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生物界のおきてに学ぶ弱者の動詞④

稲垣栄洋さんの著書はいつも面白い。最初に手に取ったのが『弱者の戦略』。自然界は厳しい生存競争にさらされているが、必ずしも「強い」ものが生き残れるとは限らない。一般に「弱い」と思われている生物が生き残るために取っている戦略。それが4つにまとまっている。第四に、ずらすという動詞。戦略という行為を知的なものとして捉えれば、この「ずらす」は差別化を意味している。弱者はニッチを狙う。つまり、強者と逆の選択をするのだ。具体的には、活動する時間や場所をずらす。夜行性の生き物がわかりやすいだろう。天敵から逃げ隠れするためにライフスタイルを変えている。植物では早春に花咲く戦略。日本タンポポの事例がある。日本タンポポは、まだほかの植物が伸びてこない早春に花を咲かせ、夏には根っこだけを残し枯れる。寿命は長くとてもサステナブルなのだ。

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