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ニューヨーカーの憂鬱

私はアメリカが嫌いだ。住むなら絶対に日本がいい。でもどうしてもアメリカで住まなければいけないなら断然ニューヨークを選ぶし、きっと自分はそれ以外の州では到底住むことはできないと思う。

そう思う理由はいくつかある。

- 日本食材が手に入りやすい

ー レストランもアジア系が多い

ー MUJI・UNIQLOなど日系のお店がある

ー 免許を持っていなくても行動できる

ー 大きいアウトレットがありハイブランドの靴や服などを破格で購入できる

などだろうか。仕事で他の州に行ってホテルで滞在することが多い私は、アメリカの食文化の乏しさを日々思い知らされている。スタバがあればまだ良いほう。ホテルのレストランにはハンバーガーとかフレンチフライ、チキンウイングくらいしかないし、朝は大抵シリアルとか、クソまずいパン。そして味のしない卵。街を歩けばファーストフードチェーン店ばかり。そりゃ太るよな、アメリカ人。

少なくともニューヨークでは、こういう「大味」と言われるものを食べないでよい。(もちろん大味のものもあるが、選択肢が多いのでそれを選ばなければよいだけ)

なんだかんだでアメリカ嫌いとか言いながらニューヨークを愛してしまっている私。ただそんな私でもニューヨークに対する愚痴がないわけではないし文句は尽きない。

地獄のニューヨーク

私にはニューヨークで絶対に外出したくない日が何日かある。

ー 大晦日

ー 独立記念日

ー ハローウィン

ー セント・パトリックス・デイ(聖パトリックの祝日)

ー 様々なパレードがある日

これらの日、外出不可避になると私は決まって憂鬱になる。なぜならニューヨークは地獄と化するからだ。地獄絵図、カオス状態、完全なるフィアスコである。

大晦日パニック

大晦日は世界中から観光客が集まってくるのでとにかく人が多い。

タイムズスクエア周辺は夕方くらいからストリートをクローズしているので、思っているように移動ができない。ストリートがクローズしている=車の渋滞にもつながる。

特に年を越した後が地獄。地下鉄は新年を祝った人々で溢れかえり、すし詰め状態。タクシーも他の乗客同士で取り合いになり中々見つからない。街には酔っ払いばかり。無駄にストレスを溜めたくないのでこの日は絶対に自宅で過ごしたい。

花火の独立記念日

独立記念日には大きな花火のショーがあるので、たくさんの人々がニューヨークに詰めかける。

そもそもどうしてそんなに花火が見たいのかわからない。日本の花火には緩急があったり、間の使い方がうまかったり、技術が凄すぎてとにかく「美しい」の一言だし、暑い中見に行きたいとも思うが、こちらの花火は単調でボンボンボンボンただただ打ちまくるといったようなもの。お世辞でもそれを見て感動したとか美しいとか言えないわけです。ただのどんちゃん騒ぎ。大勢でひしめき合いながら花火を見に行く姿は滑稽でなりません。テレビで充分だと思うのは私だけだろうか?

ただこの日は家にいても憂鬱。なぜかというと近所の人たちも便乗して花火をし始めるからだ。

「ボンボンボン!」

「バリバリバリ!」

大騒音が夜通し続くわけです。ストリートでは大量の花火。大音量で音楽をかけてバーベキュー。そんなに騒がれるとこちらも寝れないし、イライラ。はらわたが煮えくり返ってくる。

他の州は知らないがそもそも、ニューヨークでは一般市民の花火は違法。販売することも違法だ。一体そんなものをどこで手に入れているのか、謎は深まるばかり。

外に出てないから推測にはなるものの花火の音からして種類は2-3種類くらいしかない。たった2-3種類しかない花火を夜通し楽しむなんてどんだけ単細胞よ。いい加減飽きてくれ。頭悪すぎ。

お前達の脳みそどこいった!?

Where did your brain go?(直訳w)

って面と向かって言ってやりたいものだ。しかも私が住んでる地域、ある国(ここでは書けないけど)の出身の人が多い地域。みんな元を辿れば生粋のアメリカ人ではないのだ。なのに何をそんなにどんちゃん騒ぎしてアメリカの独立を祝うことがあるんだ!?と理解に苦しむ。

彼らにとってはただただ大騒ぎする理由がほしいだけなのかもしれない。

しかももっと地獄なのが次の日。ストリートは花火の残骸とバーベキューのゴミが山のように溢れかえって雨でも降ろうもんなら下水道が詰まってしまうようなレベル。

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いやいや、

民度よ。

汚したら片付けるができない人達ってどうなん?てかこれは一体誰が片付けるんだ。。もう呆れすぎて開いた口が塞がらない。こういう人達と共存しろっていうのがまず無理な話。

ハローウィンで如実に現れる教育格差

そもそもハローウィンとは何か。Wikipediaから引用させてもらう。

「毎年10月31日に行われる、古代ケルト人が起源と考えられている祭のこと。もともとは悪魔やサウィンなどを崇拝し、生贄を捧げる宗教的な意味合いのある行事であったが、現代では特にアメリカ合衆国で民間行事として定着し、祝祭本来の宗教的な意味合いはほとんどなくなっている。

