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オリジナル曲「White Resolution」について


構想・歌詞

当初は何となく冬っぽい曲を作りたいなーと思って作り始めましたが、何故か冬っぽさとかリファレンスとかガン無視で手癖と勢いである程度のところまで一気に形にしてしまったので、どうやって冬っぽさを出すかとリファレンス曲をどうするかを悩みました。

とりあえずリファレンス曲はロックマンX DiVE オフラインのテーマ曲の「Recognize」にしました。

初めてこれを聴いた時、あまりのカッコ良さに衝撃を受けて、こういう曲を作りたい!とずっと思っていました。
特にスパソの音や鳴らし方がカッコイイのとコード進行があまりにも自分好み過ぎるので、その辺りを中心に曲の構成やミックスを含めて真似してみました。

また、今回作るにあたって以下の3つの縛りを設けました。

  • 転調しない

  • ギターを使わない

  • 冬や寒さを表すための歌詞に「寒い」等の直接的な表現を使わない

転調については、最近いつもラストのサビで転調しているのが逆にワンパターンでは?と思ったので、転調無しで盛り上げられるようなサビ作りを頑張りました。

ギターについては縛りというか、直近2曲で散々悩まされたのでしばらくはもう使いたくないというだけです。
また、ギター無しで帯域を埋められるようなアレンジにする、という練習にもなりました。

歌詞については、当初編曲があまり冬っぽくなかったので歌詞で表現しなきゃならん!ということで頑張りましたが、1番Bメロの「冷たくなった指先」はアウトでは?そもそも冬っぽさが感じられるのがほぼAメロだけでは?とか思いますがまあいいか!!よろしくなあ!

曲名について、TWO-MIXの「WHITE REFLECTION」が好きなので「White 〇〇tion」って感じのにしたいなーと考えましたが、そういえばガンダムXの主題歌にROMANTIC MODEの「Resolution」があるからガンダム繋がりでくっつけてしまうか!ということで決めました。

「Resolution」というからには決意を示すような歌詞にしないとなーと思い、とりあえず一番最後の「もう振り返りはしないから 今 White Resolution」を決めてしまって、そこに繋がるように考えました。

また、ここ最近の曲は次回ゼロカラコンピのテーマ「ラブソング」についてずっと意識しながら作っていたからか、1番サビの歌詞が一気に浮かんだので、ド直球のラブソングにする方向にしました。

自分は恋愛経験が全く無いので、ラブソングなんか作れる訳ねーだろとずっと思っていましたが、物語として捉えて作ってみると意外と作れるもんだなと今回感じました。

経験が無い以上生々しさを出すようなものは書けませんが、その分想像力を働かせられるのでファンタジーな恋愛を描きやすいのかな、と思いました。
エロ漫画は童貞な方が描けるというのと同じような感じですかね。

ラストのサビの「私にとってはあなたしかいないのに あなたはそうじゃないのね」については、自分にとってはこの人しか仲の良い人がいないのに、その人にとっては数多くいる仲の良い人のうちの一人でしかない、というぼっちにありがちな経験を描きました。
オタクに優しいギャルは単に誰に対しても優しいだけ、というのに近いですね。

自分はハッピーエンドとバッドエンドやビターエンドのどれが好きか、というのは今までそんなに意識していませんでしたが、今回の曲でも「Blue Destiny」でもビターエンドを描いたので、恋愛モノについては結構ビターエンド好きなのかなと最近思い始めています。

そのルーツを考えてみましたが、小学生の頃に図書館にO・ヘンリー短編集の漫画があり、その中の「魔女のパン」を読んだのがきっかけかなと思います。

子どもなのでハッピーエンドの物語しか知らなかったところにこのほろ苦くて皮肉な悲恋の物語に触れて、「あ、こういう結末があって良いんだ」と衝撃を受けたことを覚えています。

そう考えると、勝手に惚れて盛り上がって勝手に振られて、という流れは今回の曲にも繋がっているのかなと思います。

ゼロカラコンピには出来ればこの曲を出したかったところですが、残念ながらもう既に応募完了してしまったので、次回からはもう少しギリギリまで粘ってから応募しようと思いました。
一応「ラブソングなんて作れる訳無いから、ラブソングと解釈出来る曲が出来次第提出しよう」と焦っていたのもあります。

