読書メモ20年4

概要

(題)社長失格
(著)板倉 雄一郎

おすすめ度

★★★★☆

サマリ

90年代に世を賑わせたハイパーネット社の社長会社創設から倒産に至るまでの自叙伝。会社経営は、マーケット選定・市場の流れ・キャッシュフロー・信用等のあらゆるバランスを取りながら成長させていく必要がある。特に最後の倒産に至る経緯は内容自体濃いものの呆気なくマイナスサイクルになると一つ一つの意思決定が命取りになることが分かる。

ストーリー

- 電話会議のシステムを発案し事業化
- ハイパーシステムの構想を思い立ち開発
  - ユーザーの使用するブラウザの脇に広告を表示して、無料でネットを使用することができるシステム
  - 現在のgoogleサービスに似たコンセプト
- ホットカフェと呼ばれるアプリを立ち上げ、閲覧しているページを元にユーザーの嗜好をデータベース化
- 最適な広告を打つデータベースマーケティング
- ビル・ゲイツも噂を聞きつけて調査し、プレゼン機会も設けられる
- 海外展開も試みて、七つの金融機関が20億融資
- サムスン、ヒュンダイなどの大企業も提携を打診してサムスングループとライセンス契約を結ぶ
- 米国ナスダック公開を目指し奔走
- システムトラブルや米国展開の巨額の資金投入、クライアントの離反などでピンチに
- 社内クーデターで外部の取引先銀行に自社の悪評を吹き込まれる
- 銀行の融資は諦め孫正義をはじめ、各投資家の元を駆けずり回るが、いずれも失敗。
- 連日資金調達のため社外の人間と折衝を行うために、社員との壁ができ、苦情や不満が社員から溢れる
- 完全に周囲の信用を失ったハイパーネットは連日来る銀行やリース会社の取り立てに追われ、板倉は事業に専念できなくなる
- 大日本印刷との支援話も立ち消えになり、役員は報酬を受け取れなくなり、ついには社員の給与も支払うことが
- 夏野剛も家賃が払えなくなるところまで耐え、退社する
- 山一證券倒産のニュースを聞き、破産することに決定

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