『ジェンダー差別の問題をソナタ形式で考えてみた』

世の中には『どこまで行っても平行線っぽいな』と思われれる議論があります。
そういった議論の一つをみているうちに、ふと『ソナタ形式は西洋の論理的思考を反映しているんだったな』と思い出して、当てはめてみました。


皆様ご存じの通り、ソナタ形式は
最初の提示部で、第一主題と第二主題が、対照的なものとして提示され
次に展開部で第一主題と第二主題のさまざまな要素を素材として複雑に展開し
最期に再現部で、第一主題と第二主題が、対照性を薄めてより調和したものとして再現されます。


これをジェンダー差別の議論において、どこまで行っても平行線をたどると思われる、ある議論に当てはめてみます。すると、


『提示部』
第一主題「管理職の女性比率を高めるために、人事は女性を優先的に管理職につけるべきだ」
第二主題「女性を優先的に管理職につけるのは男性に対する逆差別である。人事は純粋に能力のみで決めるべきだ」


『展開部』
医学や心理学において、二つのグループの違いを明らかにする研究をするときは二重盲検法をとらないといけない。もしそうしないと、その研究の信憑性は低いとみなされて他の研究者には認められない。


二重盲検法とは、検査を担当する者と検査される者が、その研究の仮説を知らないという方法である。


その理由は
①もしも検査を担当する者がその研究の仮説を知っていた場合、不正をするつもりがなくても、無意識にその仮説に合っている点を認識しやすくなるのでデータが偏ることと、
②検査される者がその研究の仮説を知っていた場合、プラセボ効果(思い込みによる心身の変化)等が出て、データが偏ること、があるからである。


さて、現状では管理職に男性が多い。そして、人の心は『これまで○○ということが多かった』というように多く経験したものを、好ましく思い、さらには正しいと思い込みやすいということが分かっている(ザイアンス効果)
よって、世間一般には『管理職は男性であるべきだ』というジェンダーバイアスが存在する。


これを上記の二重盲検法の問題に当てはめると、現状は人事(検査を担当する者)も管理職候補者(検査される者)も『管理職は男性が向いている』という仮説(バイアス)をもった状態で人事考査していることになりデータの偏りが予想される。
これを踏まえて提示部の第一主題と第二主題をより調和したものとして再現部に提示すると


『再現部』
第一主題「『管理職は男性』と言うジェンダーバイアスがある程度なくなるまで、人事は女性を優先的に管理職にする」
第二主題「『管理職は男性』と言うジェンダーバイアスがなくなったら、人事は純粋にの能力のみで決める」


となります。


まぁこの考えでは納得していただけない方もおられるでしょうから、不完全正格終止っぽく、今後の継続を暗示して終わります。


皆様もこの問題について一緒に考え続けましょう(^^)/

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