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十戒は部族が生き残るためのルール

「十戒」と聞くと何を思い浮かべるだろうか?多くの人はユダヤ教/キリスト教の「モーセの十戒」を思い浮かべると思うので、ここではモーセの十戒について書きます。(仏教にも十戒と呼ばれる戒律があるのですが日本人ですらあまり知らない)

モーセの十戒

モーセの十戒とは神がモーセにシナイ山の頂上で授けた、イスラエルの民が守るべきルールで、ユダヤ教やキリスト教の宗派によって微妙に異なるけれどおおよそ以下の通り。

1)主が唯一の神であること
2)偶像を作ってはならない
3)神の名をみだりに唱えてはならない
4)安息日を守る
5)父母を敬う
6)殺人をしてはいけない(汝、殺す勿れ)
7)姦淫をしてはいけない
8)盗んではいけない(汝、盗む勿れ)
9)隣人について偽証してはいけない
10)隣人の財産をむさぼってはいけない

1,2,3は他の宗教との差別化のために必要だった戒律だろうが他の条文は
これがあるからこそ、ユダヤ人が生き延びたのだと思える。
5,6,8,9,10は人が安心して社会で暮らせるためのルールである。このルールを持っていたユダヤ人は、他の部族に比べて社会が安定し、メンバーの絆が強くなるから、より食糧調達や環境変化に適応する際に協力できるため有利だったろう。他の部族と戦争になっても、絆が強い部族の方が弱い部族よりも有利になるだろう。部族社会内の絆は部族の繁栄に欠かせない。
7は人間において近親同志の交配は生物学的にやばい(悪い勢遺伝子の影響が出やすい)ことを避けるため、この戒律を守っていた部族が生き残ったとも考えられる。(本能的に知っていたとは考えづらい)。
4についても、安息日は人間が安定して活動するために休まなければならないが、この戒律を守っていた部族は安定して生き残り、ユダヤの民となったのだと考えられる。

このように十戒があったからこそ、ユダヤ人の社会は安定し、強くなり、生き残ったのだ。

翻って現代の我々社会が安定して生き残るためには、安心して暮らせる社会をつくり、社会のメンバー同士の絆を強くする必要がある。ところが文化や宗教が異なるグルーブが互いに歪みあって牽制し戦争に発展する場合もある。このようなことが起こらないためには、現代人が共通に守るべきルールが必要だ。現代の十戒は何だろう?

6)殺人をしてはいけない(汝、殺す勿れ)
8)盗んではいけない(汝、盗む勿れ)
ここは最低限守って欲しい。

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