英語圏では、子供たちが「Trick or Treat(トリック・オア・トリート)」 という言葉、直訳では「いたずらか、ごちそうか」で、聞いている側としては「ごちそうをくれないと、いたずらしちゃうぞ」というニュアンスに聞こえる言葉を唱えながら家々を訪ね、菓子を集めて回る習慣がある。」(引用終わり)

他のサイトでは、秋の収穫を祝ったり、先祖を迎え入れ、悪霊を払う行事などとも言われているようだ。

この日はとにかく「くだらない日」。大の大人がハローウィンの起源、行事の意味も深く考えずにクオリティの低い中途半端な仮装をして街を練り歩き、ハローウィンパーティという名目でお酒を飲みまくる。ストリートは酔っ払いと割れたビール瓶で埋め尽くされる。

何年か前には、首なしで血まみれの人(本物の死体)が道に倒れていたが、ハローウィンの演出だと思って本物とは気づかれず数日間放置されたという衝撃的なニュースを聞いたことも。

衝撃的だった出来事がもう一つ。数年前にマンハッタンのレストランで働いていた時の話。ハローウィンに働かなければいけない自分の人生を恨みながらもオープニング作業を終わらしていざ開店しようとしたその時、子供達が

「Trick or Treat~」

と言いながら店に入ってきた。アジア人、アメリカ人などいろんな人種の子供達計5名。結構狭めのレストランだったので、子供たちのデカデカとしたコスチュームがお箸やらナプキンなどに当たりまくり、テーブルの上にきれいにセッティングされていたものがぐちゃぐちゃになってしまった。

それを見てため息を吐く私。でもまぁお菓子は用意してあったので適当に渡してすぐ帰ってもらおうとする。

子供達は自分たちがテーブルセッティングをぐちゃぐちゃにしたことなどには全く気にも掛けていないようでそのまま「Thank you~」と言いながら上機嫌で帰っていった。

ここで衝撃的だったのが、アジア人の子供。他の子達はもうレストランを出ているのに1人だけ残り自分達が滅茶苦茶にしたテーブルセッティングを謝りながら直し始めたのだ。

正直その子が日本人であったかどうかは定かではないが、この少女の思いやりには非常に感心した。両親にちゃんと教育されているんだなと、とても嬉しく、アジア人として誇らしい気分になると同時にニューヨークの教育格差を思い知らされた。

いやいや、待て待て、基準おかしなってるやん。これくらいできて当然やん?周りの子がアホすぎるんやん?と即座に自分につっこんだのは言うまでもない。

聖パトリックの祝日

この日はただただ「呑んだくれる日」だと認識していた私。深く調べてみると(これもWikipediaから引用)

「アイルランドにキリスト教を広めた聖人聖パトリックの命日。3月17日。カトリックの祭日であり、アイルランド共和国の祝祭日。」

「アイルランドでは何世紀も前からこの日を祝う伝統が受け継がれ、正式に1903年より祝日となり、イギリスから独立後、徐々に祭礼日として成長した。」(引用終わり)

ということらしい。でもこれを知ったら余計に訳が分からなくなる。独立記念日のそれと一緒だが、

関係ない人便乗しすぎじゃね?

アイルランド系移民がお祝いするならまだ分かる。でも関係ない人達が集まって酔っ払いまくって外で暴れるのはどうなんだ?

周りの人からしたら本当に迷惑でしかない。大声で騒ぎ酔っ払って通行人に絡むなんて本当にくだらない。変なことに巻き込まれたくないのでこの日も必ず外出はしないようにしている。

パレード関連

これも大晦日のタイムズスクエアと同じ理由。とにかく人が多い。ストリートをクローズするから車は渋滞。

それぞれのパレードに興味があったらいいかもしれないが、ない人にとっては大迷惑。日常生活が送れないことほどストレスが溜まることはないので家は出ないほうが賢明だ。

ニューヨークで行われるパレードやイベント、お祭りなどは全部セントラルパーク内で行えばいいと思うのは私だけだろうか。そうしたら渋滞も無くなるし、関係ない人には被害が及ばないのに。

愚痴は尽きない

言い始めればきりがない愚痴と文句だがツッコミどころが多いので面白い時もある。共通して言えるのはアメリカ人は単細胞で知能が低い人が圧倒的に多く(もちろん全員ではない、賢い人も当然いる。でもきっとそういう人達はこういうイベントには参加していないと思う)、そういう人達と関わると無駄にストレスになるので関わりたくないということ。だから上に書いた日には外出はしないようにしている。

最大の懸念

私の最近の懸念は日本もアメリカのようになってしまうのではないかということ。そう。悪い意味で。近い将来、物事を深く考えられない浅はかな人々、自分以外のことには興味がなく、思いやりに欠けた人々が日本の街に溢れかえってしまうのではないだろうか。

近年渋谷で行われているハローウィンイベントの映像を見るたびに鳥肌が立ち虫唾が走るのは、この映像が今私がアメリカで見ている散々な状況にそっくりだからだ。

一体何人の人達がハローウィンの意味を分かって参加しているんだろうか。訳もわからず深く考えないで参加している人も多いだろう。

お願いだから日本だけにはそんなふうにならないでほしい。私達のご先祖様が作り上げてくれた「日本クオリティ」に甘んじることなくそれを日々継続して、かつ後世に伝えていかなければ日本人の良さは失われてしまうのではないだろうか。








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