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[8月の得失点データ分析] 2021年J1リーグの横浜Fマリノスをデータ分析する日記

こんにちは、kesuo-です。"2021年J1リーグの横浜Fマリノスをデータ分析する日記" シリーズの一環として、今回は8月に行われたリーグ戦の得失点のデータをまとめてみました。9月以降のマリノスの試合を観戦する上で、少しでも参考になる気づきを皆様に発見していただけば、とても嬉しいです!

6・7月の得失点データをまとめた記事で期待したことを振り返りつつ、分析したデータを考察していきます。

 今回データを整理してみた結果を記載します。マスカット監督体制に変わってから、下記の変化があるようです。

・ブラジル人選手の得点数増加
・PKでの得点数が増加
・セットプレーでの失点が増加
・ボールを奪ってから20秒以上時間をかけても、得点が取れる回数が増加
・左サイドからのアシスト数が増加
・後半開始から試合が動く回数が増加

■はじめに

8月のG大阪戦からマスカット監督体制に変わりました。マスカット監督が指揮をとってから1ヶ月が経過。8月のリーグ戦は、かなり過密な日程で行われましたが、5勝1負1分と好成績を記録。その結果として、マスカット監督が月刊優秀監督賞を、レオセアラ選手が月間MVP受賞をしました!

優勝に向けて着実に前進しているマリノス。8月の快進撃の要因の一つに、監督交代の影響もあるでしょう。先月投稿したNoteを読んでいただいた、すきぴおさんからも、監督交代による影響についてコメントいただきました。

レオ・セアラ選手の活躍が近頃突出しているとは思うのですが、ポステコグルー監督からマスカット監督に変わって現れた特徴とかありますでしょうか?
基本的にスタイルを踏襲しているなぁとぼんやり見ているのですが。

コメントいただいた通り、私自身も監督交代によるマリノスのスタイルに大きな変化はあまりないと感じていました。しかし、あくまで主観の感想でしかなかったため、監督交代による影響をデータとして比較してみたいと思いました。そこで、8月の試合(7試合分)と今シーズン全試合のデータ(27試合分)を比較し、監督交代後の傾向の変化を確認してみました。

本記事では、得失点データを細かく確認していきます。各データの紹介する項目としては、下記の3項目でまとめます。

■データから読み取れること
■先月期待したことに対する結果
■9•10月の試合(計6試合)に期待したいこと

今回は、データ量が多かったこと、仕事が佳境に入ってことから、文章の記載に十分な時間をかけることができませんでした。省略している点もございますが、ご容赦下さい。。。データも考察式しきれてない点、まとめ方が雑な点が多くございます。。。

■注意点

今回分析で使用したデータセットは私個人が作成したデータセットになっており、公式記録とは異なります。そのため、誤ったデータが含まれている可能性があることや、人によって解釈が異なるデータも含まれていることにご注意ください。データセットの作成方法や中身に関しては、過去の記事で公開しておりますので、ご確認ください。

■基本データ

今回の分析対象試合数

7試合
 第6節 G大阪戦
 第23節 清水戦
 第18節 名古屋戦
 第24節 大分戦
 第25節 仙台戦
 第24節 鳥栖戦
 第24節 鹿島戦

試合結果

5勝1負1分

■用語の整理

ここから実際に得失点データを確認していきますが、この記事特有の用語を使っている可能性があります。そのため、ざっと用語の説明をまとめました。

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■得点ランキング

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■データから読み取れること

8月の試合では、ブラジル人選手の得点数が増加。レオセアラ選手、マルコス選手、エウベル選手が8月の得点ランキングで全員上位です。

「8月分のデータ」と「全試合分のデータ」を比較します。まず、レオセアラ選手の得点数の増加が顕著にみられます。レオ選手は、今シーズン8得点中6得点を8月の試合で記録。また、マルコス選手、エウベル選手の得点数も増加傾向にあります。マルコス選手は今シーズン7得点中4得点エウベル選手は今シーズン5得点中2得点を8月の試合で記録。

