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オリジナル曲「Aether Factor」について


構想・歌詞

前作を作ってからアイディアのストックが切れたので何も作るものが思いつかなかったのですが、何となくTranceをもう一度作ってみたいなーと思ったので、改めてTranceの作り方を学んだり色々なTrance楽曲を聴いたりしていました。

その中で、少し前にリリースされたcrayvxnさんの1stアルバム「Ether Drive」が凄くカッコ良かったので、曲名にエーテルと入る曲を作ろうと思いました。

そういえば以前ファンタシースターオンライン2(PSO2)をプレイしていた際、武器に付ける特殊能力にエーテル・ファクターというのがあって響きがカッコ良いなと思った覚えがあったので、曲名はこれで行くことにしました。

一口にエーテルと言っても物理学から化学や哲学やスピリチュアルまで様々ありますが、PSO2では情報を伝達する性質を持つ粒子として登場しており、物理学ではかつて光を伝達する物質として考えられていたということと合わせて、「遠く離れた宇宙の遥か彼方へのメッセージ」というのをテーマにした歌詞にしようと考えました。

編曲について、Tranceにハマったのはミクトランスもきっかけの一つなのですが、そもそもクラブミュージックにハマったのはDJMAXシリーズをプレイしたことがきっかけでした。

その中でもM2Uさん(この曲ではReX名義)の「Airwave」があまりにも美しくカッコ良くて衝撃を受けたことがTranceにどハマリしたきっかけだったので、これをリファレンス曲にすることにしました。
(ちなみに下記の動画はShort ver.で、原曲は5分くらいあるので音ゲー曲としてはクソ長いです)


コード進行

キーはGメジャーでBPMは142です。
最近ずっとGメジャーで作っていて、もうこのキーでしか作れなくなっているのでは?と思い始めています。

コード進行はリファレンス曲のものをほぼそのまま流用しています。

イントロとアウトロは VIm - IV の繰り返し、ヴァースは VIm - IV の繰り返しから
VIm7 - V7 - Isus4 - I - IIm7 - VIm7 - IVM7 - V7 です。

ブレイク~ビルドアップは IV - V - VIm - IIIm の繰り返しからヴァースの後半部分と同じものです。

ドロップは
VIm - Vsus4 - IV - I - IIm7 - I - IV - Vsus4
VIm7 - Vsus4 - IVM7 - I - IIm7 - I - IVM7 - Vsus4
の繰り返しです。

特にヴァースの VIm7 - V7 - Isus4 - I の進行は非常に恍惚感を覚えるので好きです。

音源・プラグイン

ボーカルは初音ミクDarkです。
以前からイントロのイメージだけは浮かんでいたので、Tranceにはピッタリな声だと思います。

エフェクトは~200Hzでローカットした上でNectar4を入れ、
CLA-2Aで3dBリダクション、
WAVESのPuigTec EQP-1Aを挿すだけにして(挿すだけで音量が上がるのでGAINのみ-1.1)、
Saturation Knobを0.6、
RX10 De-essでディエッサー、
Vocal DoublerをSeparation60%、Variation50%、Amount40%、
モノラルディレイを189ms・フィードバック25・ハイパス200ローパス3k・WET6%でインサート、
Valhalla VintageVerbの「CathedralLargeHall」でMIX40%(イントロ・アウトロは70%)、EQ LowCutを200Hz、HighCutを8000Hz
最後にVocal Riderで均しています。

ディレイやリバーブについて、マシンパワーのあるPCを使っていてセンドで入れる意味が薄い上にインサートで入れる方が効きが強いので、今後は基本インサートで使いたいと思います。

Pluckは、
①サンプルパックの「Dave Parkinson Trance Essentials Volume 2」(以下「DPTE2」)に付属しているSpireのプリセットの「66.DPTE2 Pluck - 011」で、
②Spireのファクトリープリセットの「LD Exhale AS」でcut1を少し開いてディレイを切ったものをドロップでのみレイヤーしています。

リフの打ち込みパターンは以下の動画を参考にしました。

プラグインについて、
①はOTTをDEPTH50%、TIME500%、
~240Hzでローカットと14kHz~でハイカット、4kHz~を-1dBローシェルフ、ボーカルと被る400Hzと560HzをダイナミックEQで-2dB、
Sonnox Oxford InflatorでINPUTを1.6dB上げてEFFECT100%、CURVE21、OUTPUT-3dB、
Waves Renaissance CompressorでAttack最速、レシオ2:1にして3dBリダクション、
WAVES Centerでヴァース後半とドロップでのみMidを-0.5dBしています。

