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詩)砂上の楼閣

空から降る砂は
足下に散らかって
どれだけ降り続けるのか
分かりはしないけれど
時おり、足下の砂を掘り起こしては
ほくそ笑んだり
哀愁に浸ったり
両手ですくった砂が
隙間から溢れ落ちて
寂しくなったら嘘を足して誤魔化してみたり
手を開いてうそぶいてみたり
砂が足をとるから
靴の中に入ってくるから
なんだか気になって
それでも前には進まないと……

退屈な夜と憂鬱な朝
繰り返し
くりかえし
クリカエシ
混ざって溶けて

退屈も憂鬱も
たいくつもゆううつも
タイクツモユウウツモ
よく分からないまま
ヨクワカラナイママ

それでも長針は短針を何度も追い越して
カチカチカチカチと
かちかちかちかちと
価値価値価値価値等
無意味な音を海馬に刻む