コード進行

キーはGメジャーで、BPMがイントロで138から148に変化しています。
音ゲーマーとしては曲の開幕でのソフランというのはやってみたいなとずっと思っていたので、今回サビ始まりなので取り入れてみました。

イントロは6-3-4-5-1Sus4-1-4-5-3-6-4-5-6Sus4-6です。
BPM変化後のベルで鳴っているメロディについては、メロディのストックがだいたいこの進行に合うものばかり貯まっているので、その中から2つ組み合わせてストックを消費したものです。

63451進行については小室進行の亜種として捉えていましたが、改めて調べてみると6451進行とはまた別の扱いで記載しているところも結構あるようです。
純正の小室進行はだいたい6451を繰り返すものになっているので、そのうちそっちも作ってみたいです。

Aメロは6-3-6-5-6-3-4-5-6とだいたいいつも使っているのと同じ進行です。

Bメロは毎回王道進行の繰り返しなので、今回は少し変化をつけました。
前半は4-5-3-6-4(C)-3(B)-6(Em)-1(G)、後半は4-5-3(Bm7)-6からのD#-Cm7-DSus4-D-B7と後半でGメジャーの同主調のGマイナーに部分転調しています。
以前耳コピした曲でこの進行があってカッコイイと感じたので、そのまま流用しています。

サビは前半6-3-4-5-1Sus4-1-4-5-3-6-4-4#sim-5Sus4-5、後半6-3(Bm7)-4(CM7)-5(D7)-1Sus4-1#dim(G#dim)-2(Am7)-5-5#dim-6-4-5-6Sus4-6とだいたいいつもどおりの進行です。
「ガーベラ」でも使いましたが634511#dimの流れがとにかく好きです。

2番サビ後の間奏は6545の繰り返しからの2345で5を引っ張ってからの3(B7)です。

音源・プラグイン

ボーカルは初音ミクOriginalにDarkを15くらいクロスシンセシスしています。
本当はDarkのみで使いたかったのですが音域が合わず、Originalのみだと今度は明る過ぎるのでちょい混ぜという感じにしました。

ちなみに調声の基礎的な部分については以下の動画を参考にしています。

エフェクトについては、~200くらいでローカットしてからNectar4を入れ、CLA-2Aで2~3dBリダクション、WAVESのPuigTec EQP-1Aで8kをブースト、Vitaminの「Vocal Presence」のプリセット、Saturation Knobを1.4、RX10 De-essでディエッサー、低音のこもる280kHzにダイナミックEQ、倍音を足してシャリシャリになった分12k~を-0.5dBハイシェルフ、Vocal DoublerをAmount40%くらい、最後にVocal Riderで均しています。

今回新しく使ったプラグインはNectar4とPuigTec EQP-1Aです。
前者は3と明確に聴き比べた訳ではないので、具体的にどこが変わったかはあまり分かりませんが、新機能のAuto-Levelで音量をある程度均一にしてくれるのが便利だと感じました。
後者はイイ感じに音に温かみを足してくれるので、通常のEQでブーストするより自然に処理出来て良いと思います。

空間系は30msフィードバック1回のショートディレイと、Valhalla VintageVerbの「Vocal Plate」でDECAY1.00s、PREDERAY50msに調整したものをセンドに入れて、それぞれ~300と5k~をEQでカットしています。

ハモリは3度下ハモです。
エフェクトはWAVES Doubler 2の「Basic Doubler」を原音抜きで入れて、ローカットとNectar4はメインと同じ、400Hzと1.3kHzあたりを-1dBに削って5000~を-1dBローシェルフ・13k~をハイカットして音の芯を削り、Renaissance Axxでアタック0.00にしてリダクション6dBくらい潰し、リバーブはValhalla VintageVerbの「Vocal Plate」をセンドで薄めにかけています。

前回からの変更点として、ダイナミクスを潰すためのコンプをRenaissance Axxに変えてみましたが、自然に潰してくれて操作もシンプルで分かりやすいので良いプラグインだと改めて思いました。

