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気になって思わず撮った

街撮りの楽しさって、まさに気になる光景を見つけて撮るって行為と、撮ったモノを思い通りに加工する作業にあるんだと思っている。
テーマを持って撮ると無理矢理撮っている感が写ったりして、後で見ると「何故こんな写真撮った?」って自分でもワケわからん写真に見えたりする。

これ、手前の花壇の色と歩行者の着衣の色を合わせるべく、狙って撮ったんだけど計算しすぎてちっとも面白く無い。
それは自分が大事にしている「その場の空気を撮る」という大事なテーマを忘れ、ただただ撮っちゃったって事の証明だし、色ばかり気にしているから構図もちょっと難が出てしまったワケだ。

こっの写真は、狙って撮っていない。
 
良いなって感じてそのまま撮ったカットであり、現像で調整して感じたその場の空気感をわかりやすくアウトプットできたと思っている。
ただ、この場を選んだのは意図があった。
分岐点であり片方が直線で片方が曲線、という構図に意図を絡めて撮ろうと考えていて、いざ撮ろうとカメラを向けた時そこに通る人が偶然入って、そのタイミングがその意図に合うパターンにハマったというのが大きかった。

今の横浜中華街をテーマに撮った1枚。
客の方を見ずにスマホを見ている店員と、食べ歩きの食品を物色する観光客の姿は、日本語が書いて無ければ香港辺りで撮った1枚にすら見えるのが狙いだった。
 
歴史ある飲食店が少なくなり、食べ歩き食品販売店や食べ放題の飲食店ばかりが増えるのは、手軽に安価に雰囲気だけ楽しみたい人が多いって事。
中華街ならではの雰囲気と食べ歩き食品を同時にスマートフォンで撮って、SNSにアップしたい人が多い結果が招いたのだろう。

こういったタギングを書く人がいつの頃から増えた横浜。
古い建物の塗り直しの後に鑑札となる古いプレートを着けたのだと思うが、面白いコントラストがあると感じて撮ってしまった。
ただ、このプレートにあるタギング自体がいつ描かれたのかは、わからない。
 
ちなみにタギングとはグラフィティ(エアゾールアート)の一スタイル。
古くはストリートギャングの縄張りのサインだったとかで、昭和な時代の暴走族もチーム名を描くなどしていたが、アーティスティックなモノでは無かった。
 
1970年代後半、桜木町の高架下に三角をモチーフにしたグラフィティを書き出したロコサトシが火を点け、様々なグラフィティを描いていくウォールペイント合戦が始まった。そんな動きに横浜市も乗っかり、「桜木町ON TEE WALL」という事業でアーティストに書かせるなど30年以上続いたって歴史がある。(2008年以降、落書き禁止となった)
ただ、タギングはグラフティの中では公共物破壊行為にもなりかねないので、今ひとつメジャーになっていないし、アートなのか?って思わせる物も多いのは何故だろう。

中華街辺りでは、昔ながらの店舗を維持している店はまだまだ多い。
それは街の資産と言って良いくらいに価値があって、その景観があるからこそ安価な食べ歩きでも楽しめるという現実がある。
 
この店は中華街の外側に位置するが、1983年にオープンした当時のまま現在も営業している。
オージャーはサンフランシスコのイメージを店に取り入れてこんな形になったが、中華街で一番長いカウンターと、深夜でも料理が楽しめる希有なバーでもあるので、コロナ禍で遅い時間に食べる時はかなりお世話になった店でもある。

深夜でも食べられるサーロインステーキ。
コストパフォーマンス抜群で、これとギネス生1パイントを合わせるのが私の定番オーダー。ちゃんとチャコールグリルで焼いてくれるので、脂が適度に落ちて燻されてフレーバーも楽しめる。と。
 
それにしても料理写真って奥が深い。
厳密にはちゃんと照明を作って、三脚使ってできればシフトレンズで撮りたいのだけど、日々食べる物を撮る時はそうはいかない。
自宅でも飲食店でも大事なのは照明で、色温度が揃っている事と照明の位置が自分の後方に無い事をチェックしないと失敗する。
撮る時はピントの位置と絞りを注意して、スローシャッターになるのでぶらさないようにホールドする事を考える必要がある。
 
と悩んでしまうくらいなら、スマートフォンで撮った方が綺麗に簡単に撮れちゃうんだけど、それでもこの写真の様に1/20秒なんてスローシャッターが必要な明るさだとノイズが出るのが悩ましい。

2杯目はウィスキーが多いけど、この日は「ブラック&タン」を1パイントでオーダー。(バス・ペールエールにギネスをフロートしたもの)
 
この写真は1/8秒でシャッター切っているけど、スマートフォンだとこんなシチュエーションだと黒いギネスに影響されて感度を上げちゃうので、こんな感じには写らない。
 
という事で、写真アップしたら飲みたくなったので、今日はここまでにします。

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