もの。かつて同誌で不倫を扱った「瑠璃色ゼネレーション」、婚活をテーマにした「妻をめとらば」、一転して復讐サスペンスな「DINO」とヒットを飛ばしてきた柳沢が数年置いてスピリッツに復活した作品でもある。ビックリしましたよ。だってタイトルのインパクト。SHOP自分。店、オレ。オレが店?みたいな。

主人公のチョクは冒頭でいきなりリストラ。路上で偶然ミーナという美少女に出会う。ミーナを媒介にアパートを紹介されたそこはまさにSHOP自分。つまりなにかしら全員そこで商売してるアパートだった。

チョクとミーナがどうにかなるのかと思いきやまったくソレはなく、なぜか元同僚の地味なOLと付き合うチョク。ミーナはいったい何?て疑問は最後まで明かされない。それどころか起業にあたり古着屋を選ぶチョクのいきなりさ。白Tを紅茶で染めて原宿界隈でスマッシュヒットさせるセンス!

結局自分自身をどうアピールしてマネタイズしていくの?って話にしたかったんであろうこの作品。店の売り上げが伸びずに悩ましくても近くの町中華で冷やし中華やチャーハンを頬張り「ウメー」で完了。アパートの大家は住人たちと酒盛りや鍋パーティーを主催しながら酒や食べ物にうんちくを語る大市民的キャラだし。残念ながらミーナを始めとするキャラたちの持ち味が完全に活かされることがないまま物語は終わる。紅茶染めTシャツを薦めたチョクの友人で元ホームレスの彼とか実にもったいなかった。しかし起業ものというか独立開業という異ジャンルに挑戦した柳沢きみおの姿勢をボクらは拍手喝采、評価すべきなんですよ。考えつかないって。SHOP自分というキャッチーすぎるタイトル。こういうチャレンジがまだ許される時代だったんですよ。SHOP自分が始まった1999年は。

青年マンガ誌がコンビニの棚を日々埋め尽くしていた時代は2度と戻らない。そんな時期を普通だと思っていたボクら世代、そしてちょい上のバブル世代はなんて幸福だったんだろう。今じゃすべてのマンガ青年誌をコンビニで立ち読みできない時代だ。すべて入荷してないんですよ。実際ボクが住むマンションの真ん前にあるファミリーマートにはビッグコミックスペリオールもアクションも入荷しない。先週木曜日に店頭に並んだコミックモーニングは3冊だ。リアルな現実、本気の現実。ジャンプは別腹なんでしょう。ジャンプ、ヤンジャンは常にどかっと入荷、グランドジャンプですら変わらない。単純にジャンプファンが多いだけかもですがね、このご近所界隈。

柳沢きみおのマンガをコンビニで立ち読めたのは2000年代のヒット「只野仁」シリーズが週刊現代に連載されてた頃がピークだった。のちブブカやサンデー毎日でなにかしら連載していたのが最後。いまや電子書籍読み放題でしかほぼ氏の作品に触れることはできない時代だ。いわゆるマンガのサブスクリプション。

でもいろいろ意見はあるだろうがApple MusicやSpotify並みのラインナップでちゃんと作品紹介もできて詳細な掲載情報とか入れてリコメンド特集もちゃんとやるマンガのサブスクリプションあったらヒットすると思うんですけどね。ピッコマとかLINEマンガとかの無料ポイント貯めて地味に作品読むやつでなくて。マンガに触れる機会が増えるのはアリだけど個人的にはポイント待ちの時間がまどろっこしい。だったらツイストbyいいとも青年隊ではないが買っちまうか単行本って話。あ、コレは見事に販売戦略にハマってるってことか笑 アハ笑by原秀則。

なんか音楽並のラインナップでやって欲しいと思うんですよね。マンガのサブスク。実現してないってことはいろいろあるんだろうなと容易に想像できる。でもね紙で確実に売れる作家は変わらずだと思うんです、いやむしろプラスかもよ。サブスクリプションは共有ですからね。絶対所有したい絵を描く方々は逆にニーズが高まる。サブスクやってアナログレコードも出す流れのベテランミュージシャンに感覚は近いかも。

たとえば伝説のトキワ荘が復元されました。でもその伝説の漫画家アパートに住んだ作家たちの単行本って容易に手に入らないわけです。良心的な大型老舗書店は別ですよ。ギリで手塚治虫、藤子不二雄両名はなにかしら置いてるかもだが石ノ森章太郎、赤塚不二夫となると在庫として怪しくなるだろう。仮面ライダーやおそ松さん関連本はあるかもだが。寺田ヒロヲ、森安なおやとくれば絶望的だ。

ジャンプ隆盛のいま、その土台を作った漫画家たちの作品はどうなってる?最大の功労者、本宮ひろ志の作品群はすべて基本在庫にするってのが男気(男樹)でしょうよ。少なくとも都心主要店舗には本宮組のマンガコーナーがあるとかさ。となれば宮下あきら、前川K三、金井たつお、江川達也のマンガが読める買える環境が生まれる。でも難しいわけじゃないですか。高橋よしひろの「銀牙」スピンアウトシリーズですらリアル店舗で買うのはあやしい。どうかと思いますよ。

本格的なマンガのサブスクリプション・サービスが始まればきっと日本の未来は明るいはず。いつでもどこでも柳沢きみおの鬱々としたハードボイルドな作品に触れられるんですよ。ビートルズや多くのロックの古典が当たり前のようにスマホで一発アクセスできる時代なのに日本が世界に誇るマンガ文化が共有されないのはねえ、、。何度も繰り返しますがサブスク解禁のほうが紙は売れますよ。SHOP自分フィーリングでどなたかぜひスタートアップして欲しいですね。

それにしてもSHOP自分。いっそロゴT勝手に非公式で作って着ようかなァと思ったんだが躊躇している。インパクトあるよなァ、Tシャツ中央にSHOP自分ってロゴあったら。この夏、作るべきか作らざるべきか。誰かボクの背中を押して欲しい笑




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