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『鏡の国のアリス』のチェス問題⑥(詩との関連2)

引き続き、詩との関連です。

ハンプティ・ダンプティの詩

ハンプティ・ダンプティがアリスに聞かせる詩は、二行連句が20連と挿絵が1枚。
20連+1枚→21手で、詩の1連と挿絵の1枚がそれぞれチェス手順の1手に対応していると予想されますが、少し違うようです。

第15連が、1行目~挿絵~2行目という順序で配置されていて、詩と挿絵がセットで2手に相当するという意味のようです。

チェス手順の15手目は15.○Nd6+●Kd4なのですが、詩の第15連と挿絵の内容はどちらも15.●Kd4を表しているように見えます。
つまり、第16連以降の詩の内容と合わせて「詩と挿絵のセット=15・16手」。

ここで、挿絵のヤカンは「kettleのKはkingのK」で、d4のマスにいる赤のキング。HDがd6の白のナイト、直立不動のmessengerがd7の白のポーン。
直後のアリスの台詞「どんなことがあってもあのmessengerにはなりたくない」が皮肉なジョークになっていますね。

白の女王の台詞「ハンプティ・ダンプティがcorkscrewを持って木曜日に来た」も、詩の第18連"I took a corscrew from the shelf"を指しています。第18連は19手目ですから、1手=1日換算でLent第3週目の木曜日。

ふう、何とか繋がりました。

後は箇条書きで。
6・7手目 little fishが白のポーン、Sirが赤のキングに対応
8手目 better to obeyが8.●Ng6(クイーンへの攻撃)に相当
10手目I told them once, I told them twiceは10.●Ne7+がキングとクイーンへの同時攻撃(将棋でいう王手飛車)に対応
20.~door was lockedがステイルメイトを示す
・・・などなど。

詩とチェス手順を見比べながら読むと作者の意図が伝わるかも。

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