つまり、ブラジル人選手が8月の試合で得点数を大幅に伸ばしていることがわかりました。

■先月期待したことに対する結果

・オナイウ選手の8月の試合で5得点の記録
・レオセアラ選手の8月の試合で3得点の記録
・仲川選手やエウベル選手など、ウィングの選手のみで5得点の記録

まず、オナイウ選手は移籍したので、今回の考察対象外とします。

次に、レオセアラ選手は期待を大きく上回る結果でした。8月の試合で6得点と十分すぎる結果であり、オナイウ選手に期待していた5得点をも上回っています。

最後に、ウィングの得点数は期待を上回る結果であったと言えるでしょう。主にウィングで起用された選手のエウベル、前田、水沼、仲川選手で9得点を記録し、5得点以上記録しています。

■9•10月の試合に期待したいこと

・センターフォワードの選手(レオセアラ選手や杉本選手)合計で5得点以上の記録
・ウィング選手の5得点以上継続

■アシストランキング

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■データから読み取れること

「8月分のデータ」より、仲川、小池、レオ選手のアシスト増加していることがわかります。この3選手の「8月分のデータ」と「全試合分のデータ」を比較します。

選手名 8月の記録/全試合の記録
仲川 3アシスト/6アシスト
小池 3アシスト/3アシスト
レオ 3アシスト/4アシスト

上記の結果より、仲川、小池、レオ選手の半分以上のアシストが8月の試合で記録されたことがわかります。

一方で、エウベルのアシスト数が減少傾向にあります。エウベル選手の「8月分のデータ」と「全試合分のデータ」を比較してみると、8月のアシスト数に物足りなさがあります。

選手名 8月の記録/全試合の記録
エウベル 1アシスト/9アシスト

■先月期待したことに対する結果

・左サイドウィング合計で3アシスト以上の記録

左サイドウィングについては、主に仲川選手、エウベル選手、前田選手などが起用されていました。しかし、仲川選手やエウベル選手は左右どちらでも起用されていました。そのため、選手名ごとのアシスト数だけでは、上記の期待通りか判断することができませんでした。しかし、後述するアシストが発生したエリアの結果をみると、左サイドから3アシスト記録していることがわかっています。そのため、期待通りの結果と言えるでしょう。

■9•10月の試合に期待したいこと

・仲川選手のアシスト3回以上
・エウベル選手のアシスト3回以上

■準アシストランキング

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■データから読み取れること

準アシスト者とは、アシストをアシストした選手のことを指します。

「8月分のデータ」より、岩田、松原、レオ選手の準アシスト増加していることがわかります。この3選手の「8月分のデータ」と「全試合分のデータ」を比較します。

選手名 8月の記録/全試合の記録
松原 2準アシスト/5準アシスト
岩田 2準アシスト/5準アシスト
レオ 2準アシスト/3準アシスト

上記の結果より、岩田、松原、レオ選手が8月の試合で準アシスト数を伸ばしたことがわかります。

一方で、マルコス選手の準アシスト数は減少傾向にあります。「8月分のデータ」と「全試合分のデータ」を比較すると、8月は記録を伸ばせていないことがわかります。

選手名 8月の記録/全試合の記録
マルコス 1準アシスト/8準アシスト

■先月期待したことに対する結果

・ボランチの選手一人当たりの準アシスト回数を8月中に2回以上

岩田選手が唯一達成できており、他の選手は達成できていませんでした。

■9•10月の試合に期待したいこと

マルコス選手の準アシスト数を9•10月中に3回以上

■得点関与数ランキング

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■データから読み取れること

得点関与数は、得点数+アシスト数+準アシスト数 の数値です。

8月分のデータより、レオセアラ選手の得点関与数が飛び抜けていることがわかります。また、レオ選手の「8月分のデータ」と「全試合分のデータ」を比較すると、8月に全体の6割の数を記録できたことがわかります。

