「イメージ療法(アクティブ・イマジネーション)とAI」
ユング心理学にアクティブ・イマジネーションというイメージを使った心理療法があります
アクティブ・イマジネーションの方法を簡単にまとめると
①無意識から湧き上がってくるイメージをよく観察する
②そのイメージに意識的・能動的に働きかける
③意識的・能動的に働きかけたことへの応答として、そのイメージが無意識によって変化するのを待ち、その変化をよく観察する
④無意識によって変化したイメージに、再度、意識的・能動的に働きかける…というふうに②と③を繰り返す
⑤この無意識と意識のやり取りを絵や言葉で記録する
⑥記録した内容とよく似た神話や民話等の物語を探し、そういった物語を手がかりに内容について考察する
となります。
このようにまとめると簡単そうですが、この方法をちゃんと行うには、神話や民話の豊富な知識を持ち、それに対する深層心理学的考察をしっかりしたことがある必要がありますので、結構大変です。
ユングによると、世界中の神話や民話は、昔の人々がこのような無意識と意識のやり取りをした記録だそうです。
このような無意識と意識のやり取りは、AI(人工知能)と人間の間でも似たようなことが出来そうですが、そういったやり取りで出来た「現代の神話」が、昔の神話や民話と同じようなものになるかちょっと興味があります。
無意識やAIとイメージや言葉のキャッチボールをして、あなただけの「現代の神話」を作ってみましょう(^^)
参考文献
老松克博「ユング的悩み解消術 実践!モバイルイマジネーション」 平凡社新書 2011年
老松克博「無意識と出会う(アクティブ・イマジネーションの理論と実践1)」トランスビュー 2004年
老松克博「アクティブイマジネーション ユング派 最強の技法と展開」誠信書房 2000年