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RF24-50mmをR5で常用してみる

以前、RF24-50mm F4.5-6.3 IS STMはEOS R5で使うには性能的に難がある事をレポートした事があった。
 
R8のキットレンズとして企画されている事からも想像できるけど、24Mセンサーカメラで充分に能力を発揮できるレベルで秀逸なパッケージになっている。
だから45MセンサーのR5で使うのに難があるのは当然なのだけど、実際のところそんなに遜色が無いんじゃないか?って感じる事が結構あった。
 
なので、敢えてR5で常用しているのだけど、リサイズ前提の撮影だったらアリかな?って思えてきたので、テストシュートしてみた。

EOS R5 RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
ISO6400 f/6.3 1/25s 50mm

f/6.3=開放で撮った1枚。
ISO6400の撮影でもDXO PhotoLab7のDeepPRIME XDを使うとピクセル等倍で見ても気にならないほどノイズが消えるので、最近はISO6400までは普通に使うようになった。
 
DeepPRIME XDは PhotoLab6から設定されたノイズリデューサーのモードだが、7になって幾分速く加工が進むようになった気がしている。
(ただ使っているPCがM2MAXで64GBのメモリーを積んであるので、速すぎてその差はあまり気にならないのも事実)
 
それにしてもこの画質、かなり良いと思うのだけど?
(確認には写真をクリックして見て欲しい)
 
MTF特性図を見ると50mmの方が優秀で、単焦点の50mmレンズよりも特性は優れているようにさえ見える。特に周辺のデータはかなり良好で、その結果がよく出ている写真だと思うけど、レンズの良し悪しはMTF曲線だけを見て判断できないのが面白い。
 
その一つとして上げられるのはボケで、カチッとピントが来るレンズにはボケがうるさくなる傾向があって、そのボケ方の自然さや気持ち良さも考えると、MTF曲線だけ見て判断すると失敗する可能性は高い。

EOS R5 RF28mm F2.8 STM
ISO5000 f/3.2 1/500s

ボケを使うならせめてF2.8位の明るさはあって欲しいと思うのは、明るいレンズは構造的にボケが出やすく、用途としてもボケを生かした撮影に向いているからだ。
 
勿論、メーカー側も明るいレンズはボケ味が購入の決め手の一つだってわかっていて、安価なレンズでもそれなりの工夫してボケ味に配慮がされている。
そんなレンズの一つと言うべきRF28mm F2.8 STMで撮った1枚は、見ての通り自然にボケていく感じが好ましい。 
 
想像以上に優秀と感じた光学性能だけじゃなく、パンケーキレンズならではの携行性の良さで、常用レンズの1本になっている。 
 
じゃぁ、RF24-50mm F4.5-6.3 IS STMはどれくらいボケるか?って気になってくるけど、望遠端の50mmで撮ってもこれくらいしか背景はボケない。

EOS R5 RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
ISO6400 f/6.3 1/60s 50mm

手前の2人にピントを合わせて撮ったこの1枚。
それなりに近い場所で撮っているけど見事にボケない写り方で、スマートフォンのカメラで撮った様な写真になっている。
ただ、人々の配置が欲しい撮影意図があったので、問題は無い。
つまり「レンズは使いよう」って事で。

EOS R5 RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
ISO6400 f/6.3 1/160s 50mm

こういった構図が好きで敢えて狙って撮っている自分としては、この1枚をRF50mm F1.2 L USMで撮る・・なんて事は逆に考えられない。
その明るさ故に楽しめるボケの気持ち良さを発揮させたら、2人の女性にしかピントが来ない1枚になって、テーマがまるで違ってしまうと想像できる。
RF50mm F1.8 STMでも、開放だともうちょっとバックがボケて周辺のなだらかな落ち込みが味わいを見せて、この素っ気なさは出ないだろう。
 
ちなみにRF50mm F1.8 STMはEF50mm F1.8 STMを持っているので、未購入。
使いたい時はアダプタを介して使うけど、周辺の落ち込み方がEFの方が好きなため、買う意味を持てないでいる。

EOS R5 RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
ISO6400 f/6.3 1/125s 50mm

RF24-50mmの問題点は暗さのみ。
後は沈胴式故の不細工な外観を許容し、逆にそのスペースを取らないサイズのありがたさを優先できるかって些末な問題だけ。
50mmでボケの気持ち良さを追求するならRF50mm F1.2LかSIGMA 50mm F1.4 DG DN Artになってしまうけど、キヤノン様のSIGMA 50mm F1.4はArtシリーズ初代のEF版しか無いので、RF版が出るまで待ってたけど未だに実現していない。
EOS 5DMarkⅣも健在だから共用できるEF版を買うって手もあるけど、そこまでして使いたい焦点距離では無いので、実現せず。

EOS R5 RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
ISO6400 f/6.3 1/250s 50mm

街中に溢れるポスターなどを借景として使うのは好きで良く撮るけど、こんな写真にボケが出やすい望遠レンズや明るい標準レンズなんかを使うと、ポスターが主役になって街中の風景とは違うものになる。
だからこそ、この暗いズームレンズの50mmという画角は貴重なのだ。
 
写真を記録として撮る場合はこういった「ボケの少ない写真」の方が大切。
ボカす加工は現像でどうとでもなるけど、ピントを補完する加工はかなり難しい(不可能に近い)からだ。
周辺減光やボケ具合は現像上の演出で後でかけた方が自分の表現により近づくと考えているので、撮る写真もボケをあまり使わない写真が多くなるのは当然なのだろう。
 
フルサイズセンサーのカメラを使う人用に、キットレンズとしてこのレンズを出すのはかなりあざとい。
RF24-105mmよりも小ぶりで使いやすく、しかも安価。
RF24-105mm F4L IS USMを持っているので必要無いとも思っていたけど、重さやサイズが気になる時、 RF24-50mm+RF16mm+RF28mmというセットで出かける方多くなってしまった。
 
え?
RF28mmは要らないだろうって??
いやいや、絶対要る!
 
何故なら、こんなの食べたって記録として食事の時は必ず写真を撮っていて、ピントの関係で1.6倍にクリップして撮るのだが、28ミリという画角がちょうど良いのだ。
 
また同じレンズで撮るってのも記録としてが意味があるし、ボケを使った写真を撮りたい時にも活用できるので、RF16mmは外してもRF28mmは持ち歩く。
そんなスタイルでスナップを撮るのがルーティンになってしまったけど、これでもF4通しくらいのズームだったらなぁ、と思う事は確かにあるね。

EOS R5 RF28mm F2.8 STM
ISO5000 f/5.6 1/100s

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