散文詩 エメラルド色のこどもたち(2004年)

風通しのよい光の天使たちが、燦々としたまま、雪のようにしずしずと降り注いでいます。エメラルド色の王子様やお姫さまたちは、柔らかい羽毛に、幸せそうに埋もれたままで、のびやかな様子で、きらきらきらきら息づいて、白ヶ白ヶまたたいていました。――このあどけない子供たちは、遠慮の深い、午後の微風の王宮で、名前もなしに、しゅるるしゅるると繁殖していく、焦げ茶色をした揺籠たちに、心地よさげにあやされています。――音楽的で、目には見えない幾何学的な、端整で高貴な駄々っ子たちやお転婆娘たちは、どこまでもどこまでも高く澄んでいる、「永遠」という名の、聖女みたいにやわらかい両手に、いつまでもいつまでも抱きすくめられて、すややすややと、夢を見ているのでした。人の耳には、とてもじゃないけどとどかない、微かで微かな寝息を立てて、まどろみまどろみ、思い出しながら。――まるで彼らが人間や動物やわたしたち自身だったころの、懐かしい昔の思い出を、加工し移動し、置き換えるみたいに。

(2004年 2012年推敲)

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