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リーダー修行記54(トライアルがスリルとスペクタクルに満ちていた件シーズン2の②)

前回のつづき)

さて、ようやくトライアル本番のお話です。
「私は人を避けられない!」と半泣きだったせいか、どうやら先生が控室で触れ回ってくれたらしく、フロアですれ違うたびに先生同士がアイコンタクトをしておりました。はいはい、コイツが暴走リーダーね、的な。
JDCの先生たちーーーありがとうーーーーー!!(号泣)

1種目目;ワルツ

この手のトライアルは1分20秒程度が相場で、たまに長いときもあるけど全体の時間もないから短めでしょというあたりをつけて練習してきたのですが、1ヒート目を観て青ざめました(私は3ヒート)。

ちょっと長くない?

他の生徒さんと1ヒートを踊った先生も、戻ってくるなり「これは長いね……」と青ざめていました。
待て待て。ルーティン自体は1分40秒分くらい作っているものの、いつも私が1分20秒付近で息絶えるので、その先をほとんど練習していない。特にワルツは、今回踊る3種目の中で一番難易度の高い鬼ルーティンなのです。どれくらい鬼かというと、レッスンを見ていた他の先生に「すごいルーティンやってますね」と苦笑されたくらいのレベル感です。

まあでも、ここにきてじたばたしても仕方あるまい。
謎に度胸だけはついた私。なんとかなるやろ、という気持ちでフロアに立ちました。経験は人を図太くさせますね。

最難関は、前半の「アウトサイドランからのクイックスピン~スロースピン」。アウトサイドランはよく使われているし、観ている分には簡単そうに見えるのですが、私にとっては結構勇気がいるステップです。文字通りパートナーのアウトサイドをランするわけですが、私がランする先はパートナーに遮られてほとんど見えない。その後に続くスピンも回る方向の視界がほぼきかない。さらにはパワーバランスが逆転しているので遠心力で吹っ飛ばされそうになる、という三重苦。
そんなに難しい?と小首をかしげているそこのリーダーのみなさん。一度目隠しして踊ってみていただきたい。

ただ、ランに入る直前に半分くらい視界がきく瞬間があって、常日頃、避けられない避けられないと主張している私もさすがそこは確認しました。そして、それとほぼ同時に、パートナー氏がチラっと進行方向を確認したのがわかりました。
そうね。視界がきかないリーダーに導かれるパートナーは恐怖しかないわよね。でも大丈夫よ。今、空いてるの確認したもん。1秒先は知らんけど

そんな一か八か精神で突っ込む私。

練習した甲斐あってか、数日前に「リーダーの立ち方」に開眼した成果か、私史上最高の出来だったのではないでしょうか。

わあい~最難関突破した~ふふふふふ~

というノリでスピンが終わり、そのまま人混みに突っ込む私。

あのね、見てないわけじゃないんですよ。スピンが終わる直前に進行方向がごちゃついてるのはわかってるの。でも止められないの。そのまま後退に入るから見えないの。この先、「バウンスホールアウェイからのシャッセロールからのスローアウェイ」っていうこれまた余裕のない鬼ステップなの。お願い、みんながどいて

そんな願いを込めて突っ込んだのですが、さすがに恐れをなしたパートナー氏に逆リードで方向を変えられました。

今の無理だったかなあ。そのままいけたと思うんだけどなあ。

ちょっと不本意、という気持ちをピクチャーポーズに叩き込む私(私のピクチャーポーズは、祈りというより呪術とか祈祷に近い)。後から動画を観たら、無理でしたね、密集しすぎてて。あのまま突っ込んだら大事故を起こすところでした。あはは。

その後は、1分20秒を過ぎたところで集中力が切れて案の定ルーティンを飛ばしたものの、スーパーパートナー氏に助けられて、そこそこ無難に踊り終えました。後から確認したところ、ワルツだけなぜか1分30秒だったらしいです。そこから先は本当にまったく練習してなかったので、気まぐれに40秒とか流されなくてよかった。トライアルってパートナーのときは長い方が得した気持ちになるけど、リーダーだとスリルが増すだけなのね。けやき、またひとつ賢くなりました。

すみません、今回で書き終わる予定だったのですが、ワルツだけで1700字を超えてしまいました。

(次号に続く)

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