朝ドラビジネス NHKの商魂

何かと世間の評判を集めやすいテレビ番組の一つ。「NHKの朝ドラ」についてだ。

NHK総合では平日と土曜朝8時から8時15分までの間は「連続テレビ小説」と題したドラマ(朝ドラ)が放送されている。

ドラマの題材は「完全オリジナルの架空の人物」から「実在した人物」を取り上げており、今年度前半は作曲家「古関裕而」氏の生涯をテーマにした「エール」が放送されている。

ここでは詳しいドラマ内容には触れないでおく。

今回注目したのは「実在の人物がドラマの題材なるまで」の過程だ。

https://www.city.toyohashi.lg.jp/31522.htm


上記は、この「エール」の舞台になった都市の一つ、愛知県豊橋市のホームページからだ。

「豊橋市を舞台にした朝ドラを作ってほしい」という願いを署名活動をはじめ、大元であるNHKにまで乗り込んで懇願したという「美談」がこのサイトで読むことができる。

豊橋市だけではない。他の都市も「朝ドラ作って!朝ドラ作ってよ!」と懇願している。(執筆時点で福井市、和歌山県橋本市、京都府綾部市など)

https://www.athome.co.jp/vox/jtown/town/54980/

ここまで自治体を誘致合戦に熱中させる大きな要因は「朝ドラ効果」にある。

そのいい例は2013年度前半に放送された「あまちゃん」が大ヒットしたことだ。

劇中のヒロインのセリフ「じぇじぇじぇ」(岩手方言で驚嘆を表す)がその年の流行語大賞に選ばれたのも記憶に新しい。

ロケ地である岩手県の三陸海岸周辺が観光地化され、2013年の岩手県内の「あまちゃん」による経済効果が32億8400万円もあったという。

https://dot.asahi.com/wa/2013092500055.html

上記の記事によれば、名産品のウニや関連グッズ等の売り上げがよく売れたそうだ。

これがきっかけで「32億円がウチの自治体にも入ってくるかもしれない」という一攫千金を狙う自治体が増えたのかもしれない。

自治体も儲かり、NHKも関連書籍やDVD、CDで儲かる。まさに「ウィンウィン(Win-Win)」状態。

果たしてこれが公共放送のやることだろうか?


このページにおいて、「公共放送とは営利を目的とせず、国家の統制からも自立して、公共の福祉のために行う放送といえる」と述べている。

しかし、「営利を目的としない」方針に対し、特定の商品・会社名に値する又は連想させるものを劇中に出しているのは明白である。

例)「マッサン」のウィスキー(ニッカウヰスキー)、「まんぷく」の即席麺(日清食品)、「あまちゃん」内に登場する鉄道線(三陸鉄道)等。

これはいかがなものか?

とにかく、昨今のNHKの朝ドラは「企業・自治体の広告媒体」の代わりになっているのがお分かりいただけただろうか。

今のNHKの経営方針に異議を唱えたい。

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