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はじめての絵画 小学館の図鑑NEO

我が家には小人が3名いる。

ピカソの本名(長〜いヤツ)
を暗唱するのにハマっていたり
NHK Eテレのねこのめ美術館を眺めているし
私も永らく美術を専攻しておりアート好きだし
・・・・・・
買ってみた
「小学館の図鑑NEO はじめての絵画」

まず、カバーを外すとカバーの裏面に 
「画家たちのパレット」
というコーナーがあって
時代も画風もさまざまな画家たちのパレットの写真ズラリ、
これだけで早速長時間見入ってしまう!

むかし学生時代に
「油彩画家達のパレットは艶光りするほど
磨き込まれて美しいんだ、お前達もパレットの手入れは怠るな」
と先生方に言われていたものだが、、、
「え、そこまで綺麗じゃないじゃん」
というかんじ。
だが!
綺麗じゃないけど、美しい、
むしろ芸術的
作家の画風がパレットに現れていて、
本当に魅入ってしまう。。。
こういうのを見ると、
今主流のペーパーパレットは
便利だけど、野暮だなぁ、、なんて思っちゃったり。。

カバー裏の話はこのへんにして、
図鑑を開くと
クイズ方式で鑑賞を深める仕掛けがあったり〜
和洋、ヒーロー特集だったり〜
同じモデルなのに
イケてるときとイケてないときの絵の
比較解説だったり〜
こっそり描きこまれているかわいい動物特集、
よく観るとえげつなく怖い絵画、

さまざまな切り口とまとめ方で
解説や比較、説明がなされている。

どれも読みやすいことばづかいが
笑えて楽しく
めちゃめちゃ入りやすいし
文字も大きかったり 
シンプルに説明してくれてあるので
難しくなくてイイ〜
ソファの片隅に置いて
雑誌や絵本を読むみたいに
読める。

図鑑とは思えぬライトな文面とは裏腹に
内容量も重量も
ずっしりどっしり 
これで、
子供用図鑑のお値段3000円もしない
満足感高い〜〜
(回し者ではありません)

作家の原田マハさんがよく小説の作中で
「絵画を友だちのように感じて」
と表現されている感覚を味わえるし

この図鑑を読み込んでいくと
「この絵はどうかな?」
「この作家、どうしちゃったのかな?!」と
絵も、画家も、どんどん友だちになりたくなる

また、
最近夫に勧められて視聴していた
山田五郎さんの
「オトナの教養講座」というYouTubeで
有名絵画の解説を面白おかしくなさっているのを爆笑しながら視聴していたのだが、
それと似た世界観を味わえるテーマもあり。

これは楽しい図鑑だなぁ。
作った人たちすごいなぁ。と思う

いまのことろ、
個人的に心に残ってる絵は
コラントニオという画家の
「書斎の聖ヒエロニムス」という絵画。
大きな雄のライオンが 
書斎で聖職者ぽいヒゲのお爺さんに
手のひら(にくきゅう)を見せている絵。
私は
「ライオンの手のひらにメモを書いてる絵」
と思って観ていたのだが、
真意は
「ライオンの手に刺さったトゲを抜いてる絵」
だそうで、
聖ヒエロニムスは
教会に来たライオンの手の棘をぬいてあげたことがあるという
有名なエピソードのワンシーンらしい。
なんて優しい世界!
少々ジト目なライオン、なんとかわいい!!

と、そこから
聖ヒエロニムスさんにも興味も湧き、
図鑑から離れて調べ進めてみると
聖ヒエロニムスって、
レオナルドダビンチが描いた
あの有名な絵のお爺さん!
同一人物か、、、!
と、新たな発見があったり。

こんな感じで
図鑑から波及して 
好奇心の芽があっちに伸び、こっちに伸び。

ともすれば
この顔変だね、と
下世話な視点で笑い合ったり。
親子で夢中に眺めてしまう
なんとも楽しい図鑑だ

美術史とか、美術学って、
知的で高尚で歴史的背景や啓蒙もあるし
ヘタなこと語っちゃいけないような、
真面目に感じないといけないような
そんな世界な気もするけど

イイんだよイイんだよ〜
自由に感じちゃってよ、語っちゃいなよ、
よく観てごらんよ、
面白いよ〜って言ってくれてるみたいな
そんな本だとおもいます

内容充実で、
全部目を通すのは
いつになるかわからないけど
楽しい初見のの感想を
新鮮なうちに
ここに。

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