②はステレオ感と高音のシャリシャリ感の追加のためのものなので、
~650Hzローカット、13kHz~ハイカット、7kHz~を1dBハイシェルフ、ボーカルと被る650Hzと900HzをダイナミックEQで-2dBにしています。

また、①と②をまとめたBUSトラックを作成し、
~240Hzローカット、ボーカルと被る440Hz、930Hz、4kHzをダイナミックEQで-2dBにしています。
Pluck(というかSuperSaw)はボーカルとハイハットにめっちゃ被るので、とにかく被る周波数を削るのが大事だと感じました。

シンセパッドについては、
①左右にうねうねしているのはSpireの「PD Munich」、
②空気感を出すためのものでSpireの有料プリセット「Nhato Spire Essentials」の「106.PD CINEMA」
をレイヤーしています。

プラグインについて、
①はWIDERで100%に広げ、
~220Hzローカット(イントロ・アウトロは無効化)、~400Hzを-2dBローシェルフ、4kHz~を+1dBハイシェルフ、1.9kHzを広めに+1dB、ボーカルと被る340Hzを540HzをダイナミックEQで-2dB、
Valhalla VintageVerbの「Bright Hall」をMIX17%、
PanCake 2の「Left to Right」でパンを左右に動かしています。
また、ヴァース後半とドロップはSpireのアタックを少し速くしています。

②は①はWIDERで100%に広げ、
~170Hzローカット(イントロ・アウトロは無効化)、ボーカルと被る340Hzを540HzをダイナミックEQで-2dB、
WAVES CenterでMid-0.2dB、Side+0.1dB、
Kickstart2でキックをトリガーにサイドチェインを入れています。
また、ビルドアップではイメージャーで段々狭くなるようにオートメーションをかけています。

ベースについては、
①Spireの有料プリセット「Nhato Spire Essentials」の「26.BS EPIC」、
②サブベースとして同プリセットの「20.BS CLEAR SUB」
をレイヤーしています。

プラグインについて、
①は~95Hzローカット、12kHz~ハイカット、120Hzを+1dB、370Hzを-1dB、
Kickstart2でキックをトリガーにサイドチェインを入れています。

②は~10Hz(効き始めが~20Hzくらいになる位置)を浅くローカット、190Hz~をハイカット、
Kickstart2でキックをトリガーにサイドチェインを入れています。

低音の処理について、20Hz以下を削るかどうかについてかなり諸説あるので、今までずっと迷いつつもそのままにしていたのですが、今回の曲調で重心はあまり下げなくても良いと思うので低音はそんなにいらないのと、削る方がミックスがしやすいのではと考えて浅く削ることにしました。
結果的に全体的にクリアな音になったので正解だったと思います。

キックはVengeance Essential Clubsounds Vol.4(以下「VEC4」)の「Trance Kicks 11」です。
プラグインは~10Hz(効き始めが~20Hzくらいになる位置)を浅くローカット、18kHz~ハイカット、120Hzを-2dBで抜けを良くし、5.3kHzくらいを広く+1dBしてアタック感を強め、
Ozone 11 Imagerで~90Hzを-100にして低音のみモノラルにしています。

キックの低音についても、音源を低音多めのものにした上で~20Hzを浅く削るという判断をしました。

クラップはVEC4のClaps 005です。
プラグインについて、~270Hzローカット、6kHz~を+1dBハイシェルフ、ボーカルと被る390HzをダイナミックEQで-1dB、
CLA-2Aで3dBリダクション、
Valhalla VintageVerbの「Drum Plate」をMIX60%にしています。

ビルドアップのスネアはVEC4のSnares 002です。
プラグインについては~80Hzローカットのみです。

ハイハットはDPTE2のHat Loop 006のループ素材です。
プラグインについては~200Hzローカットのみです。

クラッシュシンバルはVEC4のCrash 10です。
プラグインについては~500Hzローカットのみです。

また、ドラムをまとめたBUSトラックを作成し、Waves SSL G-Master Buss Compressorでレシオ2:1、アタック10、リリース.1でリダクション1dBになるようかけています。

