サブスク事情とトラジャの世界進出のあれこれ

大好きなTravis Japanは全世界配信デビューが決まりました。

これはジャニーズとしての異例。
時代に追いつく形となるが、私自身はなんとなくの知識しか持っていないので、色々見てきたものと頭の中のカオス知識を整理したくてnoteで書いてみた。参考になれるかどうかは分かりません!

世界のストリーミング事情


ストリーミング配信アプリの戦国時代に突入
状況は随時変わる様子

音楽配信サービスの大手アプリ

・圧倒的王者はSpotify、利用者数1.6億、31%超の割合を占めてる
・次はAPPLE Musicは15%(8000万)、AMAZON MusicとTencent Musicは13%
・2位を争うサービスの利用者数はどれもSpotifyの半分以下
Youtube Musicはまだ8%だけど、音楽配信が始まってまだ3年ちょっと、去年の利用者数成長率は50%のブラックホース

国事情に左右される影響力

アメリカはSpotifyとAPPLEで僅差の二強、18年~21年の4年間はAPPLEがやや勝ち、22年でSpotifyが1位を逆転奪還
日本はAMAZON>APPLE>Spotify、AMAZONは今のところ圧勝
Tencentは中国の配信サービス、利用者もほぼ中国人
・インドは中国のように国産アプリが最大手だが、人口(13億)が多すぎるうえにネットの制限もないので、Youtube Musicの国内利用率がTOP3にも入らないのに、総合アーティストランキングの半分がインド人アーティスト

・音楽市場売上の1位と2位を誇る日米を取ってるAPPLE Musicは収益で勝ってる。しかし利用者の3分の1強が日米にいるので、グローバルの影響力はSpotifyに及ばない
・↑日米に強い理由は日米はiPhoneの所持率が世界一高いと言われる
・Amazon Musicの成長はコロナ禍で年間25%↑の好調を見せたが、各地域で最大手になることは少ない
・しかし日本はAmazonが物流&通販の大手なので、ストリーミング配信サービスにおいて動画も音楽もAmazonが1位
・ちなみに動画サブスクでは、世界はディスニープラス>ネットフリックス>アマゾン。ネトフリはアマゾンより利用者数が約5千万ほど多いけど、日本ではアマゾンはネトフリの倍(1200万対600万)

・日本で4位のLINE Musicは日本とタイしか利用できない
・日本で7位のKKBOXは台湾、香港、シンガポール、マレーシアに強い(今は日本KDDIグループが7割以上の株持ち)
・↑この2社は広域サービスではないが、J-popの既存ファンが集中する場所ではある
・ヨーロッパにも日本の音楽会社と業務提携してJ popを強化するアプリがあるらしいけど、私の勉強不足で詳細は分からない

邦楽の海外配信事情

・コロナ禍をきっかけに配信解禁のアーティストが多い
・2年前まではサブスクどころかMVすらYouTubeに載せない、もしくは閲覧は国内限定にするアーティストが多い(ジャニーズだけの話じゃない)
・サブスク解禁のムーブメントが早まるが、まだ日本国内限定の楽曲とアプリが多い。邦楽は配信が決まっても日本以外の国にも解禁するわけじゃない

・邦楽の所持数:AWA>APPLE>AMAZON>KKBOX>>>Spotify
・邦楽の海外解禁数:KKBOX>APPLE>AMAZON>>>Spotify
・AWAの楽曲数は約1億曲以上で最も多いが、国内限定のサービスなので海外の利用は不可(そのため、知名度ほぼゼロ)
・会員数約1000万のKKBOXは10年前からJ popとK popの配信サービスを充実してきたとのことで、コアのJ popファンをたくさん飼ってて、所持の邦楽数もSpotifyより多いと言われる

