詩)無根拠
勝手に迷い込んだ道
一本道を迷宮にかえて
絶望と手を繋ぎ足を動かす
独りよがりの妄想に
小さな虫を怪物に変えて
ありもしない壁や落とし穴に
何度もぶつかり何度も落ちて
空らっぽの瓶に入れた手紙を海に投げても
拾ってくれる人はいない
周りの人は顔もなく
ただ口を動かすだけの化け物で
雑音の様なお経を唱えるばかり
井戸の中で耳を塞ぐも
冷たい水が熱を奪う
行く当てもなく彷徨うばかり
励ましも哀れみも手足に纏わり付く
重くなった身体では空も飛べずに
這いずり回る気力もない
最後の希望を託し
両手を合わせてみても足は地につかず
誰かの声も聞こえない
それでも生きていかなくては
生きてさえいれば…
きっとなにかいい事がある
色んな言葉を辞書から消して
私は貴方にそう呟いた
最後までお付き合い頂きありがとうございます。
宜しければご感想等、頂けましたら幸いです。
先月のスキの多かった詩ベスト5をまとめたマガジンがありますので、こちらの作品を気に入って頂けましたら是非、過去作も御一読下さい。