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ポール・セザンヌの何がすごいのか?

ポール・セザンヌ(1839-1906)は、フランスのポスト印象派の画家で、

近代美術の発展に画期的に貢献したことで知られています。ここでは、彼が偉大な芸術家であると言われる理由をいくつか紹介します

モネの描いたセザンヌ

セザンヌは、印象派からキュビスムへの移行に道を開いたとされており、ュビスムをはじめとする20世紀の美術に多大な影響を与えたことから、「近代絵画の父」とも言われます。

彼は、単純化された形、平坦化された視点、鮮やかな色彩で、世界を新しくユニークな方法で表現しようとしました。つまりそれまでのアカデミックで写実的な古典絵画ではなく、見たまんまじゃない、画家が対象を絵画として再構築した作品をつくりはじめたことがすごいのです。

ただ、ピカソのように、上手い絵もかけて、それを崩してくのではなく、「上手い絵がかけないからこそ、路線を曲げず、我が道を突き通した」ことがすごい。

なんで「上手い絵が描けないと」と断言するのかというと「上手い絵が一枚も残っていないから」「美術学校に入れなかったから」「アカデミーの展覧会に入賞したことがないから」で、セザンヌは本当に下手だったのだと思います。

ヘッダーの『リンゴの籠のある静物』も遠近法は取れてないし、果物や布の質感がだめ。
印象派展に出品した『モデルヌ・オランピア』は普通に見たら下手だと思う。

モデルヌ・オランピア(1873年)


古典の絵画としてはダメな人でした
でもそれでも自分のスタイルを曲げずに描き続けたら時代が追いついてきた。
(BGMは地上の星)

ピカソらにも認められるようになり、一般の人も「逆に新しくね?」と評価しだしたのです。そうこうするうちに近代絵画はもっと発展し、キュビズムや抽象画が生まれた。
古典から近代絵画に移るとき後世に影響を与えたということで「近代絵画の父」と言われているけれど、本当は古典絵画が描けなかった。

改めてセザンヌは何が凄かったのかというと
「絵が下手くそなのにそれを貫き通して、結果的に世間に認めさせたこと」


田園詩 1870年ごろ


サント・ヴィクトワール山 1887年ごろ

決して上手くはないでしょ?でも美術関係の人はセザンヌを崇拝している人も多いから、表立って「下手」とは言いづらいね。

あと「セザンヌ」という化粧品ブランドがあるけれど、絵が下手なセザンヌの名前を冠してて大丈夫かな?と思う

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