見出し画像

本当に整ってますか?あなたの目標

未来に向かって変化を望んでいるところに目標は立ち現れる。そう、目標は意志なのだ。ただ、人によってはその意志の表現形式はかなり異なっているように思える。たとえば、お正月。年が改まったタイミングで今年の目標を立てたことはないだろうか。「今年はダイエットする」という目標もあれば、「今年は何キロ減量する」という目標もあるだろう。目標にはいろいろな切り口があるようなので一旦整理してみたい。これまでの経験から、目標には3つの大きな軸のようなものが存在している。これらをひとつひとつ説明していく。

一つ目は、時間軸だ。ビジネスの世界では、短期・中期・長期といった三段階の時間概念が用いられることが多い。短期は1年後、中期は3年後、長期は5年後といった感じだ。先ほどの例で言えば、「今年」というのはまさに時間だ。ただ、この言葉だけでは期限なのか期間なのかははっきりしない。夢を目標に変化させるもの。それが時限性であることを忘れないこと。

二つ目は、動詞軸だ。英語の世界では、BE動詞とDO動詞がある。前者は状態を表し、後者は行動を表す。目標には、状態目標と行為目標がある。先ほどの例で言えば、「ダイエットする」というのは行動目標で、「何キロ減量する」というのは状態目標と言える。日本語では、成し遂げたいことを状態面、そのために為すことを行動面で表現すると、目標をよりはっきりとイメージ出来たり他者と共有できたりするのではないだろうか。「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」上杉鷹山の名言だ。彼も目標にこだわっていた節が垣間見えて面白い。

三つめは、状態軸だ。達成基準と捉えるとわかりやすいかもしれない。「はかれないものはマネージできない」とはドラッカーの言葉だ。先ほどの例で言えば、前者には達成基準はないが、後者にはあることがわかる。さて、どちらが望ましいだろう。目標における基準で思い出すのが、昔の日本陸軍の考え方だ。必ず達成するものを必達目標、できれば望ましいものを望達目標と呼んでいたそうだ。これを現代に応用したのが日産。カルロスゴーンは必達目標のことをコミットメント、望達目標のことをターゲットと称していた。

最後にもう一つだけ。動詞軸にある学習について。学習目標とは、物事の着手や最中ではなく事後の財産、つまり経験した結果として何を残すのか。言い換えれば、次の行動や再利用のため、あるいは次世代のために何を準備立てておくのか。英語ではCARRY(運ぶ)という動詞が一番しっくりくるので、TO CARRYと名付けておくことにする。そもそも、CARRY OUTは実行するを意味するのだから。遺産と言えば大袈裟になるので、財産目標と呼んでもいいかもしれない。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?