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テレビの命日(前編)

昨今、テレビCMを観ていると、インターネットを利用した定額動画配信サービスのCMをよく見るのではないか。

Netflix(ネットフリックス)、Hulu(フールー)、Amazonプライムなどの事業者だ。

これらのサービスでは、最新の映画やアニメ、ドラマから往年の名作はもちろんのこと、その事業者独自のオリジナルコンテンツとしてのドラマ・映画が見られる。



ここでよく考えてみてほしい。民放でこのような「動画配信サービスのCMを流すこと」は今までは考えられなかった。

なぜなら、このような動画配信サービスに視聴者が流れていく事で民放の番組を見なくなる恐れがあるからだ。



このことは、現代の消費者のニーズが変化していったことが原因なのではないかと考察する。

現代の消費者は「多少お金を払ってでも、サービスを求める」傾向にあるのだ。


唐突だが、鉄道の例を出してみよう。

最近は通勤時間帯のみ走らせる座席指定の列車「通勤ライナー」がJRだけでなく、私鉄でも導入されている。

私鉄で見てみると、小田急は新宿から小田原を結ぶ「ホームウェイ号」、西武鉄道では有楽町線豊洲と埼玉県所沢市の小手指を結ぶ「Sトレイン号」を運行している。

このターゲットは「満員電車で通勤するのは嫌だ」「絶対座って会社まで行きたい」という利用者である。


今の民放のテレビは『運賃だけで乗れる「普通電車」』なのだろう。


実際、普通電車の中は中吊り広告だったり、ドアのステッカー広告だったり、ドア上の液晶広告だったりと、民放同様広告で溢れているではないか。

もう今の時代、通勤には「運賃だけ払って乗る」から「少しでもいいサービスを求めて運賃+αを払って乗る」ことが何らおかしくない時代になった。これは今のテレビ事情にもあてはまる。

上記をテレビに当てはめてみると、「民放を垂れ流して見る」から「+αを払っていい番組を見る」時代といえよう。


実際、2000年代から「若者のテレビ離れ」が言われ始め、2020年代の今、それが本当になろうとしている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/テレビ離れ

もはやテレビは「娯楽の王様」ではなくなりつつある。


テレビが無かった時代、大正、昭和初期まではラジオをお茶の間に置いて楽しんでいた時代があった。そんな風にテレビもお茶の間から消え去っていくのだろうか。

令和時代の定番は「ソファーに腹這いになってタブレットやノートPC、スマホで動画配信サービスで見たい番組を観る」。もう「お茶の間」なんてのもテレビ同様いらない時代になるのかもしれない。

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