選手名 8月の記録/全試合の記録
レオセアラ 11回/18回

■先月期待したことに対する結果

・前田選手、仲川選手、水沼選手、宮市選手のウイングの選手の得点関与数増加

前田選手が5回、水沼選手が5回、仲川選手が4回と、得点関与数を伸ばしており、期待通りの結果であったと言えるでしょう。一方で、宮市選手はまた記録なしのため、期待通りの結果ではありませんでした。

■9•10月の試合に期待したいこと

・宮市選手の得点関与数1回以上
・杉本選手の得点関与数3回以上

■ボールカット数ランキング

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■データから読み取れること

ボールカット数ランキングは、得点時に相手からボールをカットした回数でランキングを作っています。

8月分のデータを見ると、GK,DFのボールカットが得点に繋がるケースが多いことがわかりました。特に、畠中選手、高岡選手、和田選手のボールカット数が8月に増加したことがわかりました。

■先月期待したことに対する結果

・FWやトップ下の選手のボールカットからショートカウンターでの得点

期待通りとはいけない結果でした。基本的には、GK,DFのボールカット数がが多く、FWやトップ下の選手のボールカットは前田選手、水沼選手、レオ選手がそれぞれ一回ずつでした。

■9•10月の試合に期待したいこと

・FWやトップ下の選手のボールカットからショートカウンターでの得点

■ボールロスト数ランキング

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■データから読み取れること

8月のボールロストはDFの選手のみでした。和田選手と畠中選手が一回ずつ記録してます。「全試合のデータ」を確認しても、8月と同様、GKやDFのボールロストが失点に直結するケースが多い傾向があります。

■先月期待したことに対する結果

・GKやDFのボールロストからの失点を0にする

上記の期待は達成できず。とはいえ、7試合で2回しかボールロストしておらず、十分な結果であったと言えそうです。

■9•10月の試合に期待したいこと

・GKやDFのボールロストからの失点を0にする

改めて、高い期待をしてみたいと思います。

■状況別の得点数と失点数

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■データから読み取れること

得点時は、PKでの得点が増えました。PKでの特典について、「8月分のデータ」と「全試合分のデータ」を比較すると、全試合の記録のうち、半分を8月中に記録できたことがわかります。

状況 8月の記録/全試合の記録
PKでの得点 2回/4回

一方で、失点時は、8月はセットプレーでの失点が半分以上を占めていました。PK,FK,CKでの失点数の合計値で「8月分のデータ」と「全試合分のデータ」を比較すると、8月で全体の35%以上の失点を記録しており、セットプレーでの失点が増加している傾向があることわかります。

状況 8月の記録/全試合の記録
PK+FK+CKでの失点 4回/11回

■先月期待したことに対する結果

・PKでの得点の増加

期待通りでした。2回のPKでの得点を記録でき、7月以前のPKでの得点数を8月で2倍にできました。

■9•10月の試合に期待したいこと

・セットプレーでの失点を0にする

これまた大きな期待をしてみます。

■ボールカットから得点までの時間

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■データから読み取れること

今回のデータは、セットプレー以外の得点データのみ抽出しております。

「8月分のデータ」は、得点までの時間は分散していることがわかります。一方で、「全試合のデータ」は1〜20秒に集中していることがわかります。

■先月期待したことに対する結果

・15秒以内の得点にこだわり続ける

期待通りではない結果でした。とはいえ、全体的に得点数が減っているわけではなく、監督交代の影響による変化かもしれません。むしろ、割と時間かかっても、得点が取れるようになってきている印象があり、良い傾向かもしれません。

■9•10月の試合に期待したいこと

・時間には特に期待せず。得点数をこのまま維持して欲しい。

■ボールロストから失点までの時間

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■データから読み取れること

今回のデータは、セットプレー以外の得点データのみ抽出しております。

「8月分のデータ」は、「全試合のデータ」の傾向と同じ通りで、10秒前後での失点であることがわかります。

■先月期待したことに対する結果

・ショートカウンター気味の失点を防ぐために、DFの選手のボールロストが継続してなくすこと

期待通りの結果ではありませんでした。ボールロストの章でも触れた通り、DFのボールロストが発生しており15秒以内の失点が増加しました。

■9•10月の試合に期待したいこと

・15秒以内のショートカウンター気味の失点を0にする

6•7月の試合では実現できていたので、9•10月も期待したいです。

■得点時のプレーエリア

プレーエリアの見方
(マリノスが下から上に攻めている状況)

