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陰翳礼讃(いんえいれいさん)で谷崎潤一郎先生が企んだと思はれること

ここしばらく「美」について探求している。そこで行き当たったのが谷崎先生の陰翳礼讃。さぞかし日本の美について細雪の如く、美々細々に筆を走らせているかと思っていたが間違いだった。第一印象は「朝井リョウか!」だ。陰翳礼讃を書いた当時、谷崎先生は「身分不相応な大金を投じて家を建てた」ばかりで、自分の暮らしぶりや好みを長々と述べている。中でも一番力んでいるのが厠(かわや)、つまり便所に対する愛についてだ。漱石先生を持ち出して「毎朝便通に行かれることを一つの楽しみ、生理的快感にされている」とチクリ。朝井リョウの肛門と谷崎潤一郎の厠。今朝もどんづまりで美的創造力を企もう。

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