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風は遠くから

僕らはまだ、
彼方の風を感じることができるだろうか。

時が経って
歳をとって
それでもお互いの目を見て笑い合えるだろうか。

風は遠くからあなたのもとへ

淡い輪郭を帯びた光の粒を運んでくる。

それはぶつかり合って、耳元で囁く。

まだどこかもわからない所で

遠い日の誰かが呼んでいる。

「こっちへおいで。」

そうして僕は、光の一部になって
彼方の風に乗って
青色の只中に吸い込まれていく。

ゆっくりと沈んでいく。

(221113)

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