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リーダー修行記53(トライアルがスリルとスペクタクルに満ちていた件シーズン2)

2023年3月26日、日暮里ホテルラングウッドで行われた「JDCダンスアワード2022」のトライアルに参加してきました。

参加を決めたのが2月上旬(たまたま教室のポスターを見た)で、だったらこれを機にルーティンを新しくしようと先生と盛り上がりました。でもよくよく考えると、すでに本番まで2ヶ月を切っている上、私のルーティンは3ヶ月前に刷新したばかり。今思えば、別に変えなくてもよかったんでない?という感じなのですが、先生が、競技にでも出る気かい?みたいな気が狂ったやつを作ってきたので、私の修行精神がむくむくと湧き上がり、方々の先生を「マジか…」と絶句させるステップをやることになりました(単に先生がパートナーでやってみたかっただけ説……)。
まあ、そうは言ってもリーダー歴1年のひよこ🐥。技術の稚拙さもさることながら、フィジカル的に無理寄りの無理、修行するだけ時間の無駄、というレベルのステップも多々入っていて、そぎ落としたり入れ替えたり散々こねくり回したので、最終的にルーティンが決まったときには1ヶ月をとうに切っていました。

あ、歴戦のパートナー陣のみなさん。トライアル程度なら1ヶ月あればなんとかなる、と思いましたね?
だって先生がなんとかしてくれるでしょ、って思いましたね?

そりゃなんとかはしてくれます。してくれますが…リーダーとパートナーは違う。そこは全然違うんです。
私、去年1年間、男女問わずいろんな先生と踊ってわかったのです。自分がリーダーの場合、先生がなんとかしてくれる率は100パーセントではない

100パーセントではない

大事なことなので2回言いました。

先生方の名誉のために言っておきますと、いかにプロであっても、パートナー側から完全にコントロールするのは、このダンスの構造上無理なんだと思います。
正直私も去年は、最終的には先生がなんとかしてくれるっしょ、という甘い考えでいました。でも、1年かけてようやく理解したのです。どんなスーパーパートナーにも、パートナーである限りどうにもできないことがある。男女逆転していても、暴走を止められないことがある。失くしもの(真っ白になったステップ)を拾ってあげることにも、迷子を助けてあげることにも限界はある。
(男性の生徒さんと踊る女性の先生は命がけよね……。)

前置きが長くなりましたが、たかがトライアル、されどトライアル。
鬼ルーティンに追い込まれ、大嫌いなシャドー練までやって頑張った2ヶ月間。1分20秒で確実に燃えつきるギリギリな仕上がりで本番に臨みました。

この日の会場では、午前中はプロの競技会が行われておりまして、ダンスアワードのチケットでそちらにも入場できたので、朝から先生たちの応援に馳せ参じました。
ええ、まあ、馳せ参じたのはいいのですが……。
会場に入った第一印象。

フロアが狭い

なんじゃこりゃ、教室とほとんど変わらない広さじゃないか。

着いたときは絶賛ラテン決勝の真っ最中で、ラテンなのに6組で衝突寸前。ここでどうやってスタンダード踊るの? 予選からソロダンスなの?(そんなわけない)

ラテンの後に行われたスタンダートの試合はだいぶカオスで、数ステップで長辺を行ききってしまう先生たちが、いったいどういう構成でフロアクラフトしているのか謎で仕方ありませんでした。
コーナーは奪い合いだし、短辺がないに等しいくらい短いからすごい急角度で回ってるし、「常に自分中心」なフロアクラフトをしてる私には、なんでこれで迷子にならないのかがわからない。
ときどきフロアの外に飛び出しつつも決定的な衝突をしないプロリーダーの脳内はどうなってるんだ、フル回転しすぎて脳みそがバターになっちゃうよ、と心配していたら、身体より頭が疲れたと、後からマイコーチャーが言っておりました。やっぱりバターになったらしい

先生「教室とほぼ同じだから、けやきさんにはいいかもしれない」

………よくないよ
よくないですよ!
だって一組で踊るわけじゃないもの! レッスン中に他のカップルがいるだけでびくびくしてるのに、あの教室の広さで何組も踊るとか正気の沙汰じゃない! 絶対避けらない!!

あ、これまで散々、「私は避けられないからみんなが私を避けてちょうだい」とへらへら言い張ってきたのに、何を今さらとお思いですか?

あのですね。私にも避ける気持ちはあるんですよ。できるかどうかは別として、やる気はあるの。それはリーダーの責任だと思ってるの。日頃ぐずぐずぐずぐず屁理屈捏ねてるけど、自分がやらなきゃならないという気構えはあるんです。ホントです。

まあそんなこんなで、殺気すら放つスーパーリーダー様方のフロアクラフトに圧倒された試合が終わり、アワードまでの空き時間が2時間ありました。その間にみなさんメイクやお着換えをするらしく、私の先生カップルも、試合直後に生徒さんのお世話のために客席まで駆けつけてくれたわけですが、ヘアセットは?メイクは?控室どこ?とわちゃわちゃしているみなさんを後目に、「ちょっとお昼ごはん食べてきます」と言い出すどこまでもマイペースなけやき。(だってリーダーには準備することが特にない。もしかしたら他のリーダーにはあるのかもしれないけど、髪上げもメイクもしない主義の私にはない)

半年前は、朝から吐きそうなほど緊張して何も食べられなかったので、成長といえば成長です。去年1年間で私も学んだのです。焦ったところで想定外のことは必ず起きるし、起きたら起きたでなんとかなるということを。最悪、人様のパートナーに危害を加えなければ許されるやろ。

というわけですみません、踊り出す前に2千字を超過してしまいました。

(次号につづく)

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