人生でよく出てくる8個の課題について

エリクソンという心理学者によると、人は、その人生において8個の課題に出会います。その8個の課題は、人生の始まりから終わりまで、形を変えてさまざまな形で何度も現れます。

そして、それら8つの課題は基礎的なものから順番にクローズアップされていくとして、エリクソンは、クローズアップされる課題ごとに人生を8個の時期に分けました。これがエリクソンの発達段階です。

これら8個の課題は深く関わり合っていますので、ある発達段階においてクローズアップされていない他の課題も、同時に課題として、さまざまに形を変えたりしながら現れます。

そして、そういった課題達を、100%達成できている人も100%達成できていない人もいません。よって、各課題について達成できたエピソードも達成できなかったエピソードも探せばあります。

ここで、達成できなかったエピソードばかり思い出すと、自分の人生の捉え方がネガティブなものとなり、適応的な行動がとれなくなります。

よって、達成できたエピソードをなるべくたくさん思い出してライフストーリーにまとめ、達成できたときの要因や資源(リソース)を意識することで利用しやすくしておくと、よりよい人生を歩めます(物語療法や、カウンセリングの肯定的資質の探究です)

そこで、エリクソンの課題において、達成できたエピソードを思い出すための質問を考えてみました。

(上記のように、全ての課題は、人生全ての時期に関わっています。よって、クローズアップされる時期がまだ来ていない課題についても達成エピソードは意識して探せば出てきます)


①     主に乳児期(0~1歳くらい)にクローズアップされる課題
基本的信頼感vs不信感:他者との信頼感を、特に養育者との関係を通じて得る

「家族や友達があなたのことを無条件に大事に思っていると感じるのはどんなときですか?」


②     主に幼児期(1~3歳くらい)にクローズアップされる課題
自律性vs恥・疑惑:躾などのルールと自身の欲求とのバランスを取り自律を学ぶ

「ルールを守りながら自分の気持ちを満足させることができたと思うのはどんなときですか?」
「自分と相手の気持ちを両方大事にした自己主張(アサーション)できたと思えた思い出はどんなものがありますか?」


③     主に遊戯期(3~5歳くらい)にクローズアップされる課題
自発性vs罪悪感:自分をコントロールしつつ、欲求や要求を適切な行動に移すことができる

「自分で目的を決めて、それに向かって行動できた思い出はどんなものがありますか?」
「『あんな人になりたい』という憧れの人はいますか?その人に近づくためにどんな努力をしてきましたか?」


④     主に学童期(5~12歳くらい)にクローズアップされる課題
勤勉性vs劣等感:勉強や運動等を頑張ること、やれるという自己有能感、やればできるようになるという自己効力感を持つこと

「最初はできなかったけど頑張ればできるようになったものやことはありますか?そのエピソードを思い出してください」


⑤     主に青年期(12~20歳前半くらい)にクローズアップされる課題
自我同一性vs自我同一性拡散:独自の存在としての自己を確立する(アイデンティティの確立)

「『私は○○として生きていく』と決心したのはどんな出来事がきっかけでしたか?」


⑥     主に成人期(20~40歳くらい)にクローズアップされる課題
親密性vs孤立:他者と親密な関係を築く

「これまでの人生で、養育者以外の人と深い信頼関係を作れたと感じたのはどんなときですか?」


⑦     主に壮年期(40~65歳くらい)にクローズアップされる課題
世代性vs停滞:次世代を育てることに積極的に関わる

「子どもや後輩、学生・生徒を育てることに喜びを感じたエピソードを思い出してください」


⑧     主に老年期(約65歳以上)にクローズアップされる課題
統合性vs絶望:自分の人生に満足し、来るべき死を受容する

「自分の人生は生きる価値があると思ったエピソードを思い出してください」


さて、どんな思い出が出てきましたか?これらの課題達成エピソードを紙に書いたりして、意識しやすくすると、今後の人生で出会う困難や難しい判断の参考になります(*^^*)お試しあれ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?