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『アーカイブズ通信』#2「アーキビストとは?」

 私は「アーキビスト」を目指しています。

 「アーキビスト」という職業を端的に言うと、アーカイブズ機関(古文書・記録史料などを保管している場所や組織、主に国・都道府県・市町村などの自治体における公文書館などが挙げられる。)でアーカイブズ資料を取り扱う専門職のことを指します。
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 日本語では、「文書館専門職」などと呼ばれることも多く、司書や学芸員のように国家資格にはなっていないものの、2020年から国立公文書館長が認証する「認証アーキビスト制度」が開始されるなど、これから間違いなく必要とされる職業であると考えます。
 「認証アーキビスト制度」についてはこちらで詳しく見ることができます。↓↓

 アーキビストの仕事で一番重要なのは、「評価選別」です。
 「評価選別」というのは、組織(行政、自治体、企業、学校など)や個人で発生した膨大な記録を整理し、それらが地域や社会にとってどういう影響をもたらすかを客観的に分析し、何が大切な記録なのかを見極め、廃棄するのか、残すのかを決める作業のことです。
 全ての記録を残すことはできません。なぜなら、年数を重ねるに連れて記録は次々と発生し、量が蓄積されていき、収蔵庫など物理的にスペースはなくなっていくからです。
 だからといって、記録の中身を吟味せずに箱ごとまとめて廃棄してしまい、その中に後々必要だった重要な記録も混じっていたなんてことがあってはならないため、アーキビストが中身を調査し、廃棄と残す場合とで、評価選別基準を設け、それに基づいて整理を行います。
 基準はそれぞれで異なりますが、例えば、歴史的文化的価値が高いもの、組織や個人の権利が保障されているものなどは全て残し、業務的に発生した記録で、将来的にみても使わないし、誰もなくても困らない可能性が高い場合は廃棄します。
 つまり、アーキビストは「評価選別」のプロであり、記録の取り扱い(内容が読み取れる)、地域や社会との関わり、歴史・文化的な感性を持つことが求められます。

 次回は、なぜ私がそもそも「アーキビスト」を目指しているのかについて書きたいと思います。
 
《次回》
『アーカイブズ通信』#3
「アーキビストを目指して」





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