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ラジオってワクワクする。

初めてラジオを意識したのはいつだろう?
子供の時にラジカセをラジオ機能に切り替えてピューンと鳴るノイズ、選曲のダイヤルを回して周波数が合ったところで聞こえる人の声や音楽が最初のラジオかもしれない。
いや、でもそれはラジオ受信機が電波をキャッチする機能の初体験だ。
では、ラジオを情報媒体として最初に意識したのはいつだろう。
幼稚園の時、当時の自宅の近所の理容イガラシという所で散髪していたのだけど、そこで大きなラジカセがラジオを鳴らしていた記憶がある。どんな内容かは覚えていないというか5歳くらいだったので会話の中身は理解していなかったけど、これはラジオだな。と思った記憶がある。
よりラジオ番組を理解するのは、その数年後、もう小学校3年生くらいだったと思う。
母が働いていたクリーニング屋の作業場。プレスマシーンのノイズに負けない程の大きな音で鳴るラジオで頻繁に聴こえたのは、ニッポン放送の「鶴光の噂のゴールデンアワー」だったのが強烈に覚えている。
笑福亭鶴光さんのことは存じていなかったけど、なんだか大人なのにふざけてる感じとやらしさみたいなのが賑やかしかった。
多分これが原体験でなんとなくニッポン放送贔屓になった気がする。
近所に中継がくるからって母に連れられて行ったこともある。

ただし中学生に以降、ラジオを聴く習慣はなく、なんとなく高田文夫に憧れるという物はあっても「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」を熱心に聴き始めるのは社会人になってから。
というのも古いロックオタク少年になった事でラジオよりもレコードやCDを聴く方が優先されてしまったからね。
そういえば中学に入って技術の授業で簡単なトランジスタラジオを制作したのだけど、完成したラジオのスイッチを入れたらジミ・ヘンドリックスのパープル・ヘイズが聴こえてきたなんてドラマチックな思い出もある。

多くのティーンがオールナイトニッポンなどにハマって深夜ラジオを聴くみたいなことがあると思うけど、僕にはそれはなかった。というのも前述の通り高田文夫に憧れているということは、ラジオを通じて昭和や演芸にハマっていたわけで、ヤングな物には興味がなかったからだろう。

その後社会人になり最初に入った会社は、一日J-waveがかかっており、なんともそれが時報のように機能していた。別所哲也さんが朝を告げピストン西沢さんが退勤直前を知らせると行った具合。そこで初めてFMという物を意識した。
ピーター・バラカンさんが取締役になった頃のインターFMで自分好みの音楽がかかる事を知り、ジョージ・カックルさんの番組でアラン・メリルが近所に来てイベントをやると知り駆けつける事もできた。そこでアランと知り合って「君は俺の息子のようだ。」と彼がコロナで亡くなるまで交流があったのはラジオのおかげかもしれない。

AMやFMを飛び越えてPodcastというインターネットラジオでも楽しい思いをした。
大ファンのザ・コレクターズというバンドのメンバーがPodcastをコッソリ初め、楽しく聴いていたのですが、その内容のおかしさからファンを増やし武道館のライブを行うまでになったなど夢のある話だ。

毒蝮三太夫さんのミュージックプレゼントの現場にも2回ほど足を運んだな。
一時期マムちゃんのラジオとビバリーの時間帯がかぶって、同時にチャンネル合わせて聴取しようとしたら情報が多すぎてパニックになった。

ロンドンに居た時はTBSのPodcast聴きつつ、英語の勉強と思いBBC Radio2を聴いてたけど、音楽とかのがすきだからRadio1にをつい聴きがちであった。

ラモーンズのDo You Remember Rock'nRoll Radio?やELOのMr.Radio、エルヴィス・コステロのRadio Radio、セレクターのOn My Radio、クイーンの
Radio Ga Ga、シーナ&ロケッツのRadio Junk、ファイアースターターのRadios Are Deadなどなど、ラジオをテーマにした名曲は枚挙に遑がない。

なによりラジオの素晴らしさは、こちらの意図や想像を超えて面白い物が提供される事だろう。
音声のみだからこその良さでしょう。
視覚という情報の制限があるからこその良さ。
便利さや効率だけを求めてはいけないのだよ。デザイナーの言う事ではないが。
不便さの美しさもあるでしょう。

そういえばリスナーとしてじゃなくて、出演もしたことがあるのだよね。
双六亭のお二人のご好意で、今年の2月むさしのFMで演奏とお喋りをした。
お喋りはいいけど、演奏はものすごく緊張した。

と、なぜ急にラジオの話をしたかと言うと、お世話になっている仕事先でこれまたお世話になっており版画などを制作している作家さんのフジタユウコさんがラジオに関するフリーペーパー、Zineを制作したとフェイスブックでポストしており、「ああ、これは読みたい」と思い先日頂き、装丁やビジュアル、印刷のナイスさとラジオという媒体への愛、そしてラジオが好きな人にもこれから聴いてみようと言う人にもウェルカムな作品がステキでついラジオの思い出話を綴ってしまったと言うわけです。そして勝手に第二弾も期待している私なのでした。


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