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絵本探求講座第3期 ③ カーネギー賞(ケイト・グリーナウェイ賞)から選んだ絵本   

2005年 カーネギー賞(ケイト・グリーナウェイ賞)受賞  

『Wolves』  Emily Gravett

『オオカミ』
作・絵 エミリー・グラヴェット
訳 ゆづきかやこ
出版社 小峰書店 2007年12月

あらすじ

『オオカミ』という絵本を借りたうさぎです。
うさぎは読みながらどこかへ移動します。
移動中に借りた絵本を読みながら移動します。
オオカミについて詳しく書かれている、絵本を夢中になって読んでいます。
ところが、絵本の中の、オオカミが食べる食べ物は?のページより
・・・・うさぎ・・・・・
ズタズタの絵本の表紙
作者さんからの素敵な提案でベジタリアンのオオカミだった。
最後、うさぎさんのポストの中に、本の返却期日が過ぎているといお知らせが。
さて、うさぎは???

選書理由

前回に引き続き、ナンセンス絵本です。
この本、随所に仕掛けがしてあり、大人も、子どもも、楽しめる仕掛けがうれしいですね。
『オオカミ』ですが、各ページにそれぞれワクワク、ドキドキ、息をのむ、考える。など
読者が体験できる絵本になります。特に、近くで読んでもらうと嬉しいのではないでしょうか?
読者は、絵と仕掛けを堪能してもらいたいと思います。

絵本について考えてみる

最初の部分では、

うさぎのしている体験が、私もしている。重なる行動と、仕掛け。(今は無い、著書貸し出しカード)
自分と一緒という気持ちが、うさぎの行動と自分の行動を重ねます。
(すっかり絵本の世界に入れるところすごく好きですね。)

次に

うさぎも、読みながら家に?帰りますが、私も時々本を読みながら家に帰ります。
その時に、夢中になっていると・・・・
私も夢中になっていると、コケたり、壁にぶつかったり、穴に落ちたり・・・
(夢中になりすぎると周りが見えません。よくわかります。うさぎと一緒の私です。)

そして

オオカミが出てきます。ズタズタになった借りた絵本の表紙。
(読み手に、うさぎ食べられちゃった?と言葉では出てきません。
 絵から読み取る思わせる借りた絵本の表紙。
 言葉ではなく、絵から想像させる。これが、絵本の素晴らしいところかと思う。)

ところが、

作者さんからの素敵な提案でベジタリアンのオオカミだった。
(この提案には驚かされる。前のページでうさぎ、きっと食べられていると思っている読者へ、
 ちょっとホット出来る提案。こんな提案も素敵)

最後に

うさぎさんのポストの中の封筒の数々。その一つ、図書館からの仕掛けの封筒。
この封筒を開けると、うさぎさんあての手紙が・・・・
(この仕掛けにより、読者が想像する結末は。
 図書館からの手紙の中に、しっかり、絵本の紹介もあり、見どころ。
 オープンエンディングの一種なのだろうか。)

絵本探求講座第3期②と③を体験して

コルデコット賞、グリーナウエイ賞と勉強してきました。
私の選んだ本は、両方とも、ナンセンス絵本で、クスっと笑える感じなのですが、全く違います。

エミリー・グラヴェットさんは、文字があるのですが、絵を読み取って、文字がサポートにような感じです。
仕掛もあり、読者が参加している感じがあります。
エミリー・グラヴェットさんの絵本は、面白いので、読みたいとき、聞いてもらいたい時に合わせて、絵本を選ぶと楽しそうです。
読み聞かせで堪能したいです。自分でドキドキしたい人は一人でも『オオカミ』読んでいただきたい。

コルデコット賞で選んだ『3びきのぶたたち』デイヴィッド・ウイーズナーさんの本は、デイヴィッド・ウイーズナーさんの本の中では
この絵本は、異色なのですが、動画のようでとても楽しいです。読み聞かせにも一人で楽しむのもよいと思いました。
デイヴィッド・ウイーズナーさんの本は基本言葉がなく、じっくり絵から物語を想像して、細部を見入る。そして物語を作る。
といった感じで、楽しむことをお勧めします。

それぞれ作家さんの絵本から沢山のワクワクと想像力そして、絵本の力を感じました。
何度も読みたくなる絵本。だから受賞しているのですね。
大人も、子どもも一緒に楽しめる絵本だと思います。

今後の自分の課題

翻訳されている絵本は、原書と見比べた方がいいと感じました。ネットで見ると、絵本の作り方が少し違うようです。
表彰された国(アメリカ、イギリス)で発行された絵本と、翻訳された絵本(日本発売)では、
装丁や、仕掛、色、文字など違っているかもしれないと思いました。

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