たまには真面目に、大学時代の研究内容の概論とか言おうじゃないか。
卒業学部は理工学部ですが、専攻は人間工学という比較的新しい応用分野を取り組んでいました。工業製品にはそれを操作する人間がいて、体の大きさ、可動域といった物理的な機能。併せて、情報処理能力、直感的操作性といった心理的な側面を議論することで、製品の質を向上させるものです。
実は、デザイン寄りの分野を勉強していました。
学問の発展の歴史
人間工学の元になった言葉は2つあり、
”human engineering”(米)
機械を操作する人間に焦点をむけた考え。どちらかと言えば、機械的な考えですね。アメリカで生まれたこの研究は世界大戦の頃に発展しました。
研究目的は航空機の計器、ボタン、スロットルと言った、
操作系をミスなく操作するために配置するためです。
効率よく、ミスなく、実にアメリカ的な考えです。
”ergonomics”(欧)
人間が快適に働くための条件を探る学問分野。
心理学や生理学の知見を人工物やシステムの構造や設計、デザインなどに応用し、人間への負荷や負担、人為的なミスを減らしたり、快適性や安全性、生産性、効率などを向上させることを目指す学問分野。
人の負担を減らす。という考え方で、具体的には ヨーロッパは自動車メーカーが多く、操作のミス、交通事故の防止に用いられたようです。
”人間工学に基づいたデザイン”
っていう標語、皆さんも見かけたことがあると思います。
特に、文房具が好きだった人はドクターグリップにも書かれていたのを
きっと覚えているでしょう。
”人間工学に基づいたデザイン”
って、書きゃ良いだろって風潮があります。それはもうRoHSのように。
最近のamazonで売られている、謎の中国の製品にも書かれており
メジャーになった学問なんだなあと思います(空目)
という学問の前説を終えたところで、私は卒業研究として・・
視覚障がい者の行動特性の評価
というテーマを研究していました。
バリアフリーという言葉は目にしたことがある言葉だと思いますが、
自動車の操作系が成人の体型に合わせて設計されているように、
音声案内や点字ブロックと言った視覚障害者を支援する設備も
同様に利用者に合わせて設計がされています。
音声案内であれば、優先順位が高い情報や利用頻度の多い項目は早い順番に読み上げること。点字ブロックは靴を履いた状態の足で知覚できること。
等等。
バリアフリーの研究の中で得られたことは、操作性に対して、
もっとこうなれば良いのにな、と批判的に見る感覚。
前職では、設計部と製造部の経験があり、ボタンに配置や寸法、グリップ部分の図面起こしに活かせたり、製造部では、作業者の棚の整理、棚卸しの負担軽減をしたり、学生時代のことって結構活かせるんだなと思うのでした。
しかし時に感じるのは、メインに取り組んでいた、障害者への支援という分野に直接的に働いてからは携わっていない、というもどかしさがあります。
興味関心が耐えたわけではないので、
時々、NHKのクローズアップ現代を見たり、新聞の記事を読んだり
インプットは続けており、多用な人たちが社会進出、学習、文化的生活に
障壁を感じない世界に近づくことを祈るばかりです。
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