最近の海外邦楽事情

・もはやAdoのコンサートと言われる最新のワンピース劇場版の公開によってAdoの新時代(逆光、私は最強も)は次々と世界各国のヒットソングにランクイン。映画公開の時間は国によってだいぶ違うので、残念ながらランキングの順位は総合的な結果になれない
・アジアを中心とする地域、YOASOBI無双状態が続いてる
・藤井風の「死ぬのがいいわ」はヨーロッパを中心に大バズり、世界中の洋楽ファンに見つかり、Spotifyのグローバル急上昇ランキング10位入り、再生回数6000万回突破、まだまだ上昇中
・ネトフリの次期ティザー解禁によって宇多田ヒカルの「First Love」が22年ぶりにJ popランキング入り
・アニメの主題歌は見つかりやすいので、「チェーンソーマン」の豪華主題歌陣はバズり予備軍として注目を集めている
・海外にも認知される若手日本アーティスト(Yama、ずっと真夜中でいいのに。…など)多くはSpotify、TikTok、Youtubeから見つかる
・再燃したCity Popの楽曲とCity Popのサウンドをマネする新作はまだ強い存在感を見せてる
・ジャニーズタレントは欧米では無名と言われるけど、アジアでは依然としてドラマ主演勢の力が強い。ただし音楽の受信源はYouTubeがメインに。CDは売れません(言い切る)応援目的でCDを買うなら日本のランキングに加算されるように代購業者を頼むことが多い。

CDと日本音楽市場の現状

音楽業界においてCDの現状

2015年からデジタルの売上がアナログを超えた
赤はアナログ(フィジカル):CD、レコード、カセットテープなど
紺はストリーミング配信
碧はダウンロード&他デジタル方式
ピンクは演奏の著作権使用料

IFPI(国際レコード産業連盟)1999年から毎年恒例の年間報告書から引用したグラフ

2020年からフィジカルの中でもCDよりレコードのほうが売れる
「聞くのは配信で、セレクション用はレコード」が主流に

レコード→カセット→CD(8㎝から12㎝)→レコード

アメリカの状況だけど、(日本を除く)世界各国も大体こんな感じ。

それを踏まえて、ジャニーズのデビューの形を振り返ってみる

1985年少年隊 レコードデビュー(8㎝CD同時発売)
1987年光GENJI レコードデビュー(8㎝CD、カセット同時発売)
1988年男闘呼組 レコードデビュー(カセット同時発売、8㎝CD再発売)
1990年忍者 CDとカセットテープデビュー(CDは8㎝CD)
1991年SMAP CDデビュー(CDは8㎝CD、カセットテープ同時発売)
1994年TOKIO CDデビュー(CDは8㎝CD)
1995年V6 CDデビュー(CDは8㎝CD)
1997年KinKi Kids CDデビュー(CDは8㎝、2007年12㎝として再発売)
1999年嵐 CDデビュー(CDは8㎝、19年配信解禁)
2002年タッキー&翼 CDデビュー(12㎝CD、ミニアルバム)
(~今に至る)

90年代前後はカオスで激動の時代。主流となる音源規格でデビューするジャニーズグループの歩みは現代音楽シーンの進化を語ってる。CDの時代が長かったね…

総評【ジャニーズの歴史が長い】

日本の現状と世界的にCDの立ち位置


・世界的にストリーミング配信が主流
・その中でも日本を除くアジアと南米は最もストリーミング依存度の高い地域となってる(南米は別グラフ)
・日本は独自の市場となっている

IFPI(国際レコード産業連盟)の年間報告書 ※赤「フィジカル」はレコードも含まれている


しかし、果たして「ガラパゴス化」なのか。それは少し違うと思う。

 2021年の日本音楽市場の総収益は約1154億円。アメリカの次にある世界2番目に大きい音楽市場だと認識される
 年間アーティスト別売上ランキングを見ると、TOP10の中にCDしか出さないジャニーズが6組。また、年間シングルランキングTOP50の中にジャニーズ・48グループ・坂道グループ・日韓アイドルグループを除くと、残るのは米津玄師と星野源の2枚だけ。CDの売上が音楽産業収入の58.4%というのに、内訳が「応援目的で売れるCD」が殆どの現象が起きているとみられる

 危なっかしい状態に見えるけど、観点を変えてみれば、収益配分が不健全と言われるデジタル時代の中で、これらのCD売上は実質的に日本の音楽業界を支えてるとも言えるのだろう。これは企業責任が大きいジャニーズさんが売れ行きが最も良い若手デビュー組たちのサブスク解禁を遅らせてる理由ではないかと考えてる
 韓国は一回配信メインに移行して、ファンダムの過熱でCD売上も咲き返ったという背景があると思うので、比較して語ってはいけない。売上げの雪崩を起きさせないために、消費者意識を段階を踏んで構築する必要があるため、デビュー当時「デジタルに放つ」という路線を掲げたSixTONESや同時デビューのSnowmanは「アナログとデジタルの両方で数字を作らなくては」の環境を作り上げ、三年後のTravis Japanは配信メインに進み、更に全面的ストリーミング解禁という土台作りは最初から構想されてるのではないかと(ここまで全部憶測)

