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リーダー修行記⑱(『リードとは信じることと見つけたり』フェーズ2)

※初見の方は、こちらを先に読んでいただけるとわかりやすいです。(リーダー修行記⑨(リードとは『信じること』と見つけたり)

久しぶりのリーダー修行記レッスン編です。
久しぶりのわりに、いまだに、止まらずにフロアを1周できる確率5割のへっぽこリーダーぶりを発揮しています。
秋のイベントが迫る中、さすがにこいつはヤバいと思ったのか、先生もすっかりハイド味を封印して、「頑張れ!」「あと少し!」「諦めるな!」と駅伝監督のようになっていた最近のレッスン。あまりに応援モードなので、パートナー気分で完全に油断していた先日、唐突に言われました。

先生「けやきさんも、次のフェーズに入ったと思うので」
私「・・・ん?」(次のフェーズとは?)
先生「そろそろパートナーに意識を向けましょうか
私「あ~〜〜・・・」←自分のことしか考えられてない自覚はある

始めは、そもそも自分の右手の中に人がいるのが怖くて、最初の1歩を「前進」することが怖くて、誰もきっかけを与えてくれないことが怖くて、自分で進路を決めることが怖くて、ルーティンが飛ぶことが怖くて、ピクチャーポーズが怖くて、スイブルが怖くて、スウェイチェンジも怖くて、パートナーの前に回り込むのがものすごく怖くて、でも男性リーダーたちとはこの気持ちがどうにも共有できなくて、孤独のあまりnoteを書き散らして恐怖と闘ってきた5ヶ月間。

先生「そろそろ勇気を振り絞る段階は超えたと思うので」
私「う~ん・・・」(そ、そうかな?)
先生「次のフェーズに進むときだと思うので」
私「はあ・・・」(まだ自分のことで精一杯だけどな)
先生「とりあえず、僕を見て
私「・・・ん?」
先生「僕に動いてほしかったら、僕を見て
私「・・・・・」 (これ、スタンダードですよね?)
先生「自分の身体は一切動かさないで僕を見て

あのう・・・お言葉ではございますが、いま宗教の話題は相当センシティブですよ、先生。
レッスン冒頭は「止まらずに1周できてえらい!」みたいなテンションだったのに、いつの間にか洗脳モードに入ってレッスン終わるまで解放しないなんてまるでカルト教団の手口じゃないですか、とか私も迂闊に書けませんよ、検索にひっかかる。

え〜なんかスイッチ押した? 私が押した? 駅伝監督から布教者に変わるスイッチどこよ。先に教えといてくださいよ。と思ったものの、このモードに入ったらどうしたって引き返せないことは経験上知っているので、しぶしぶ従う私。

そこからは、「『キミがボクを見れば、ボクはキミの思い通りに動く』教義」をひたすら説教。
「もっと僕の方見て」「もっと」「もっと!」「腕動かさない!」「ボディ動かさない!」「動かすの頭だけ!」

・・・これ何教? ねえ、何教?

ああ、リーダー教か。

私があまりにも洗脳されないので、逆をやってみたらわかるよ、と言われてリーパー逆転してみる。

先生「いま僕はけやきさんの方を見ただけなんだけど、ちゃんとけやきさんは動くよね」

いや、絶対、他に何かやってるやろ。

先生「だから、けやきさんがリーダーのときも、けやきさんが僕を見たら、僕はちゃんと動く」

いや、絶対、勝手に動いとるやろ。

そんなやりとりをしているだけで、レッスン時間も終わりに差しかかり、「だいぶわかってきた感じだよね、全然今までと違うよ!」と最後の一押しに入る布教者と、「百歩譲ってできてるのかもしれんがメカニズムがまったくわからん」と抗う無宗教者。

布教者「僕は経験上、これで確実にリードできるという確信があるけど、こればっかりは『祈る』としか表現できない」

「祈る」としか表現できない???

ことダンスに関しては、ほとんどのことを言語化できる先生が、

「祈る」としか表現できない?????

これ何教? ねえ、何教?

ああ、リーダー教か。

このやりとり、最初の頃にやったなあ。相当やった。最初の一歩目をどう動くかの話で散々やりました。
それをなんとかクリアして、一歩目を出られるようになって、ルーティンを追える打率が5割になって、ピクチャーポーズで行ったきり戻れなくなることも減って、ロンデで跳ね返されることもなくなって、あれだけびびり倒していたツイストターンが回れるようになっ……たら一周回ってここに帰ってくるのか、いよいよ怖いよ、どういうことだよ。

このやりとり、あと何周やるんだろうなあ。修行を続ける限り永遠かなあ。

レッスン終わり、遠い目をしていたら、

「信じた方がいいと思いますよ」

と真顔で言われました。

信者って…信者ってさ、こと布教に関しては鋼のメンタルで絶対神を激推ししてくるよね…。

(つづく)

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