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ボーカロイドの深淵を覗こう #18

こんにちは。ボカロが好きです。ボカロはいいぞ

 さて、「アンダーグラウンドボカロジャパン」「感性の反乱β」「POEMLOID」「VOCALOIDよれよれ曲リンク」「ボカイノセンス」の全曲周回を目指して感想を書いていくシリーズの18回目です。最終的にこれらのアングラボカロジャンルの目録として機能するようにするのが目標です。第一回はこちら

 クレジットについて、概要などに表記がなければ作詞作曲を投稿者本人が行ったとして表記します。絵や動画については概要欄/タグ/動画内にクレジットがある場合のみ表記します。

 また、万が一ですが、クリエイター様御本人で自分の曲を紹介してほしくないということがありましたらご連絡ください。その番号を欠番として紹介を取り下げます。

それでは いきます。


0171. 嫌われた? / ひつじP

タグ:VOCALOIDよれよれ曲リンク
作詞・作曲:ひつじP
ボーカル:初音ミク
投稿:2009/4/30

 「嫌われた」という気だるげなミクの声がいかにも「よれよれ曲」な一曲。通奏されるダウナーなメロディに合わせて途中からエッジの効いたギターが入り、それがとてもかっこいいです。
 ギターの激しさがそのまま心の揺れ動きのようで、最後にぽつりと「嫌われたのは僕のせい」と自罰的に終わる落ち込んだときの感じがサウンドからも感じます。


0172. 破壊衝動と生命についての考察 / ゆよゆっぺ

タグ:感性の反乱β
作詞・作曲:ゆよゆっぺ
絵:yoko01
ボーカル:初音ミク
投稿:2009/5/2

 ゆよゆっぺさんの通算12作目で「Palette」の次の作になります。シャウトがとてもかっこいいボカロック。王道のかっこいいメタルなイントロから、Leiaを彷彿とさせる幻想的なAメロ、伸びやかなサビ、そしてシャウトがかっこいい間奏と曲の雰囲気と展開がとても美しくひきこまれます。
 最初と最後をしめる「月が 綺麗/終わる 命」という歌詞がとても美しくて好きです。永遠と求められる美の象徴としての月、有限と求めるものとしての命の対比がとても儚くも愛おしく感じます。


0173. フルチカゾン / Kiichi(なんとかP)

タグ:感性の反乱β
作詞・作曲:Kiichi(なんとかP)
絵:ぴるくる
ボーカル:巡音ルカ
投稿:2009/5/3

 Kiichiさんによる巡音ルカのエレクトロ。ダンスナンバーな感じもあります。フルチカゾンは気管支喘息やアレルギー性鼻炎の薬。1分弱の聴かせるかっこいいイントロから、喘息を抽象化したようなミステリアスな歌詞、そして後半は造語が歌われます。造語で聴かせるかっこいいサウンドがとても良いです。ミステリアスな感じがルカにとてもあっています。「ルカルカ★ナイトフィーバー」がこの年の2月に発表なことを思うと、ルカのダンスナンバーがとても熱いです。


0174. しんかいからのあまもり / ARuFa

タグ:アンダーグラウンドボカロジャパン
作詞・作曲:ARuFa
ボーカル:AquesTone
投稿:2009/5/4

 現在オモコロライターで活躍しているブロガーのARuFa(@ARuFa_FARu)さんの楽曲。まだミクを持っていなかったのでAquesToneに歌わせています。個人的にARuFaさんの楽曲がとても好きで、ボカロPとしてのARuFaさんが再評価されることをとても願っています。
 個人的にARuFaさんの楽曲の好きなところは独特のリズム感と衝動的な雰囲気を感じるメロディです。本曲においてもその魅力がとても発揮されていると思います。また、本人のスーパーオモロんちゅぶりとは打って変わったダークで実験的先鋭的な音楽世界もとても惹き込まれます。
 前半のささやきかけるような歌、後半のシャウトと不安定なメロディがとても衝動的なかっこよさがあります。海底で身動きが取れないその鬱屈を叫び声で晴らそうとするかのような怒りとも絶望ともとれる叫びに惹き込まれます。


