口に出した方がいいことば
美味しいは、ちゃんと口に出した方がいい。せっかくの美味しいものだって、だまって食べていたら、だんだん美味しくなくなってしまう。
疲れたは、言いすぎない方がいいけれど、言わなすぎるのもよくない。疲れている自分を、ちゃんと認めてあげるんだ。そうしないと、うまく休めないから。
ありがとうは、目を見て言った方がいい。名前を知らぬ相手にも、小さい感謝を伝えられる人は素敵だ。面と向かって恥ずかしいときは、手紙にしたためて贈ったって、きっといい。
しんどいと口に出しても、包んでくれる人が一人だけでもいてくれれば、それでいい。その一人の存在で、安心し、自分らしさを忘れないでいられる。
久しぶりと、急に連絡してみてもいい。最初はびっくりされるだろうけど、案外あの人も待っていたかもよ。
頑張ってるね、と言われることは、嬉しい時もあるけれど、ちょっとしんどい時もある。
一緒に美味しいを言い合える人と、美味しいものを食べに行きたい。場が一緒であることが叶わないなら、同じものを、同じ時間に、でもいい。
疲れたねと笑いながら、一汗かける仲間がいれば、楽しい時間も大変な時間も、あっという間なのに。健康的で前向きな疲れたを、気持ちよく口に出そう。
ありがとうを言ったら、ありがとうを返してくれる。そういう連鎖を起こしていたい。今、必要なものは、ありがとうの一言だ。
しんどいを誰かだけのせいにしていないときは、きっと成長がある。わたしにとってそのしんどさは、成長のための筋肉痛になる。
毎月会っていた人たちが、久しぶりになっていくのは、寂しい気持ちが強いけれど、早くまた、久しぶりだねと言いたい。会いに行きたい。
今、みんなが自分の立場で、自分なりに頑張っている。頑張りのがまん大会じゃなくて、あの人の頑張ってるねの一言を、すこし不器用なねぎらいのことばだと思えたら、きっとこころが軽くなる。
いまだからこそ、口に出した方がいいことば。
いつか戻ってくる日常でも、口に出したいことば。
サポートをいただいたら、本屋さんへ行こうと思います。