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シャルダンが好き

もちろん芳香剤の話ではありません(笑

ジャン・シメオン・シャルダン Jean-Baptiste-Simeon Chardin(1699-1779)という画家、フランスのロココ様式時代の画家だけれど、他のロココ画家とは一線を画し、狂乱の貴族生活を描くのではなく、静物画や市民の生活を描いた。その画面からは時が止まったような静謐な印象を受けます。風俗画で人が描かれているのだけれど、時が止まったような感じがする、不思議な感じがします。
静かな感じが、今の生活の忙しさ、時が早く流れる感と逆行し、しばし時の流れを忘れさせてくれる絵として、今必要な絵なんじゃないかと思うのです。


日除けをつけた自画像1775年

カバー写真を改めて紹介。
この自画像、好きだわ〜自分をかっこよく見せようとする気持ちが片鱗もないことがわかるのが良いね。

当時のフランスではロココ絵画が主流で貴族の華やかな生活を描くものが多かった(フラゴナールのブランコはその代表)
また、歴史画や宗教画のような”格の高い”画題でもなく、シャルダンは貴族ではなく市民の生活を描いたことが新しい。

買い物帰りの女中1739年
素描する若い学生1735-1738年頃
食前の祈り1740年頃

そこには華やかさはなく、市民の慎ましやかな生活を見つめて、寄り添う気持ちが出ている感じがします。
また、生活道具や生き物の静物画も多く残しています。

銅製の給水器1733年
赤エイ(赤えいと猫と台所用具) 1727-1728年頃
野苺の籠1761年

この空気感、静けさが好き。


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