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5月ボカロ10選(+雑記:アングラ曲周回二ヶ月目の所信)

こんにちは、ボカロが好きです。ボカロはいいぞ。

もう6月も終わりますが、5月の10選の紹介です。

さっそくいきます

5月ボカロ10選

01. 偽物 / 深海円

 とても美しい曲です。ピアノの伴奏とエレクトロなサウンドがとても綺麗です。ローテンポのおちついた曲調と歌詞の内容もあっていて、夜に一人でしんみりと聴きたい曲です。アウトロのアコースティックギターも本当に美しいです。

02.  散り花 / ____natural

 テトの雰囲気が絶妙な曲です。サビのギターが特に好きです。「雨空に花びらほどけ/まだ咲いてられたのにな」という歌詞がとても好きです。諸行無常な淡い切なさを感じます。
 よく見ると画像は動画サイトでしょうか。動画を「興味なし」のワンクリックで自己の世界から消してしまえる残酷な世界で、「消さないで」という寂しさもあります。
 そしてラスサビの一気に盛り上がるサウンドと思いの奔流がとても美しく好きです。ドラムのみが残心のように残るアウトロも大好きです。

03. ときめくかけら / ふるがね

 とてもかわいい曲。ユフのダウナーな声質とマイペースな感じののんびりジャズな曲調がとても良くあっています。間奏のピアノもとてもおしゃれです。映像もかわいい。オケのクオリティもとても高くて、ベースやトトトトトというエレクトロな音が気持ちいいです。

04. 傀儡阿修羅 / 柊マグネタイト

 圧倒的なかっこよさ!! 星界のミステリアスな雰囲気と壮大な世界観があっています。すべての音の深さ、重さが気持ちよく、伸びやかなサビのメロディや間奏のとんでもないピアノのインスト、からの、エグすぎるサウンドが最高です。ラスサビの美しさが圧倒的なカタルシスとして印象的です。この音にいつまでも溺れていたくなります。

05. 一輪。 / カンパニュラ

 ゲキヤクによるかっこいいサビが大好きな、もういない人を想う歌。切なさと王道のバンドサウンドがゲキヤクのかっこいい声と合わさり、とても熱く切なく歌われています。とても胸が熱く苦しくなる曲です。

06. どくんどくん / 鈴木凹

 精神に溶け込むイノセンス。ローテンポなメロディ、空間を感じるコーラスやうた、全てが美しいです。精神が音楽世界に溶け込み自然と整っていくような没入感があります。歌詞の内容もとても深い精神性を感じます。
 後半は全てコーラスとインストだけですがむしろこちらが本番かのような衝撃です。あらゆる音に包み込まれ、深い森の中のような、音に溢れてはいてもある意味で静謐な場所に来たかのような気持ちよさがあります。とても美しいです。

07. Black Out / Azari

 Azariさんはその不気味な雰囲気、ダークな世界観とそれにあったflowerの声がとても好きなのですが、最新作のBlack Outはなかでも虜になりました。特に1:18頃からのOh-Oh…というコーラスからのラスサビまでむかうスピード感や盛り上がりがとても好きです。Aメロの全てeやauで終わる韻の踏み方も気持ち良いです。

08. φ / あめのむらくもP

 ピアノが美しくもかっこいい一曲。ピアノだけの伴奏というシンプルなオケがその伴奏、メロディの強さをむしろ強く打ち出していて、素晴らしく惹き込まれます。サビの複旋律もとても美しいです。GUMIの声ともよくあっています。ラスサビの王道な転調も気持ち良いです。

09. 愛言葉Ⅳ / DECO*27

 まさかくるとは……勝手にDECO*27活動15周年となる来年の10月だろうと思っていました。ミク15周年の(デ)5/27とは。
 純度1000%の愛の歌。本当に美しい想いで溢れていて素敵です。やっぱこのミクの波形はかわいい。個人的にはⅢが一番好きでしたが更新したかもしれません。
 「これから先も二人がいいじゃん」そしてこれまでの歌がリフレインしたあとに「こんな歌歌ったんだって/君が輝けるように」……末永くお幸せに。これからもよろしくお願いします。

10. 月光 / はるまきごはん×キタニタツヤ

 ビビバスへ提供されたコラボ曲。最強すぎる。はるまきごはんとキタニタツヤが足して2で割らず2でかけたような最強の合作です。圧倒的におしゃれなピアノ、ベース。1:45頃の攻撃的なギター。はるまきごはんの初音ミク、キタニタツヤの鏡音リン。全てが調和しています。2:45の壮大さがとても好きです。言葉を失うほどの衝撃です。



雑記:アングラ曲の周回二ヶ月目の所信

 私が普段書いている「アンダーグラウンドボカロジャパン」「感性の反乱β」「VOCALOIDよれよれ曲リンク」「POEMLOID」「ボカイノセンス」を紹介するシリーズ「ボーカロイドの深淵を覗こう」が2ヶ月を迎えて300曲になりました。
 だいたい2日に一回更新するようなペースでこのままだと2年+これから増える分の期間まだかかる予定ですが……頑張ります。一応増える速度を紹介する速度が上回ってはいるので希望はあります。