サビのSuper Sawは、Spireの有料プリセット「Nhato Spire Essentials」の「101.LD SUPERSAW ANJUNA」です。

最近Spireのファクトリープリセットが使いづらいと感じ始めたので有料のプリセットを調べてみたらコレが見つかり、Nhatoさんの音が前から凄く好きだったので購入しました。

プリセット一つでこんなに音が違うのか!と衝撃を受けて、今までプラグインこねくり回して音作り(笑)していたのが児戯に等しいということを思い知りました。
音を良くする一番の方法は最初から良い音を使うこと、ということの意味を理解しました。

なのでエフェクトは~400ローカットと500Hzくらいを-2dB削り、CLA-3Aでリダクション3dBして音を固くするだけ、と最小限で済みました。

M1ピアノはKORG Collection M1の「MidiStack3」でパンをL10に振っています。
エフェクトはSaturation Knobを1.1、OTTを20%、~200ローカットと倍音足してギラついた分7k~を-1dBハイシェルフ、CLA-2Aで3dBくらいリダクションして、センドで30msフィードバック1回のピンポンディレイを入れてステレオ感を広げています。

ベースは①高音担当でNEXUS4の「B-Type Bass」、②アタック感担当でSYNTHMASTER ONEの「BAS Electro Slap Bass」、③低音担当でSpireで自作したものをレイヤーしました。
③については今までプリセットだとちょうど良いのが無いなとずっと思っていましたが、作り方を調べたら結構簡単に出来たのでもっと早く調べておけば良かったと思いました。
以下の動画を参考にしています。

エフェクトについて、①はWIDERで30%にして若干ステレオ感を足し、~280ローカットで②・③と被らないようにして、8k~を-1dBハイシェルフして音がジリジリし過ぎるのを削り、CLA-2Aで3dBくらいリダクションして密度を上げています。

②は~180ローカットで③との被りを防ぎ、CLA-3Aで3dBくらいリダクションして音を固くしています。

③はWAVES Doubler 2の「Basic Doubler」でステレオ感を出し、Renaissance Bassの「Basic setup」でIntensityを-3.0まで下げて倍音を足し、CLA-2Aでリダクション3~5dBくらい潰し、Ozone11 Imagerで~70を-40くらいに狭めて低音が横にモワモワし過ぎるのを削り、キックとのサイドチェインコンプでキックと被らないようにしています。

キックはVengeance Essential Clubsounds Vol.4(以下「VEC4」)の「Trance Kicks 14」で、エフェクトはSubmarineの「Club Kick」でMIXを6にして、5.3kHzくらいを緩く1dBブーストしてアタック感を強めています。

スネアはVEC4の002とVengeance EDM Essentials Vol.1の008のレイヤー、のつもりでしたが打ち込みをミスっててイントロでしかレイヤー出来てなくて、それ以降は前者のみで鳴っていたことにこれを書いていて気付きました。
何か存在感薄い気がすると思ったら……
エフェクトも~100ローカットしているつもりでしたがこれもEQがオフになっていてあーもうめちゃくちゃだよ!

ハイハットはクローズがVEC4の003と008のレイヤー、オープンがVEC4の021で、クローズをL、オープンをRにパンを全振りにしています。
エフェクトは~600ローカット、クローズのみ1.6kHzを2dBブーストと8.8k~を1dBハイシェルフして存在感を足しています。

シンバルはVEC4のCrushの010で、~500ローカットしています。

ベルはイントロでボーカルと一緒に鳴っているのがNEXUS4の「Fantasy」、それ以降のものはいつも使っているSYNTHMASTER ONEの「GTR Heart」です。
エフェクトはどちらも~600ローカット、2kHzのキンキンするところを-2dB削っています。
また、ボーカルと鳴っている方は900Hzくらいが被るのでダイナミックEQをかけています。