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■データから読み取れること

得点エリアに注目します。「8月分のデータ」も「全試合のデータ」には特に傾向の変化はないです。

アシストエリアに注目します。「8月分のデータ」は、左右バランスよくアシストを記録できています。「全試合のデータ」は、右サイドにアシストが偏っていたため、8月に左サイドからのアシスト数を増やせたことがわかります。

準アシストエリアに注目します。「8月分のデータ」も「全試合のデータ」も、右サイドに準アシストが偏っており、傾向の変化は大きくなさそうです。

ボールカット、ボールロストのエリアに注目します。「8月分のデータ」も「全試合のデータ」には特に傾向の変化はないです。

■先月期待したことに対する結果

・左サイドウィング合計で3アシスト以上の記録

期待通りと言えそうです。左サイドウィングと確定はできませんが、アシストエリアにおいて、ALで3回記録できているため、左サイドからアシスト数が3回あることが確認できました。

■9•10月の試合に期待したいこと

・左サイド(AL,BL)から合計で3アシスト以上の記録

■失点時のプレーエリア

プレーエリアの見方
(マリノスの対戦相手が下から上に攻めている状況)

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■データから読み取れること

得点エリアに注目します。「8月分のデータ」も「全試合のデータ」には特に傾向の変化はないです。

アシストエリアと準アシストエリアに注目します。「8月分のデータ」も「全試合のデータ」も、右サイドにエリアが偏っています。つまり、マリノスのサイドで考えると、マリノスの左サイドが起点とされて失点するケースが多いことがわかります。傾向としては以前から継続しているようです。

ボールカット、ボールロストのエリアに注目します。「8月分のデータ」も「全試合のデータ」には特に傾向の変化はないです。

■先月期待したことに対する結果

先月の記事では、期待を記載してなかった。

■9•10月の試合に期待したいこと

右サイド(=マリノスの左サイド)(AR,BR)からアシスト数を0にする。

■得失点の時間帯

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■データから読み取れること

「8月分のデータ」は、後半開始から試合が動く傾向にあるようです。45分から75分までの得失点の変化においては、8月分の試合によって増加しているようです。

また、以前から注目していましたが、試合の勝敗を左右している注目するポイントの一つとして、「前半での先制点」があることが読み取れます。

- 勝てなかった試合は、全て前半に先制されている
- 勝てている試合は、全て前半で先制している

■先月期待したことに対する結果

・前半を勝った状態で終えること
・交代選手の75分以降の得点関与

7試合中5試合が前半を勝った状態で終えており、概ね期待通りでした。交代選手の75分以降の得点関与は、半分ほどの試合でしか実現できておらず、期待通りとは言えませんでした。監督交代による選手の交代時間の変化が影響しているようです。45分以降からゲームが動く傾向が出ています。

■9•10月の試合に期待したいこと

・前半を勝った状態で終えること

■おわりに

今回は、8月の得失点データをまとめ、最近のマリノスの傾向や今後に期待したいことを記載しました。9•10月の試合を楽しんでみるための新しい発見を皆さんに提供できていたら嬉しいです!

最後に、監督交代後の8月の試合で変化があった6点をまとめます。

・ブラジル人選手の得点数増加
・PKでの得点数が増加
・セットプレーでの失点が増加
・ボールを奪ってから20秒以上時間をかけても、得点が取れる回数が増加
・左サイドからのアシスト数が増加
・後半開始から試合が動く回数が増加

今回も記事を読んでいただき、ありがとうございました。わかりづらい点や感想などございましたら、ご指摘をお待ちしております!






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