読書メモ20年5

概要

(題)内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力
(著)スーザン・ケイン
(翻訳)古草 秀子

おすすめ度

★★☆☆☆

サマリ

内向型がどういった特性を持ち、どのような強み・魅力があるのかを説明してくれる。外向型リーダーが正しいのか?チームで本当にやる事が効率的なのか?等これまで多く語られなかった視点を得られる。ただ本自体は厚いため要点だけ抑えて読むでいいのでは

抜粋

- 偉大なアイデアや美術や発明の一部は、自分の内的世界に耳を傾け、そこに秘められた宝を見つけるすべを知っていた、物静かで思索的な人々によるものだと、内向型が内に秘めるパワーの大きさを強調
- 新集団思考の登場と単独作業のパワー
  - 孤独なほうが「集中的実践」が可能になる
  - アップルの創始者スティーブ・ウォズニアックの言葉
    - 「ひとりで働け。独力で作業してこそ、革新的な品物を生み出すことができる。委員会もチームも関係なく。」
  - オープンオフィスは生産性を阻害する?ブレインストーミング神話の崩壊
- 性格は運命づけられているのか?
  - 発達心理学者のジェローム・ケーガン教授は、『生まれつき脳の一部の扁桃体という部分が興奮しやすい乳児は外界からの刺激に対して大きく反応し、成長すると、初対面の人間に対して用心深く接するようになる』という仮説を立て証明
  - 高反応の子どもの神経系は、あらゆる刺激に対して敏感
  - 人間に対しても物事に対しても注意深くなり、あらゆる情報を真剣に処理して慎重な判断をするようになる
- 内向型だからといって内気ともかぎらない
  - 内気とは他人から非難されたり屈辱を感じたりすることを恐れる性質であり、内向性とは刺激が強すぎない環境を好む性質である
- 内向型の人間は、警戒心が強くつねに慎重で、勢いよく前進するのを嫌がる
  - その性質は、リスクを回避することだけでなく、知的な作業をするうえで役立つ

内向型が外向型より賢いということではない。IQテストの結果からして、両者の知性は同等だ。そして、課題数が多い場合、とくに時間や社会的なプレッシャーや、複数の処理を同時にこなす必要があると、外向型のほうが結果がいい。外向型は多すぎる情報を処理するのが内向型よりもうまい。内向型は熟考することに認知能力を使い切っていしまうのだと、ジョセフ・ニューマンは言う。なんらかの課題に取り組むとき、「100%の認知能力のうち、内向型は75%をその処理に当てるが、外向型は90%を当てる」と彼は説明する。これは、たいていの課題は目的を達成するものであるからだ。外向型は当面の目標に認知能力のほとんどを割りあて、内向型は課題の処理がどう進んでいるか監視することに認知能力を使うのだ。 
 だが、心理学者のジェラルド・マシューズが著書で述べているように、内向型は外向型よりも注意深く考える。外向型はより安直なやり方で問題解決を図り、正確さは二の次なので、作業が進むほどに間違いが増え、問題が難しくて自分の手には負えないと挫折感を抱くと、すべてを投げ出してしまう傾向がある。内向型は行動する前に考えて、情報を綿密に消化し、時間をかけて問題解決に取り組み、簡単にはあきらめず、より正確に作業する。内向型と外向型とでは注目点も異なる。内向型はぼんやりと座って思考をめぐらせ、イメージし過去の出来事を思い出し、未来の計画を立てる。外向型は周囲で起きていることにもっと目を向ける。あたかも、外向型は「これはなんだろう」と見ているのに対して、内向型は「もし・・・・したら、どうなるだろう」と問いかけているかのようだ。
『内向型人間の時代』 7章 より スーザン・ケイン:著 古草秀子:訳 講談社:刊

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