記事の下書きを楽にするアプリ「Suiko」をつくりました。
今日は、自分がつくっているノートアプリの紹介をさせてください。
背景
私には、過去5年ほど個人的に愛用している長文を書くテクニックがあります。それを誰でも実践できるようにするアプリをつくりました。
仕事の合間にちょこちょこ手を加えていったのですが、そろそろ他の方のご意見を聞いてさらにアプリを良くしたいな、と思ったので、ベータテスターを募集するために、この記事を書いています。
なぜつくりたいと思ったのか、きっかけ
みなさんは、普段どうやって自分の考えを整理して、発信していますか?
自分は、普段思いつく思考の断片はあるものの、それをまとまった形で人に読んでもらう状態にまでもっていくのに苦労していました。
思考の断片がどう進化するのか
自分たちの脳みそは グラフ構造 になっていると思うのですが、それを他人が読む形でアウトプット・発信するときには、思考のグラフを著者なりの編集作業で「リニア」なものにしなければ伝わりません。
たとえば書籍を執筆している皆さんは、常にこの「章題の並び替え」に気を配っていることと思います。
各章のテーマがうまくつながっていれば読み手に届きやすい文章になりますし、順番が読み手の期待を(悪い意味で)裏切るものだと、読者は著者の思考についていけず、読むのをやめてしまうことでしょう。
これは実は、大きな章、節だけの話ではなく、一つ一つの文節にも言えることです。
人が読んでいて読みやすいと感じる文章は、接続詞に気を配れていたり、文章をもつ構造がきれいに保たれているはずです。
Ray Dalio "Principles" より。良いコミュニケーションは、トピックを深堀るタイミングとトピックが移り変わるタイミングが明確に分かれている。
このアプリができること
さて、前置きが長くなりました。
このノートアプリは、前段で説明した「文章が育っていく過程」をアシストするためにつくられました。「一つ一つのセンテンスを貯めていく作業」と「文章のつながりを編集する作業」を明確に分け、長文をつくるプロセスを応援します。
まだ荒削りな部分はありますが、この仮説は(今までに書いて、それなりのリーチがあった記事の執筆という形で)機能していますので、それなりの確度を持っておすすめします。
使い方の説明
どこからでも書き始め、どこでも編集作業ができるようにするため、このアプリは、現在 iPhone / Android / ウェブ の三つの場所で動きます。データの同期もサポートしています。
まず、スマフォ、ウェブ版問わず、ログイン後最初の画面はまっさらの「新規文章作成ページ」です。
ひらくとこの画面。余計なものは何もない
その時に感じたこと、考えついたアイデア、リマインダ、なんでもかまいません。まずはその思考の切れ端を保存するために使ってください。書かれた文章は、一センテンスきりの草稿として、記事編集画面に保存されます。
記事編集画面。+サインで好きな位置に文章追加
この画面では、それぞれのセンテンス(文節)の編集、削除、並び替えができます。+サインを押すと、新しいセンテンスを好きな位置に挿入することもできます。
+ボタンを押して、最初に書いた文章から連想するものを、どんどんと書き連ねていってください。
ショートカットキーは活用してね。
ウェブ版で、キーボードとマウスクリックをいったりきたりするのは面倒くさいですよね。自分が特に重宝しているのは、前後の思考に邪魔されない、スムーズな文章の作成方法です。
ウェブ版で記事編集画面にいるときに、Command + . (ドット) を押してください(Windowsの方ごめんなさい、ベータテスター申し込みページでその旨お伝えください)。そうすると、キーボードから離れることなく、センテンスを新規作成するページに移動します。
そこで新しいセンテンスを書き殴ったら、Command + Enterを押してください。そこに書いたセンテンスが保存され、記事編集画面に戻ります。
基本的にウェブ版での草稿は、この Command + .(ドット), Command + Enterの繰り返しで進んでいきます。
ぶつ切りの草稿は記事一覧画面で寝かせておく
もちろん、そこまで思考がつながらない草稿は多々生まれます。
それらは、最後に紹介する「記事一覧」画面に寝かしておきましょう。
記事一覧画面。検索もできるよ
自分が現在までに使ってきた感覚だと、
- 感情の吐き出し口としてのつぶやき 50%
- そのうち記事になるかも草稿 20%
- すでに記事として公開したもの 10%
- やったらすぐ消すメモ書き 20% といった割合で記事が溜まっています。
みなさんなりの文章との向き合い方があると思うので、どんなタイミングで記事が育つのか、そのためにどんな機能があったらそれをアシストできるか、ぜひ感想をお聞かせください。
まだまだ進化するよ
現在開発中なのは、「記事一覧画面」から記事をさらに育てるための機能です。
草稿のままの記事が10を超えてくると、今までに書いたものの中からさらに大きなまとまり(テーマ)が見つかることもあります。本の執筆のアナロジーでいくと、章立てを考えるタイミングですね。
このタイミングをアシストする、さらなる情報編集機能(Information Architecture)を実験的に試しています。ぜひテスターとなってお試しください。
一緒に「最高の草稿アプリ」を考えませんか
ここまでで、
- 文章を編集するタイミングと、文章の断片を保存するタイミングが明確に違うこと
- それぞれのUI/UXを明確に分けることで、文章が育ちやすくなること
- それを実現するための構造はアウトライナー(箇条書き・ネスト構造に特化したノートアプリ)のUXを「真逆にした」ものであること
を紹介しました。
繰り返しになりますが、ぜひ https://kenzan100.github.io/suiko/ja/ にある「ベータテスター受付中」のリンクからのメッセージ、お待ちしております。Twitterへのコメントも大歓迎です。
まずは、一緒に長い目でこの文章推敲アプリを育てていただける方を募ります。みなさんの発信ライフが捗ることを、心より願っております。
Happy Writing!
最後に
もちろんですが、この文章も推敲アプリ(ウェブ版)で書いています😇
記事は寝かせて育てるもの。
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