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【フラットアースの歩き方】電動自転車で島を一周サイクリング!アップダウンで高度を変えながら水平線が見れる!《愛媛県松山市・興居島》

さて第2回の今回は、愛媛県は松山市の興居島を案内する。ごごしま、と読む。地理的には瀬戸内海で、四国のすぐ北側に位置するため、南はすぐ四国、北は遠くに本州となっていて、前回の潮岬のように、遠くの水平線がよく見渡せるとは言えない。小島もある。しかしこの興居島は、海岸線沿いにぐるっとサイクリングコースが設定されていて、そのコースは高度のアップダウンがわりと多く、色んな高度から同じ景色、海、そして水平線を観るのにとても都合が良い。島には電動自転車のレンタサイクルがあるので、アップダウンも平気だ。

①興居島はどこにあるの?

ここだ。

そして実際には、伊予鉄道の「高浜駅」のすぐ目の前にある「高浜港」をまず目指す。

そしてそこからフェリーで15分で行ける。フェリーには車も載せられる。ウェブサイトでは興居島の一周は21.8km、所要時間は車で33分・自転車で1時間27分とある。僕は自転車だったのだが、自転車の方がじっくりとアップダウンの変化を感じられるような気もする。ちょっとわからない。

②どうやって行くの?

ひとまず伊予鉄道の「高浜駅」を目指す。JR「松山駅」から歩いて500mのところに伊予鉄道の「大手町駅」があるので、そこから乗る。路線図上では、同じく伊予鉄道の路面電車「JR松山駅前」という駅から乗って「古町駅」という駅で乗り換えても「高浜駅」まで行けるのだが、この「古町駅」での乗り換えが謎に死ぬほど煩雑なシステムになっていて、困惑している間に電車が行ってしまう&ギリギリで間に合わない、というのを僕は無駄に2度も経験しているので、完全にオススメしない。ほとんど罠みたいなものである。都市という宇宙におけるブラックホール、またはダークマターでしかない。つまりJR「松山駅」から歩いて500mの伊予鉄道「大手町駅」の一択である。「高浜駅」は最終駅なので「高浜行き」に乗ればよい。所要時間は20分強である。

高浜港から見た興居島。すぐそこ。柑橘の栽培で有名らしい。

さて、伊予鉄道「高浜駅」から「高浜港」はすぐそこなので何も心配はない。問題は、この「高浜港」からは複数の行き先の船が出ているので、一体どれに乗ればいいのか?ということである。もちろん興居島行きであるが、その興居島に行く航路が2つあって、ひとつは「由良(ゆら)港行き」で、もうひとつは「泊(とまり)港行き」である。つまり興居島には高浜港と繋がっている港がふたつあって、ひとつが「由良港」で、もうひとつが「泊港」なのだ。そしてこの2つの港の間では航路はない。つまり高浜港と由良港、高浜港と泊港との往復しか無い。高浜港から由良港を経由して泊港へ行く、ということが出来ない。
ではどちらを目指すか?どちらでもいいと言えばいいのだが、港を降りてすぐのレンタサイクルでは、「由良港」にしか電動自転車は無いようである。「泊港」には普通の自転車しか無い。というわけでレンタサイクルを利用するつもりなら「由良港行き」の一択である。電動自転車では楽チンな興居島のサイクリングコースのアップダウンも、普通の自転車では辛すぎるだろうからだ。そうなるともう水平線などどうでもよくなるに違いない。アリストテレスやコペルニクスの二の舞をするわけにはいかない。彼らは海岸に着く頃には疲れ過ぎて、何かを見逃してしまったのかもしれない。サンタクロースは彼らに電動自転車をプレゼントすべきだった。とまあそのようなわけで問答無用で「由良港行き」に乗ろう。運賃は船内で払うようになっている。この航路は1時間から1時間半に1本のペースで出港する。下に時刻表を貼り付けておく。

③さあ(電動の)自転車で島を一周しよう!

「由良港」で降りるとレンタサイクルの看板がすぐにわかると思う。たいして何もないと言えばない港なのですぐにわかる。サイクリングコースのパンフも置いてあると思うので貰っておこう。そしてこの港のすぐ横にスーパーがあるので、ここで飲み物と食べ物を買っておくのが良い。この興居島にはコンビニなどというものは無い。コースの途中に飲食店もほとんど無かったような気がする。自販機ならちょいちょいあったと思う。実は水平線を観るのに特に良いのは主に島の北側(本州側)であって、港があり四国本土に近い南側にはお店などはあるものの、観察のメインとなるであろう北側にはほとんど無い。そこでお腹が空いたり喉が乾くと辛い。地方スーパーの空気感や品揃えも楽しみつつ、ここで備えをしておこう。ちなみに四国本土の高浜港と高浜駅の周辺にも飲食店は無い。無かったと思う。ただ駅の建屋では菓子パンとかおやつぐらいは売っていたと思う。自販機は全然いっぱいある。こうやって思い出して書いていると、なんだか過酷な旅程のように響くが、実際にはそんなことはない。そこに海があるのだ。瀬戸内海の美しい海。島影。それ以上に嬉しいことはない。ただお腹が空くと辛いのはどこにいても同じだというだけだ。それが瀬戸内海の上だろうと死刑台の上だろうと。あと出発前に港の施設でトイレに行っておくことも忘れないように。

