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コロコロ変わる名探偵

「ようやく分かったよ。世界を闇につつむ犯人は君だ、月くん」
「さすが太陽くん、名推理だ。でも君には僕をつかまえられないよ。もうすぐ夜だ。そろそろ君は沈む時間だろ」
「今日は時間切れだが、明日には君のことをつかまえてみせるさ」
「そう簡単に僕を見つけられるかな」
「知らないのか? 明日は僕と地球の間に君が入る日だ」
「なんだって?」
「昼間でも簡単に君を見つけられるさ。覚悟して待っているんだな」

太陽は沈み夜になった。
夜の中で輝く月は、ひとり呟いた。
「仕方ない。急な依頼になってしまうが、また彼に頼むか」

次の日の朝、がっかりしている子どもの声が聞こえる。
「ママ、雨降っているよ。遠足いけないじゃん」
「えぇ? 予報では晴れだったのに。最近天気変わりやすいわね」

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