 音楽売り上げの話に戻る

 その一方、コロナ禍後、ストリーミング配信で大成功を収めたJ popアーティスト、例えばYOASOBIの「怪物」はYouTube再生回数2億3千万回超えたが、シングルの売り上げは10万枚未満(年間TOP100には入っている)。そして、一昨年と昨年を代表するLisaの「炎」のCD売上は約30万枚。人口が日本の3倍のアメリカは2000年前後なら、人気アーティストの初週初動だけで100万200万行けたのに、今やジャスティン・ビーバーも120万が限界。こう見ると、意外とアイドル以外のCD売上衰弱具合は世界基準の割合と比率してる。ジャニーズも長い目で見ると手を打つタイミングは早い方がいいということだろう


配信デビューに向けて


最後に、「世界進出」についてもう少しだけ言いたいことを書かせてね

世界は世界、アメリカはアメリカ

 経済・文化の力が小さければ小さいほど、海外のコンテンツが日常にあふれる。エンターテインメント産業を作れない国は強い国のコンテンツだけ見て日々を過ごす。逆に、世界一を誇るアメリカは自国のコンテンツだけで満足できる立場であって、海外コンテンツには基本関心が薄い(でも海外から来るアメリカンドリームを追いかけたい人には好意的)

 それを言ってしまったら日本で楽しめるエンターテインメントも、ここ5年くらい韓流が入るまでは、99%日本とアメリカのコンテンツだけで完結する。まったく無意識であるが、世界のエンターテインメントには力関係が存在するとみられる

 だから、日米の感性やアメリカ人の反響を世界進出の指標とするのは非常に危ないと感じる。アメリカ人はジャニーズが知らない、でも日本人はマイケル・ジャクソンを知ってる。

 他国のことにあまり関心を持たないアメリカでの進出が難しいぶん、きっとやりがいはある。同時にアメリカの意見=海外の総意は決してない。例えば、先ほど羅列した最新の海外邦楽事情もほぼアメリカの話ではない(あってもサブカル界隈に限る)そして、アメリカ人はそうかもしれないけど、未だに最も有名な日本人アーティストが坂本九という話にもいつも困惑してる

 最難関であるアメリカの進出、自国の日本の展開、アメリカ以外の国々の進出は別々の視点で扱ってほしい

 アメリカはあくまでアメリカ。配信もビルボもアメリカ独自の対策が必要、他の国とは基準が違う。数字と影響力の大きさで海外に響く効果も期待されるのだろうが、色んなことをローカライズする際、「海外が~」じゃなくて「アメリカが~」という認識があったほうが全体的にややこしくならないと思う

 デビュー曲の数字も、日米ではビルボードチャットの成績が重要視されるが、全世界規模からするとSpotifyの順位がかなり大事だと思う。国によって配信アプリの影響力が変わるので共通の大手であるSpotifyを基準とするケースが多いからだ。MVだとYouTubeが基準っていうのも同じだと思う

世界の括りは「文化圏」

「世界」を分類するのは言語ではなく、「文化圏」ではないかと

海外に無関心だが最近国内でアジア系の風が吹くアメリカ
ジャニーズをジャニーズとして楽しむ東アジアと東南アジア
同じ漢字圏である中華圏
異国文化や日本アニメ、ボーイズグループを好むヨーロッパ
ダンス曲とダンスグループの受けがいい南アメリカ

海外は英語だよね~海外はジャニーズを知らないよね~のスタンスで行くと、無駄な道を歩くのではないかという不安はすごくある。ジャニーズ事務所の公式Twitterの中の人にも割とそんな気配を感じるので、やはり吐かせてください…

・アメリカはアメリカで(n回目)TravisJapanは英語を頑張ってください!