 ところで、第1回の冒頭で「好きなのに全然把握できてないから」というふんわりした理由を書いていますが、実はもっと明確なきっかけがあります。

 それはボカコレも終わり、いつものようにKiite Cafeで曲を聞いていたときのこと(Kiite Cafeのことを知らない人はギザさんの記事を御覧ください)。

 Esp feЯさんの曲「きょう、せかいが。おわります」が流れたのです。この曲に私は衝撃を受けました。

 もとから「感性の反乱β」は好きでした。しかしそれも全部聞けていたわけではありませんし、あるいは、有名な曲だけで日和っていたともいえるかもしれません。

 自分では絶対にたどり着けなかったこの曲に衝撃を受けました。Milialによって淡々と紡がれる「きょうせかいがおわります。」「いきてたくないです」という呟きと、激しい電子音やノイズの奔流。正直私自身もなぜこんなに刺さったのかわかりません。それでもこの曲のなにかに惹き込まれ魅了されました。しばらくはずっとこの曲のことを考えていました。

 そしてこの曲にもついているボカロアングラの中心的なタグである上記5種類のタグを全曲周回する覚悟を決めました。このような衝撃的な出会いがまだまだあるかもしれない。その期待から、覚悟の時間はそんなにかかりませんでした。

 全曲聞くのはいいとして、なぜ全曲感想を書くのか、気に入った曲だけでも良いんじゃないか、ということも考えました。しかし、次のような理由で全曲の感想を記事にすると決めました。

 まず、私は私が「きょう、せかいが。おわります」で感じた「出会いの衝撃」を一人にでも良いから体験して欲しいと思いました。しかしながら、衝撃を受ける曲、感動する曲というのは全く人によって異なります。であれば全曲周回するしかない

 もう一つ、私は以前の記事でも触れているように「作品を評価する」という行為の重さについて考えていました。「何かを選ぶ」とは「何かを選ばない」ということです。そして、このアングラボカロというところは「曲の技巧」とは全く別のレイヤーで考えなければいけない曲がたくさんたくさんあります。

 アングラタグのボカロはボーカロイドの持つ特徴のひとつ「参入障壁の低さ」に直結したジャンルでもあります。とりあえずお遊びで作ってみよう、投稿してみようでいいのです。たとえそのような動機であってもVOCALOIDという等しい地平で語られることができる。そのような特徴こそがボカロのクリエイティビティを加速させ現在まで保ち続けているのだと思います。

 そしてそういうような作品はそもそも「評価」という行為自体がナンセンスであるともいえます。なっとくPの名記事を引用します。

 やはり音楽がアマチュアの手にわたったまま広まったのが良い。アマチュアは、音楽のプロである作曲家に楽曲の緻密さではとても敵わない。でもそれがどうした、と堂々と言えるようになったのが良い。たとえばプロのとび職がヘタクソな作曲技術をもってして作った音楽は、とび職らしさの点で作曲家に勝る。アマチュアはプロに勝る面を持っているんです。それを示すことができた。
 (中略)
 だから、とび職要素のたっぷり詰まった音楽は、その部分だけは間違いなく「音楽」として優れている。「とび職っぽさは伝わったけど音楽としてはヘタクソ」そうじゃないんです、分けてはいけない、笑っちゃうくらいヘタな旋律も含めて、音楽なんです。これは個人のヒステリックな主張ではなく、ただ『音楽と聴覚情報から想起される情報とを切り離すことはできない』ということを確認しているに過ぎません。
 プロの作曲者では到底思いつかない音楽の付加情報を、アマチュアはみんな持っているんです。アマチュアはみな、それぞれ何かしらのプロです。たとえ職業上のプロでなくても、それぞれの人生のプロです。いいじゃないですか。楽曲の緻密さで負けても、人生で得てきた情報を付加させた「音楽」で負ける道理はない。

なっとくP「ヒッキーPを一言で表す」
http://kagem.jugem.jp/?eid=38

ぜひ、全文をしっかりと読んで欲しい記事です。時々話題になる「初音ミクの感情」などの話題に対してもとても良い回答があります。

 ともあれそういう背景から生まれた荒削りでもその製作者の魂を感じる曲、「とび職性のある音楽」がアングラタグにはひしめいています。

 好きな曲を選んでしまってはどうしても「選ぶ/選ばない」という評価が入ってしまいます。だからこそ、聞いて思ったこと、感じたことを全て書くと決心しました。もちろん特に好きな曲はたくさん生まれていますが、そちらはマイリストであくまで「私が気に入った作品」として紹介するにとどめています。本当は皆さんにも全部聞いてそれぞれが感じることを大切にしてほしいです。記事はあくまで私の感想です。もちろん、この10選だって私の感想以上のものではありません。

 もちろんこのような曲たちを曲の技巧で評価することこそナンセンスなので、記事を書くにあたって音楽的に下手だというようなマイナスなことは書かないようにしています。できるだけ曲から「とび職性」を感じ取れるように意識しています。
 今ではどんなに素人がつくったような曲でも意味不明な曲でもド下ネタでも過激な曲でもなんでもかかってきなさい、という気持ちです。盛大に困らせて欲しいです。

 もちろん曲自体もふえてほしいですので、これをもしも読んでいるボカロPやボカロPになりたい人がいたら、是非タグをつけて投稿してください。まだまだ時間はかかりますが絶対に全部聞くし書きます。よろしくお願いします。

 そして最後にダイレクトマーケティングですが、このようなきっかけを作ってくれたKiite Cafeはこの「出会いの衝撃」にあふれています。各々が持ち寄った素晴らしい曲がアングラも大名曲も関係なくぶつけられます。ぜひあなたの衝撃を受けた曲をイチ推しリストに入れて訪れてください。出会い出会われの一期一会の溢れる場所です。よろしくお願いします。

おまけに、もしこれらの5タグの曲を自分でも先に聴きたいという方のためにURLリンク貼っておきます

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