0175. こえにならないの / 五線譜P

タグ:アンダーグラウンドボカロジャパン
作曲:五線譜P
ボーカル:巡音ルカ
投稿:2009/5/7

 「全部ルカ」のノイズミュージック。低周波の唸るような音が「こえにならない」という主題と共鳴しています。後半の高音の響きも美しく、胎内のようなどこか生命の根源的な印象も受けます。


0176. ああ秩序欲しいああ秩序欲しい / 問題児P

タグ:アンダーグラウンドボカロジャパン
作詞・作曲:問題児P
ボーカル:巡音ルカ
投稿:2009/5/11

 破壊的で無秩序なサウンド。秩序が欲しいというタイトルと逆行するような無秩序はスクラップ・アンド・ビルドなダダイズムを想起させます。「叱咤激励という名の虐待」など精神的な圧迫をそのまま音楽で消化したような攻撃性を感じます。


0177. 電波ビイト / クロヤマ

タグ:VOCALOIDよれよれ曲リンク
作詞・作曲:クロヤマ
ボーカル:鏡音リン
投稿:2009/5/17

 リンのエレクトロ。最初のリンの二声のコーラスからずっしりとした迫力があります。ごちゃごちゃとしてサウンドの中にどこかふわふわとした感じがありそれが「よれよれ曲」としての魅力を引き立てています。


0178. Connect / FuzzP

タグ:VOCALOIDよれよれ曲リンク
原曲:FuzzP「Connect」(Self Remix)
作詞・作曲:FuzzP
絵:いちこめ
ボーカル:初音ミク
投稿:2009/5/19

 FuzzPの英語詞の楽曲のリメイク作品。うどんサイケ風味とのこと。うどんサイケは1999年に大阪で結成されたバンド、オシリペンペンズの標榜する既存の枠にとらわれないオリジナリティあふれるジャンル。
 原曲は打ち込みによるエレクトロな雰囲気でしたが、がっつりバンドサウンドにリメイクされています。そのギターのメロディ、サウンドがとてもかっこいいです。
 私はオシリペンペンズやうどんサイケに詳しくないのでこの曲がうどんサイケなのか正直わかりませんが、ギターやミクの「よれた」感じがよれよれ曲としてもとても印象的な感じです。


0179. クラゲ / こだまちゃん(ミクちんP)

タグ:VOCALOIDよれよれ曲リンク
作詞・作曲:こだまちゃん(ミクちんP)
ボーカル:初音ミク
投稿:2009/5/29

 休止中のバンドの曲をミクに歌ってもらったという体のオリジナル曲。くらげのような漂う浮遊感がそのまま「よれよれ曲」としての良さになっています。渋谷の街を漂うクラゲという主題が、都会で居場所のない閉塞感にも重なります。「みんな一緒つながった/楽しいポリプ世代/バラバラになった今は/世間の水冷たく」という歌詞からは、現代の薄っすらとした繋がりと排斥、孤独感が赤裸々に表現されています。


0180. プライド / なっとくP, 生㌔P

タグ:アンダーグラウンドボカロジャパン
作詞・作曲:なっとくP
作詞協力:生㌔P
作中絵・題字:なっとくP
映像:生㌔P
ボーカル:初音ミク
投稿:2009/5/31

 なっとくPと生㌔Pのコラボ曲にして孤独な絵描きを歌った寂しげな曲。評価されない画家の心の内奥を描きます。その苦悩は画家でないすべてのクリエイターにも共通するような内容です。世間の評価・流行と自分の魂との軋轢をまっすぐに描いています。
 サウンドも三拍子で童謡のような雰囲気もあり、物語を残酷にも克明に歌うかのようです。

今回はここまで。それでは!


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周回の中で特に気に入った曲をマイリストに入れておきます



日記 2022/5/30

 二日前になりますが、Digital Stars 2022のDJイベントがありました

 私はチケットを手に入れられなかったのでオンラインで視聴しました。めちゃくちゃ楽しかった!! どのDJプレイも最高で流れる曲、一体感、グルーブどれもがとても良かったです。
 Digital Starsが攻めてるなあと思うのは割とボカロ以外もバンバン流れることです。音楽でノるという地平ではボカロもそうでない音楽も隔たりなくただ「楽しい曲」だけが残るという音楽的に対等な世界があったようでとても大好きです。
 来週はMIKU EXPO Rewindがありますね!

ライブも楽しみですが、yanagamiyukiを始めそうそうたる人たちのDigital Stars Onlineも楽しみです。

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