・少年隊くらいからジャニーズの全盛期を踏んできたアジア(南アジアを除く)は日本同様にジャニーズを大手アイドルブランドとして見てる。近年はデジタル解禁が遅れたせいで、ファンの流失が凄いけど、アジア「進出」ではなく、「取り戻す」の感覚が正しいのだろう。日本のコンテンツを当たり前に見てる層なので、「日本での展開」はアジアでの認知度に繋がる。「アジア進出」なんてアメリカと同じやり方と考えると火傷しやすい。

・中華圏は「中国、香港、マカオ、台湾、シンガポール、マレーシア、ブルネイ、北米の中華系移民」などのコミュニティのこと。言語や情報源となるメディアや流行りが共通することが大きい。中国のあれこれはさておき、日本と同じ漢字圏だけあって、当然メンバーの名前も漢字で認識する。「七五三掛龍也」の厳つさと顔の可愛さのギャップで名前落ちした知り合いがいるくらい、名前ネタは漢字に対する感覚が同じの中華圏では強いし、中華圏へのアプローチやテキストは英語だけだと勿体ないことになる

・同じ英語を使用する欧米圏でも、多様な文化を持つヨーロッパはアメリカと違って、異国のポップカルチャーに寛容的で好意的である。アイドルの概念にもより理解がある。それにボーイズグループが育たないと言われるアメリカでは、若い子をイギリスやドイツに進出させて、好成績を得てからアメリカでメジャーデビューした成功例は何回もある。バックストリートボーイズもイン・シンクもワン・ダイレクションもそうだった。つまり、音楽作品で知名度ができたら、全米ツアーよりヨーロッパツアーのほうがハードルが低い、というのは意外と欧米圏の共通認識。ちなみに、虎Tube初期の英語字幕もイギリス英語が多かった

・南米に限らず、ラテン系のコミュニティはダンス曲への関心度が高い。ダンスを強調するKpopコンテンツはラテン系に強い。スペイン語は英語と中国語を抑えて世界一使われている言語、Netflixはラテン系の視聴者を確保するため、スペインのスタジオに巨額投資してドラマを量産してる。
そういえば、LAはメキシコと密接して、ラテン系人口も多いし、個人的にその理由でパリヤはスペイン語の掛け声があると思った。トラジャのコンテンツ自体をローカライズする必要はないと思うけど、単独YouTubeチャンネルのダンスプラクティス動画には、スペイン語のタグを裏に埋め込んでほしい(注文が細かい)

世界進出への期待


 配信を含むデジタルの展開は大きく占めるのだろうが、ジャニーズ事務所もタレント本人たちもジャニーズが好きなファンも、「生で会う・感じる」というアナログ感覚を大切にしたい部分があると思う
 これは捨てられないし、捨ててはいけないけど、体は一つしかなくて「拠点問題」もあったり。もし無事に売れて、全部の時間を世界ツアーに費やしても、必然的に開催地以外の99%のファンは常に「会えない状態」に陥る。ファン想いなのに逆効果になりかねない…
 という杞憂を踏まえて、「劇場ライブビューイング」の世界展開を期待したい。これはK popの真似ではなく、日本の2.5次元では海外ライビュが基本となりつつあって、宝塚も各組の大事な千秋楽は海外ライビュを実施するようになっていて、好きな宝塚俳優の大事な瞬間や成長を海外のファンに立ち会わせる
 Jno(ジャニーズネットオンライン)の生配信サービスももちろん大事だけど、劇場のハイクオリティの音響と映像、そしてオシャレして友達と出かけて共に時間を過ごすという現場と似たような体験は、ライブビューイングならできる
 これはジャニーズ事務所でぜひ展開してほしい事業で、ぜひTravisJapanにやらせてほしい。今でライビュを実施するなら、国内展開を除いても10ヵ国50スクリーンの規模は問題ないと思うし、更にアメリカなど未開拓地も切り込めば、「次の50年も安心して楽しめる」になりそう。私はそんな未来を期待したい。


かなり前のめりで好き勝手語らせてもらった(自覚あり)

開拓者のミッションを与えられるデビューの形。

ドラマや映画の主演出演、先輩との共演、年末の音楽番組、カウコンのうさ耳、ジャニーズシャッフルメドレー、デビューコンサートなど、元々持ってる夢は変わらない。叶えやすくなるような動きも楽しみにしてる。

その上、想像できない未来への期待も膨らんでいる
真っ白の状態でコンサートに入るみたいにワクワクドキドキ

大胆で試験的な展開に時に不安や焦りもあるけど、それは本人たちのほうがもっと肌で感じるものだと思うし、その未知との闘いでの楽しさも悔しさも、今後とも変わらず共有してくれたら嬉しいな

ファンが出来ることとか、まだ何もかも分からないけれど、
これから来る感動と衝撃を浴びる準備はできている

Good Luck!Travis Japan!


※ここまで読んでくださってありがとうございます!
トラジャ担ではない方、是非チャンネル登録よろしくお願いします🐯


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