『鏡の国のアリス』登場人物表の意味
『鏡の国のアリス』初版のチェス問題に添付されていた登場人物表について考えます。
チェス回答手順の駒たち
白のポーン
d2に(リリー)とあるのでアリスの初期位置がd2であることを示します。
横隣のe2にfawnもいます。
白のクイーン
「白の女王」はd1に配置されていますが、横隣のc1に「羊」があります。
4、5、7手目の動き及び白のポーンとの関係を考えると初期位置はc1の方になります。
白のナイト
g1に配置。横隣のf1にAged aged manが、縦隣のg2にHattaが配置されています。
初期位置がf5であることは他の情報から推定するしかなさそうです。
白のルーク
本来のルークの初期位置a1とh1に双子兄弟が配置されています。
「f1に白のルークがいる」こと自体、他の情報から推定するしかなさそうです。
白のキング
e1に配置。初期位置がc6であることは他の情報から推定するしかなさそうです。
赤のクイーン
d8に配置。初期位置がe2であることはアリスとの会話や測量の際の台詞で分かります。
縦隣のd7にはオニユリが配置されていて花壇の場面を、横隣のc8にはセイウチが配置されていて赤の女王とセイウチの関係を暗示しているようです。
赤のナイト
g8に配置。これは初期位置そのまま。
縦隣のg7にはカエルが、横隣のf8にはカラスが配置されています。
赤のキング
e8に配置。初期位置がe4であることは他の情報から推定するしかなさそうです。
『白の王の「4207」』で触れたチェス問題のプロトタイプ仮説と関係しているのかも。
他の登場人物
牡蠣×4
four young Oysters。
ヒナギク×4
花壇の場面がチェス盤全体であると暗示。
バラ
オニユリの横隣に配置。
大工
セイウチの隣に配置。
Haigha
g2のHattaと対称の位置であるb2に配置。
ハンプティ・ダンプティ
塀の上に座っているのでcastle(=ルーク)の位置であるa8に配置。
ライオン
なぜかルークの位置に。ライオンが王の象徴で、王は城の中にいるものだから?
ユニコーン
馬に似た幻獣ということで、ナイトの位置であるa2に配置。
使者
HDの詩とチェス回答手順の対応では怒鳴りつけられる使者はd7のポーン。
なので残ったポーンのマスであるb7に配置。
最後に
一応意味付けは可能でしたが、初期配置図があればやはり不要・・・だったんでしょうか。
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