見出し画像

ショーリールの正解って?【リクルート】

映像業界の就職活動に付き物である
SHOWREEL(ショーリール)。
作品集やポートフォリオ、デモリールといった呼び方もありますね。

どんな作品を掲載すると好印象なんでしょうか?

そんな質問をよく、説明会などでいただきます。

なかなか、難しい質問ですが
いちリクルーターとして、ここは押さえておくべきでしょ!という
ポイントを考えてみました。

※あくまで個人の意見ですので、参考程度にご覧ください※

SHOWREELで、私たち採用側が何を見ているのか
一言でいうなら「センス」です。
抽象的ですよね、私もそう思います。

たとえば、色使い。
BGMに選んだ曲、それに合わせたつなぎ方。
映像のモチーフや、実際の技術。
動きの流れ、どんな順に繋いでいるか…

そういった何十もの観点から
リクルーターが見て面白いと思ったか
で判断していると思います。

そこには、リクルーターの趣味嗜好であったり
流行や知識などの偏りによって
ウケたりウケなかったりの差があるでしょう。

リクルーターの好みなんて、就活生が知ることはできないでしょうし
もし知ったとしても、受ける会社ごとにリールを一から作るのは
現実的に厳しい。

だからこそ、どこの会社に持っていってもある程度
評価をしてもらえるようなリールがほしい。
そこが本音だったりしますよね。

さて、どうしたらどの会社でもウケるリールが作れるのでしょうか?
いろんなリールを見たり、他のリクルート関係者と話すうえで
見えてきたポイントは2つです。

①学校の授業でやった課題作品は避ける

学生なんだから、学校の課題を載せて何がいけないのか。
ダメというわけではないのですが、
正直、リクルーターは学校の課題作品を見飽きています。
毎年、何十何百と学生のリールを見るので、
同じ課題を何度も何度も見ることになります。
これは課題でやったんだろう、これは素材を配布されているんだろうと気付きます。

課題は、あなたの意思で選んだものではなく
学校のカリキュラムで、その学校・学科全員ができて当たり前の技術です。
だから、あなたの作品と呼ぶには足りないのです。

見た目が派手だったり、目を引くような作品を作ったのであれば
味付け的に使うのは、全然アリだと思います。
でも、学校の課題しか使われていないリールは、
あなたのセンスを見ることはできず、評価に値しないと思われます。

あなたが考え、試行錯誤し、完成させたものを「作品」と呼んでください。
それをリクルーターは待っています。

②自分の世界観を見せるだけのリールにしない

映像だけでなく、クリエイティブな仕事を目指す人にありがちなのが
「ようこそ、俺の世界へ」な作品集。

あなたの世界に興味はありません。

たとえば、黒背景に鬱々とした言葉がひたすら流れる映像。
身内にしか分からないパロディ、気分を害しそうなホラー映像…
それが、カッコいい!面白い!と思うのは悪くありません。
ただ、それを見せられ続けると辛い。

リクルーターは、あなたの世界観を理解したいわけではありません。
あなたの世界観はどうだっていいのです。
メルヘンが好きだろうと、鬱々としたものが好きだろうと
基本的には構いません。

でも、映像という仕事は
「自分が作りたいものを作る」のではありません。

クライアントがいて、お客さんがいて
「誰かを楽しませる」ために作られるエンタテインメントです。
「自分はこれが好きなんだ!この世界観を理解してくれ!!」という
独りよがりの映像は、仕事になりません。

リクルーターをお客さんとして見立て
あなたの作ったもので「楽しませる」映像を作るのが大事なのです。


以上の2点を念頭に置いて、リールを作ると
今までとは違ったものになるのではないでしょうか?

適当に選んでいたBGMも、映像のトーンに合わせたものにしてみようとか。
曲が盛り上がるにつれて、カットを増やして展開を設けてみようとか。
自分の好きな色ばかりでなく、顧客層を意識したカラーを使ってみるとか。
誰かを傷つけるような思想や表現は、避けようとか。

リールの長さ、テンポ感、全体のまとまり…
そうやってこだわる点を
自分中心ではなく、見る人中心にする。

それだけで、ぐっと良くなる。

それが、映像業をするために必要な「センス」なんだと思います。

センスとは、配慮すること
誰かのことを考えて、選ぶことができること

なのではないかなと、私は思っています。

就職活動中は、自分と向き合う時間が長くなって
どうしても内側にベクトルが向きがちです。

そんなときにこそ、外を意識し
どんな風に楽しませられるか、
あなたのセンスを見せてください。

素敵なリールが届くことを、リクルーターは今か今かと楽しみにしています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?