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『鏡の国のアリス』白の王の「4207」

『鏡の国のアリス』第7章の冒頭で、白の王が座って兵士の数をメモしている場面。

"Four thousand two hundred and seven, that's the exact number," the King said, referring to his book,
(「4207人、これが正確な人数だ」と王は手帳を見ながら言いました)

「何千人もいたと思う」と言うアリスに王が返す台詞ですが、以下のようにも読めます。

four thousand…(4本足の)騎兵は1000騎
two hundred……(2本足の)歩兵は100人
and seven……….(1本足の)チェス駒は7個

兵は全部で1100人、駒は7個というわけ。
8個でないのは、白の王自身を勘定に入れていないからですね。

しかし、発展性がないんですよね。
何でこんな問題を入れたのか。正直疑問。

・・・まさか、「チェス駒は7個」自体が一連のパズルの起点だった、とか?

もし初期の『鏡の国』のパズルに、巻頭のチェスの配置図がなかったとしたら。

「駒の数は7+1個」という情報からスタートして、「ポーンがダブルステップで進んだ」「赤のクイーンが2、3、4、5と動いた」等のヒントを拾って手順を組み立てていく。
やってやれないことはなさそうですが・・・。

いや、誰も解けませんって。

さすがのキャロルも、これでは難しすぎると判断したのでしょうか。
もしかすると、スズメバチのエピソード(17.○Kd6+)の削除も一因かもしれません。

1手=1年換算がAlice Liddellの半生に重なることが分かるのは、本人と身近な人だけ。

出版された本は誰でも読めるけれど、本当にパズルを解いてほしいのはアリスただ1人。ならば難しすぎて解けなくては意味が無い、という難易度設定だったのでしょうか。

これは難しい。永遠の謎です。

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