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相続で行うこと

相続実務について
1.遺言書の有無を確認する
2.相続人を調査・把握する
3.相続財産を調査・把握する
4.遺産分割協議書を作成する
5.各相続財産の名義変更を行う
 
相続を知った時から10ヶ月以内に相続税を申告し、納税することが求められます。

 
 
1. 遺産分割
遺産分割協議とは、相続人全員で遺産の分け方を話し合う手続きです。共同相続の場合は、被相続人の遺産は被相続人の死亡による相続の開始と同時に相続人の共有となります。共有状態の遺産の分け方を話し合うのが遺産分割協議です。
2.遺産分割の当事者
遺産分割協議は、相続人全員で行う必要があります。誰か1人でも参加しなかった遺産分割協議は無効です。法定相続人の範囲は戸籍等から明らかです。他の相続人が遠方にいる、入院している、海外にいる、連絡先を知らないといったような場合でも、相続人全員の合意で遺産分割協議を成立させる必要があります。戸籍等から判明した相続人全員を当事者とした遺産分割協議書や印鑑証明書が提出できなければ、相続登記や預金解約など相続手続を進めることができません。
3.遺産分割の期限
遺産分割には、特に法律上の期限はありません。ただし、相続の開始を知った日の翌日から10カ月以内に相続税申告を行う必要があるため、それまでに遺産分割を完了するのがスムーズです。もし10カ月以内に遺産分割が終わらなければ、暫定的に法定相続分による相続税申告を行い、後に修正申告や更正の請求によって相続税の精算を行います。
4.遺産分割をしなかったリスク
①共有状態の遺産は活用しづらい
売却や賃貸に関して共有者間で意見が対立し、遺産を円滑に活用できないリスクがあります。
②一部の相続人が遺産を使い込んでしまう場合がある
遺産の管理を一部の相続人に任せていると、その相続人が遺産を使い込んでトラブルになるリスクがあります。
③相続税に関する特例を受けられなくなる場合がある
相続税について、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減の適用を受けるためには、原則として期限内に相続税申告を行わなければなりません。
5.遺産分割の手順
①遺言書の有無を確認する
まずは、亡くなった人が遺言書を残しているかどうかを確認しなければなりません。遺言書がある場合は、原則としてそのとおりに遺産分割を行います。遺言書に分け方が記載された遺産については、遺産分割協議の対象から除外されます。したがって、遺産分割を行うべきかどうか、どの財産が遺産分割の対象となるかを把握するため、最初に遺言書の有無を確認する必要があるのです。
②相続人を調査・把握する
遺産分割協議には、相続人全員の参加が必須です。そのため、参加すべき相続人を調査・把握する必要があります。相続人が誰であるかについては、亡くなった人との間で相続権が発生する続柄にある者を、戸籍資料(戸籍全部事項証明書など)から確認することで把握できます。
③相続財産を調査・把握する
遺産分割の対象となる相続財産を調査・把握することも必要です。遺産の把握漏れが生じると、遺産分割をやり直すことになりかねないのでご注意ください。銀行口座、証券口座、不動産、借金など、亡くなった人が生前に有した財産を漏れなく調査する必要があります。
④遺産の分け方を話し合う
相続人と相続財産の把握が完了したら、相続人全員参加のもと、具体的な遺産の分け方を話し合います。遺産分割協議のメインと言うべき手続きです。
話し合いの中では、相続人同士の主張が対立するケースもよくあります。
⑤遺産分割協議書を作成する
遺産分割の内容について合意が成立したら、その内容を遺産分割協議書にまとめて締結します。誰がどの遺産を相続するのか、費用やあとから判明した遺産の取り扱いはどうするのかなどを、明確な文言で記載することが大切です。
⑥各相続財産の名義変更を行う
遺産分割協議書を締結したら、その内容に従って各相続財産の名義変更を行います。たとえば、不動産については登記、自動車は登録、未公開株式は株主名簿の書き換えの手続きが必要です。各手続きを行う際には、遺産分割協議書の提出を求められます。すべての相続財産の名義変更が完了したら、遺産分割協議は終了です。
 
相続とは、ある人が亡くなったときに、その人(被相続人と呼びます)の財産を相続人が引継ぐことです。
 


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