高浜港と繋ぐフェリー。簡素なつくり。由良港にて。
海側から見た由良の街。右の建物が地元スーパー。

さて電動自転車も借りたし、スーパーで食糧も確保した。あとは島を右回りか左回りかで一周するだけだ。サイクリングコースとして設定されてあるアスファルトの上には、ちゃんとサイクリング専用のガイドが青線で引かれていて、つぎの目印までの距離や、分かれ道での案内が表示されてあるので、それに従えばいい。難しいことは何もない。改めて強調しておくが、この興居島のサイクリングコースは大部分が海沿いにあり、しかもアップダウンがしっかりと、そして何度もあるので、高度を変化させたときに水平線や海がどう目に映るかを知るのに最適である。たしかパンフでは「由良港」からまず東方向へ進む左回りが紹介されていたが、僕は西方向へ右回りで行った。西側は先ほどの「泊港」がある方向になるので、港の周辺がどんなところなのか先に見たかっただけだ。別にどっち回りでも問題はないと思う。特に注目して寄るべきポイントも無い。あなたはただ島を一周するだけで、見るべきものを見ることができる。では下に、いくつか写真を載せておく。撮った順。

サイクリングコース上ではこれが最初の一枚だったので、たぶん最初に見えた水平線だったのであろう。わりと高度がありそう。
さらに高いかも。すぐ向こうに見えるのも同じ興居島のはず。
さらに高度が上がる。九州方向を向いているはず。
釣島という名前のかわいい小島。これは広島方向を向いている。瀬戸内海と言えども大きいのだ。世界はデカい。
砂浜に出られるところもある。見えている小島は同じく釣島。
同じ海岸で、海抜ほぼゼロから。
たまたまなにか鉄の棒を並べて乾かすかなんかしてた。遠近法と水平線についてのインスタレーション展示、では無い。
瀬戸内っぽい植物。素敵だ。
これも高度ありそう。でも電動自転車ならスイスイ。これも九州方面かも。西方向は意外と見通せたみたいだ。
下り坂と海、そして陸地。
広島方向。瀬戸内海らしい島影。
中央の建屋の向こうに水平線が見えている。
また水平線がチラ見え。興居島のサイクリングコースでは水平線と海は見放題である。

④ご飯は?宿は?

調べてみると、興居島にはちゃんと宿泊施設があるが、僕は日帰りだったので詳細は謎である。もちろん飲食店も存在はしているが、こちらも詳細は謎である。提供できる情報が何もない。すみません。そして愛媛の県庁所在地であり最大の都市である松山の市街地の中心部は、JR「松山駅」ではなく伊予鉄道「松山市駅」のあるほうである。この両駅はそこそこ距離があるのでややこしい。飲食店も宿泊施設も、その伊予鉄道「松山市駅」周辺のほうが充実しているので、もうそちらで良いのではないかと思う。なんなら実はその伊予鉄道「松山市駅」から、港のある「高浜駅」までは直通するので、興居島へ行って帰るのにも便利なことこの上ない。
ちなみに四国では、香川・高松と愛媛・松山のどちらが「四国の首都」であるかを競うのが定番で、『高松は小さな都会、松山は大きな田舎』と言われることがあるように、この松山市街地はなかなか派手で楽しい街である。あと道後温泉も近い。でも僕は高松の方が好きです。

⑤まとめ

島から戻るときの船便の時刻もしっかりとチェックしておくこと。とはいえ、1時間に1本のペースで出ているのであまり心配はいらない。2時間も3時間も待つことはない(船旅ではそういうことはしばしばあるのだ)。とにかく最終便に間に合うようにすればいいだけだ。あと何度も言ってすまないけれども、興居島でのレンタサイクルは電動自転車に限る。下にレンタサイクルのHPを貼り付けておく。

8台しかないようなので、予約しておいてもいいかもしれない。そしてまた何度も言うようだが、「由良(ゆら)」のほうである。降りる港は「由良港」である。こちらでないと電動自転車が無い。電動自転車でないとかなり辛いと思う。それぐらいにアップダウンが何度もある。だが海岸線の近くを沿って、ほぼ常に海が見えた状態で島を一周できるそのサイクリングコースでは、そのかわりにいろんな高度から水平線を見ることができる。あまりそういう島、またはサイクリングコースは、ありそうで意外と無いのではないか。さあ、アリストテレスもコペルニクスもガリレオでさえもやらなかったことを、この興居島でやろう。

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