ブレイクのピアノはNexus4の「Amberpiano」でディレイとリバーブを切っています。
プラグインはSaturation Knobを0.4、
キンキンする3kHzをダイナミックEQで-2dB、
Valhalla VintageVerbの「Concert Wave」をMIX35%、
4分ディレイをフィードバック60、MIX35%にしています。

イントロ、ヴァース、ドロップの初めにコーンと鳴っているのはSYNTHMASTER ONEの「BEL Aethera Bell KApro」です。
プラグインはSaturation Knobを0.7、
~80Hzローカット、700Hz、890Hzをそれぞれ狭く2dBブーストしています。

イントロでドーンと鳴っているのは、
①Studio One付属のサンプラーのImpact XTのプリセットの「Trance ID」にある「Deep Hit」、
②VEC4のFX Kicks 09
のレイヤーです。
プラグインは入れていません。

曲の始まりにフォーンと鳴っているのはVEC4のMisc Short FX 26です。
プラグインは、Valhalla VintageVerbの「300 Large Hall」をMIX49%、
4分ディレイをフィードバック45、MIX50%にしています。

イントロ終わりとドロップ直前のフィルはNhato Sample Packの「Loop_Fill_128_14」です。
プラグインはValhalla VintageVerbの「Aerial Hall」をMIX40%にしています。

ヴァースの初めの方とアウトロの終わりの方のフィルはDPTE2の「DPTE2 Drum Fill - 006 - 140 BPM」です。
プラグインは、Valhalla VintageVerbの「A Plate」をMIX27%、
アウトロの方の終わり際のみ4分ディレイをフィードバック40、MIX60%にしています。

ブレイク初めのシューーーンはVEC4のSweeps Down 18で、プラグインは入れていません。

ビルドアップのシューンはNhato Sample PackのOneshots_SweepUp_04です。
プラグインは、イメージャーで段々モノラルになるようオートメーションを入れています。

リバースシンバルはVEC4のReverse Cym 15で、プラグインは~350Hzをローカットしています。

アウトロ終わり際のシュイーンはDPTE2の「DPTE2 Up Sweep - 090 - 140 BPM」です。
プラグインは、4分ディレイをフィードバック22、MIX50%、
Valhalla VintageVerbの「Ambience Plate」をMIX20%にしています。

各種オートメーションについて、ブレイクではPluckとシンセパッドにローパスフィルターをかけて段々開くようにしています。
ビルドアップではキックとスネアのピッチを上げていき、全体にハイパスフィルターをかけて1kHzくらいまで上げてからグッと下ろしています。

フィルターのプラグインはMinimal Audioの「Rift Filter Lite」を使っています。
通常は29$ですが無償配布していた時期があったのでその時に入手しました(今後もあるかは分かりませんが)。

マスタリングについては、
Shadow Hills Mastering Compressor Class AでOPTICAL、DISCRETE(レシオ2:1、アタック30、リリース.25)ともに最大0.5dBくらいになるよう薄くかけ、
WAVESのPuigTec EQP-1Aを挿してGAINのみ-1.1、
リファレンス曲をターゲットにしてOzone11のマスターアシスタントを入れています。

マキシマイザーはリダクションがかかるかどうかくらいの-10LUFSにしています。
本当はもっと音圧を上げられそうなのですが、上げ過ぎると空間の広がり感が潰れてしまうのでこのくらいに留めています。

動画化

何か宇宙っぽい感じになるようなプロンプトを入れて丸投げしましたが、重力レンズっぽい雰囲気のものが出来たのでそれを採用しました。
指が破綻していないのもポイント高いです。

モデルはAnything V5で、プロンプトは以下のとおりです。

プロンプト
(masterpiece, best quality1.2), hatsune miku, (in the universe:1.2), reach out hands, a face in sad, kind smile, galaxy, (wide shot), backlighting, highres

ネガティブプロンプト
(negative_hand-neg), (worst quality), (low quality), (multiple arms:1.2), (multiple legs), bad anatomy, watermark, username, artist name, bushy eyebrows

最後に

今回はとにかくリファレンス曲に徹底的に似せることを意識して作ったのですが、その結果今まででだいぶ完成度の高い曲に仕上げることが出来たと思います。

Tranceは構成のお約束がきっちりしているジャンルなため、ループ素材やパターンを入れていくだけで形になっていくので作っていて楽しいです。

ただ今回は割と正統派(Youtubeのコメントでは量産型呼ばわりされましたが…)なTranceだったので、次に作る時はもう少し変化をつけたいと思いました。

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