我が家の事件簿 ♯１

どうも。

これは、オッチョコチョイな主人公が巻き起こす小さなことから大きなことまで赤裸々に短編物語風に書いていくものです。

お腹が空いた

「さーて、今日の夕食でも作ろうかしら」
キッチンに立った私は冷蔵庫とにらめっこしていた。
買い物に行きそびれたから家にあるものでなにか適当にこしらえなくてはならない。でも中に何が入っていたか全く覚えていないため、１から確認作業に入った。
野菜室にはキャベツしかない。それからほかは、卵に納豆、豆腐。買い物に行かなかった自分を責めたところで何も出てくるはずもない。
「そうだ、戸棚にラーメンかパスタがあったはず」
思い出して探しに行き、戸棚とにらめっこ。
キャベツはラーメンにもパスタにも合う。納豆は白いご飯を炊くかパスタに合わせることは出来る。
悩んだ末に、パスタにすることにした。昨日テレビで「ぺぺたま」という卵の入ったペペロンチーノの紹介があって、家でも作れるというのを思い出し、急に食べたくなったので実行。
パスタを手にしキッチンへ戻って、調理を始める。
鍋に水を入れお湯を沸かし始めたと同時にニンニクをスライスにし、唐辛子を輪切りにしていく。そこでキャベツもざく切りにしておく。
バターが望ましいが我が家にはバターがなかったのでオリーブオイルを代用した。
おっとここでお湯が沸騰し始めたので塩を加えてパスタをお湯に入れる。５分ほど茹でようか。
しばらくしてフライパンにオリーブオイルを敷き、ニンニクスライスを入れる。中火で火にかけて、ふつふつ音がしたら弱火にし輪切りの唐辛子を入れ、まんべんなくオイルが行き渡るようにフライパンを回したらキャベツを炒める。炒めるときマジックソルトを少々かける。
ある程度キャベツがしなってきたら茹で上がったパスタを、茹で汁ともに加える。
火を止めて急いで和えたら溶き卵を投入し、そこでまた急いで混ぜるのだが事件が発生。
卵を解こうとボウルに割り入れた瞬間なにかの拍子にボウルが床へ落下。見るも無残に卵が飛び散ってグチャグチャに床で解き放たれた。
どこまで飛び散ったのかもわからないくらいに。
掃除を優先するか、新しい卵を出して料理を完成させるか悩ましいところだ。しかし、慌てたせいで掃除にシフトし料理はおろそかに。掃除をし終えたころにはパスタは固まってしまった。オイルを足してほぐす。再度火を入れ溶き卵を投入し卵が固まりきらない程度に混ぜていく。ボウルには白出汁を大さじ３くらいと黒胡椒少々を用意し出来上がったパスタをそこでまた急いで混ぜる。
仕上げに再度黒胡椒をかけてようやく完成だ。

長かった。卵事件がなければもっと早かったのにと若干の苛立ちもあった。

というのも、卵事件の詳細は、なんと冷蔵庫の下にまで及んでおり動かして掃除するハメに。

結果パスタはグダグダでとりあえず食べられたけど「美味しかった」とは、言えないものだったから。

二度と同じことは起こすまいと誓った夕食だった。

（作中のレシピは実際には美味しいので作ってみてくださいね）

では。