間奏でアルペジオで鳴っているピアノはNEXUS4の「Amberpiano」で、エフェクトはSaturation Knobを0.4かけているのみです。

シンセパッドはいつも使っているSpireの「PD Munich」です。うっすらかけて空気感を出せるのとクワイア的な音なのが好きでよく使っています。
エフェクトはWIDERで160%に広げ、OTTを17%、~400ローカットと5k~を1dBハイシェルフ、M1ピアノと被る580Hzくらいとベルと被る770HzくらいをダイナミックEQ、SpireのディレイとリバーブをオフにしてインサートでValhalla VintageVerbの「Aerial Hall」をMIX17%でかけて、WAVES CenterでSideを0.3dB上げています。
また、イントロは低音を出したかったので、オートメーションでローカットを~170になるようにして~360を-3dBローシェルフしています。

オケヒはNEXUS4のパックの「Vintage Synths 2」に入っている「Orchestra Hit」で、TWO-MIXの曲っぽい感じでサビや間奏でガンガン鳴らしています。
エフェクトはWAVES Doubler 2の「Basic Doubler」を原音抜きで入れて、CLA-3Aをリダクション1dBでうっすらかけています。
また、イントロのBPM変化時と間奏明けでオケヒを反転させた音を鳴らしています。

Aメロ後半で鳴っているPluckはSpireの「PL FM Trance MW」とSYNTHMASTER ONEの「PLK Another UK」をレイヤーしたものです。
エフェクトはどちらも~230ローカットとボーカルと被る300HzくらいにダイナミックEQをかけています。

Bメロ終わりに駆け上がるように左右に振って鳴っているシンセはSylenth1の「046:LD DanceLead」で、~300ローカットしています。

サビ前に鳴っているタムはAddictive Drums 2のパックのReel Machinesの「Tape DMX Wet」の音を使っています。

イントロとAメロ初めにコーンと鳴っているのはSYNTHMASTER ONEの「BEL Aethera Bell KApro」で、エフェクトはSaturation Knobを0.7かけています。

イントロのBPM変化時にリバースオケヒと一緒に鳴っているSweep Upは、VEC4の22と27のレイヤーです。

Aメロ前とラストに鳴っているフィルはVEC4の032と078のレイヤーで、後者は1.4kHzくらいに緩いバンドパスフィルターをかけています。

サビ頭のSweep DownはVEC4の22とSYNTHMASTER ONEの「FX Mercury Sweeper ARK」のレイヤーです。

マスターのボリュームについて、イントロ前半の静かな部分とAメロBメロは-1dBになるようオートメーションをかけています。

ミックスの音量バランスは、マスターにOzone11 Imagerを入れてモノラルにして、Tonal Balance Control 2でリファレンス曲をターゲットにして調整しました。

マスタリングについては、Shadow Hills Mastering Compressor Class AでOPTICAL、DISCRETE(レシオ2:1、アタック30、リリース.5)ともに最大0.5dBくらいになるよう薄くかけてからOzone11のマスターアシスタントを入れています。

OzoneのEQはミックスがリファレンスとどれだけ差があるかの指標として使っているのですが、今回ほぼ調整が入らなかったのでミックスの手応えを感じて嬉しかったです。

マキシマイザーの音圧は、シンセパッドの透明感と空間の広がりを大事にしたかったので、リダクションがかかるかかからないかのところを探った結果-11LUFSにしました。

動画化

歌詞の冬っぽい情景に合わせて、コートとマフラーと手袋、降雪、涙、彩度を暗くする、というイメージで作りました。
モデルはAbyssOrangeMix3を使用しています。
また、泣き顔ありのものと無しのものが生成されたので迷った結果、ラストのサビで切り替わるようにしました。
プロンプトは以下のとおりです。

プロンプト
(masterpiece, best quality:1.2), hatsune miku, brown duffel coat , Winter scarf, gloves, thigh-high tights, tears, hair covering her eyes, blue hair, a face in sad, (snowfall), from above, low saturation, dark atmosphere, highres

ネガティブプロンプト
Skin Exposure, EasyNegativeV2, (worst quality:1.2) , negative_hand-neg, (watermark), username, (artist name), bushy eyebrows

最後に

自分が好きな感じの曲を作っている時が一番楽しいので、今回自分好みのヴォーカリオンっぽい曲が作れて非常に満足しています。

これからもこういう曲を作れることを強みにしていきたいなと思います。

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